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バスの安全運行を支える基幹系システムと業務アプリをDataSpider Servistaで連携

京王電鉄バスグループ

導入製品/サービス…
DataSpider Servista  

京王電鉄バスグループ DataSpider 導入事例

レガシー化した基幹系システムをモダナイズし、そこに格納されたデータをフロントの業務アプリと連携することの重要性が増しています。京王電鉄バスグループでは、データ連携ツールDataSpider Servista (以下、DataSpider)を使って、基幹系システムから抽出したデータをフロントシステムのkintoneで一元管理して活用。さらに基幹系システム同士の連携や、安全運行の確保に向けたIoTへの取り組みにも着手しています。

京王電鉄バスグループ

導入のポイント


1.データ連携の自動化・鮮度向上を実現し、さらにコストメリットを創出
2.自動化により管理負荷を数十分の1に削減など、新アプリの開発生産性と運用効率を向上
3.構築したシステム連携基盤を活用し、より顧客価値を高めるためのIoTの取り組みに着手



課題

  • 自社開発して約30年間利用してきた基幹システムに、業務との乖離と運用負荷の増大が発生
  • 各部署の個別最適システムが林立

対策

  • システム分析により、データ設計・データ運用を規定
  • レガシーシステムを含む複数システム間をDataSpiderでデータ連携

効果

  • データ連携自動化により、開発スピードが迅速化
  • システム運用負荷が大幅に軽減し、データの鮮度もアップ
  • 基幹システムのインターフェース改修費用などのコスト削減に成功

システム概要図



安全運行に欠かせない基幹系システムがレガシー化


京王線沿線を中心に多くの路線バスを運行するほか、高速バス、貸切バスなどを運行する京王電鉄バスグループ。「常にお客様が主役です」をキャッチコピーに、安全・快適で良質なサービスを提供し続けています。

京王電鉄バスグループでは稼働から30年以上たった基幹系システムの運用管理の課題に直面していました。AS/400で開発されたシステムは設計者の退職などで柔軟に改良することが難しくなっており、実業務との乖離が出ていました。このため現場では、Microsoft Excelを中心とした個別のシステムが独自に開発され、手作業での運用や複数箇所でのデータ管理などが課題になっていました。そこで2011年から基幹系システムの刷新に取り組み、システム分析を開始。現場で用いる業務アプリケーションについても、サイボウズのkintoneを使って内製化による一元化を進めることにしました。

京王電鉄バス 管理部システム業務推進担当 課長 虻川勝彦氏は、プロジェクトの狙いについて次のように説明します。

虻川氏  重複入力を排除し、常に最新のデータを使いながら、ビジネスニーズに迅速に対応することを目指しました。

しかし、内製化の取り組みを進める中で新たな課題も見え始めていました。常に最新のデータを活用するためには、様々なシステムと高頻度で連携することが必要です。そのため、手作業での処理を減らし自動化する仕組みが求められてきました。

そこで、データ設計・運用を強化するために複数のデータ連携ツールを調査し、DataSpider Servista(以下、DataSpider)の検討を本格的に開始しました。虻川氏が自らハンズオンセミナーに参加して製品を体感し、複数の代理店の中から、京王電鉄バスグループの立場に立ち一番踏み込んだ提案をしたアシストからの導入を決意しました。

内製化と自動化でコストメリットを見込む


京王電鉄バスグループがDataSpiderを選定した理由の一つは、限られたシステム予算の中で基幹系が多くの割合を占め、現場では個別にMicrosoft Excelを活用した運用に頼っている状況がありました。予算内でデータ連携の自動化・鮮度向上を実現する必要があり、それに適した製品を探していました。

京王グループの「人事給与システム」更改や点呼システム導入の話が持ち上がったのはそんなタイミングであり、虻川氏は、将来的な基幹連携のツールとしてDataSpiderを全面採用することで、開発生産性を高め、限られた予算の中で最大の効果を上げられると考えました。

DataSpiderの試使用を開始したのは2016年3月。まず、点呼システムのデータ連携処理から検証しました。点呼システムとは、バスの運転手が出勤時と乗務開始時に実施するアルコールチェックや血圧測定などを管理するシステムです。

同部 システム業務推進担当 課長補佐 松尾宏紀氏は、点呼システムの要件について次のように説明します。

松尾氏  運転手の健康状態はお客様の安心と安全に直接関わります。すばやく、漏れなくチェックできるような連携処理が求められました。

また、内製化により構築コストと運用負荷を大幅に下げられることも確認できました。基幹系システムには様々なデータが格納されており、従来は、月末月初など特定の期間を決めて手作業でデータ連携の処理を行っていましたが、そうした処理のほとんどが自動化でき、さらに日次やほぼリアルタイムでの連携も可能になります。

虻川氏  各システムのインターフェース開発では、ベンダーに依頼すればインターフェースごとに数百万円かかる場合もあります。DataSpiderだけでそれを巻き取ることができ、コストを削減できるのが決め手でした。さらに24時間365日、文句の一つも言わずに働いてくれるので、とても助かっています。最初は保守料金もネックになっていましたが、導入後のアシストのサポートも期待以上でした。

バスの安全運行を支える重要な連携基盤


京王電鉄バスグループでは、これまでに約10個のシステムと連携するために22本のインターフェースを開発しましたが、プロトタイプ作成が簡単にでき、それをほかの開発に流用することで開発生産性を大きく高めることができました。点呼システムでまずプロトタイプを作り、有用性を確認したうえで、他の案件についてもDataSpiderを活用するといったように横展開していきました。今では、同社の業務アプリケーションの数は150超に達し、様々な製品と連携できるDataSpiderの特徴も大いに生かしています。

DataSpiderは、各営業所から入力された事故情報を集約してバス運行に役立てる「事故管理システム」や、ドライブレコーダーやデジタルタコグラフのデータを収集する「運転管理システム」など、バスの安全運行を支える重要なシステムの連携基盤としてフル活用されています。具体的な導入効果としても、導入コスト削減の他、自動化によって管理負荷を数十分の1にまで削減し、新しいアプリケーションの開発生産性を数倍にまで高めることができました。

バスの安全運行の確保に向けたIoTの取り組みに着手


DataSpiderを使ってシステム連携基盤を構築した京王電鉄バスグループは、この連携基盤を活用して顧客価値をさらに高めるための取り組みに着手し始めており、その一つがIoTへの取り組みです。

車両に設置された機器や、運転手の健康状態チェックなどからは様々なデータが得られます。例えば、車両情報のデータ取得頻度を上げることでリアルタイムの故障検知が可能になります。また、バスの運行状態と運転手の健康状態の変化を組み合わせて解析することで、危険運転が発生しそうなバスを予知できる可能性もあります。

さらに、2015年3月にはBIツールを導入し、ダイヤ改正に伴って客層がどう変化するかなど、様々なデータの分析を開始しています。虻川氏は今後について次のように期待を寄せています。

虻川氏  気象情報や道路交通情報をはじめ多くのデータが、オープン化・API等でリアルタイム連携されるようになりました。こうしたデータを組み合わせることで、これまでにない使い方が可能になります。試行錯誤しながら活用の道を探っていくつもりです。


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京王バス

・安全運行に欠かせない基幹系システムがレガシー化
・内製化と自動化でコストメリットを見込む
・バスの安全運行を支える重要な連携基盤
・バスの安全運行の確保に向けたIoTの取り組みに着手



お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 京王電鉄バスグループ(京王電鉄バス株式会社、京王バス東株式会社、京王バス中央株式会社、京王バス南株式会社、京王バス小金井株式会社)
概要 京王線沿線を中心に多くの路線バスを運行するほか、高速バス、貸切バス、深夜急行バスを運行。「常にお客様が主役です」をキャッチコピーに、安全・快適なサービスを提供し続けています。
本社 東京都府中市晴見町2-22 京王府中晴見町ビル
売上高 227億円(バスグループ全体)
従業員数 2,119名(バスグループ全体)
URL http://www.keio-bus.com/
取材日 2017年3月

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