コミュニケーション活性化が企業力の向上につながる!
知財からカジュアルまで社員の誰もが動画でアーカイブ
日本郵船株式会社
- 導入製品/サービス…
- Panopto
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海運を中心とした総合物流企業の日本郵船株式会社(以下、日本郵船)は、既存中核事業と新規成長事業の「両利きの経営」を重視。この実現のため、DXに関する技術開発や活用、人材育成にも注力しています。この「文化創造の土壌作り」推進のための基盤の一つとして、企業向け動画共有・活用プラットフォームのPanopto(パノプト) を採用。社員のコミュニケーション向上や業務の円滑化に向けた動画活用が進んでいます。 |
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「人を招集しなくても、まずはプラットフォームに上がっている動画を時間があるときに見てもらえば情報共有できるため、知の共有が非常に楽に、かつ濃い内容で可能になってきたと感じています」
日本郵船株式会社 イノベーション推進グループ
知財・イノベーションサポートチーム チーム長 松本 篤 氏
課題/背景
- イノベーションに至る文化創造・土壌づくりの施策の一つとして、社内セミナーやグループの技術紹介イベントを実施していたが、コロナ渦で開催が困難に
- リモート配信を開始したが、社員自身が気軽に動画を共有でき、コミュニケーション活性化による業務円滑化の実現が望まれていた
対策
- 録画・編集・共有が簡単で、容量を気にせず、セキュアに一元管理でき、検索性に優れているエンタープライズ向けの動画管理基盤であるPanoptoを検討
- 希望があった部門とグループ企業で先行利用を行い、効果を検証
- 本格展開では事務局を設け、コミュニケーション動画を事務局から発信したり、先行利用部門から気運を盛り上げ、他の部門への展開を狙うなど利用を促進
効果
- 動画を一元的に管理し、社員が自由に利用できる基盤を全社的に認知された
- 動画作成・共有の活性化により、アイデアが生まれる文化の醸成に向けた知財が動画として蓄積
- わずか9ヵ月でユーザーの20%が動画を投稿
- マニュアルや教育コンテンツなど、時間や場所の制約なく知りたいときに学べる情報資産が拡充
- カジュアルな動画も増え、社内コミュニケーションが活性化
システム概要
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DX推進、社内技術共有から始まった動画利用
日本郵船は、定期船事業などの海運事業を多く扱っており、あらゆる船種を展開しています。昨今では、物流の枠を超え、新技術の開発・実装、次世代燃料のサプライチェーンの構築などにも取り組んでいます。経営戦略の中では、この既存中核事業と新規成長事業による「両利きの経営」が重要と位置づけ、その実現に向け、DX技術の開発、活用、人材育成に全社で取り組んでいます
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新たな顧客や市場を創造するための「イノベーションに至る素地としての “文化創造・土壌づくり”」 も推進しており、最先端の技術やトレンドに興味を持つきっかけ作りとして、社内向けのイベントや講演会を開催していると、イノベーション推進グループ 知財・イノベーションサポートチームのチーム長の松本 篤 氏は言います。
松本氏
例えば、船を運航する中核事業の中でも、色々な技術やアイデアが生まれていますが、以前はこれが社内にもなかなか知られていませんでした。そこで、2018年から技術を紹介する社内イベントを始めました。初期は「デジタライゼーションって何だ」というテーマで、当社技術が入った製品を紹介するという、来て、見て、触って、理解を深めていただく社内イベントでした。お弁当付きで、参加者同士でコミュニケーションを高め、シナジー効果も狙っており、なかなかの集客でした。
ところが、この活動は、2020年には新型コロナの影響でリアルな開催が困難となり、継続するためには、リモート配信への変更を余儀なくされました。
- ※日本郵船の企業活動は高く評価され、経済産業省、東京証券取引所、独立行政法人情報処理推進機構が主催する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023」では、「DX銘柄」「DXグランプリ企業」に選定されています。
ユーザー部門の動画利用ニーズの高まりに企業として対応する必要性
リモート配信を始めた頃は、動画の利用が限定的で、動画を編集・配信する人も限られていました。このため、動画作成ツールも無償ツールで対応していました。
現在は、動画共有基盤のPanoptoの利用に順次変更し、DX技術関連イベント動画はもちろん、新たな価値創造へ挑戦する社員にスポットを当てた企画コンテンツも配信しています。また、今では本グループからの配信だけでなく、各部門の社員自身がPanoptoを利用して作成、編集した多様な動画が共有され、社員のコミュニケーション活性化にも繋がっています。ここに至るきっかけは、社員からの動画編集ニーズだったとデジタル・アカデミーチーム チーム長の熊井 秀行 氏は言います。
熊井氏
最初は、私たちの動画を見たデータラボという活動をしている人からの動画編集ニーズでしたが、聞いてみると、動画を使いたい部門は他にもありました。しかし、リモート配信を始めた頃に利用していた動画作成の仕組みは操作性が良いものとは言えず、配信のプロセスも煩雑で、部門からの動画が増えることを考えると管理やセキュリティへの不安もありました。そんな折りに紹介されたのが、Panoptoです。
同社では、今までに無い新しい仕組みとなるPanoptoの社内導入にあたり、企業利用に耐えられるのか、また自社にとって有益なのか確認するため、全社展開に先立ち、最初の1年間はトライアル期間と定めて、その有用性を検証することにしました。
目指す姿は、動画を通じたコミュニケーション活性化による業務の円滑化
トライアルは、技術本部の各グループと広報、他にグループ企業7社を対象に実施。各組織からは、Panoptoアンバサダーを選出し、アンバサダーを通じた使い方や業務におけるユースケースの部門展開や、利用者の意見や要望の吸い上げを行っています。また、アシストが主催するユーザー会にも参加し、他社のユースケースを持ち帰り、できることは真似るという実践も行っています。このような活動の中で、メンバーのPanoptoへの期待が変化していきました。調査役の寺田 健一 氏は次のように述べます。
寺田氏
他社の動画共有文化を深める取り組みで、トップの方のメッセージや業務だけでなく、カジュアルな内容も配信しているという話は、大変参考になりました。例えば、ある人の特技を紹介したことがきっかけでコミュニケーションが広がった話などを聞くうちに、やはり、これはただの動画編集、共有のアプリケーションではないなと。動画の録画・編集・投稿・共有を通して「コミュニケーション活性化による業務の円滑化を実現したい」というところに至りました。トライアルでは、その実現性を含めた検証を進めました。
全社採用の決め手は、「速い」「簡単」「見つかる」。そして「守られている」にあったと言います。
松本氏
動画提供に必要な、録画、編集、共有が一気通貫でできて、とにかくスピーディに作業ができます。UIが良く操作が簡単なため、技術的なスキルも不要です。検索性が非常に優れ、見たい動画が素早く見つかります。セキュリティ面では、動画は一元管理され、IDは当社が利用のADと連携ができるのは、ポイントでした。他にも、特定の人にだけ公開ができ、ストレージ容量に制限がないため、運用が楽なことも評価された点でした。
これなら利用者を制限せず、社内の誰もが動画を作成、活用するプラットフォームとして展開できる。そう判断した日本郵船では、2022年8月に、日本郵船全社員およびトライアルに参加したグループ会社の計2,000名を対象に、本格的な展開をしています。
動画共有がもたらした、業務やコミュニケーションの変化
本格展開から9ヵ月が経った現在、900名を超えるユーザーが動画を既に投稿しており、多彩な動画コンテンツも集まりはじめました。その具体例や効果を熊井氏は、以下のように言います。
熊井氏
Panoptoの展開は、先行利用を開始した技術本部から気運を盛り上げ、今では、色々な部署や人から業務上有益なコンテンツ、コミュニケーション活性化のコンテンツなどが共有され、日本郵船の「動画活用の民主化」が進みつつあります。集まっている動画も、最初は、マニュアルやイベント説明会などが多かったのですが、最近では、個人の目標発表や自己紹介動画、趣味などのコミュニケーション動画も増えています。今、一番アクセスが多いのは、セキュリティ研修、AI活用プロジェクト、技術本部役員のチャンネルです。
研修に代表される学習コンテンツやマニュアルは、紙より正確に伝えやすく、作成も短時間で可能です。最近では、主計グループがIFRSの説明動画を作成していますが、Panoptoであれば、知りたい人が知りたいときに学習でき、人を集めなくても説明できるし、視聴状況が解るのも良い点です。
寺田氏
プロジェクトや技術組織からは、イノベーション推進グループの活動を真似て、自らイベントを開催し、情報を共有するといった動きも出てきています。海外各地の現場で勤務する工務技術者がイベントを開催し、活動や技術を動画発信するなど、地域や時間を越えて世界中どこからでも自由に活用でき、情報共有のあり方も変わりつつあります。
新任の技術本部役員のチャンネルでは、経営メッセージだけでなく、執務室や人となりを知れる動画も配信しています。役員に限らず、自己紹介や目標共有は、価値観を知ることで心理的安全性も図れ、コミュニケーションの活性化だけでなく、業務の円滑化にも繋がると感じています。
また、これまでなかなか知らなかった自社を知れる動画も増えています。例えば、客船「飛鳥Ⅱ」で販売されているドライカレーやドレッシングを紹介する客船チャンネルなど、色々な職場からの情報発信があります。面白いコンテンツでは、今まで動画作成とは縁遠かった社員食堂の栄養士さんが期間限定メニューを紹介し、完売したなどの事例もあります。
誰もが動画を作成でき、バラエティー豊かな動画が集まる。誰もが、いつでも、見ることができる。だからこそ、様々な業務やコミュニケーションに変化が生まれていると感じています。
「知のアーカイブ」を進めたい。それが今後の企業力の向上にきっと繋がる
多種多様なコンテンツが集まってきている理由の一つは、運営体制です。日本郵船では、動画の共有、視聴の両面での利用者を増やすために、本格展開したタイミングで事務局を新たに設け、本社・グループ会社からアンバサダーを選出するという体制で動画活用の浸透を進めています。
熊井氏
事務局では、利用者からの質問にもクイックに回答できる体制を整え、利用したいという思いを逃さないようにしています。アンバサダーが情報交換する定例会では、メンバー同士で「こんな動画を集めて行きませんか」、「こんなイベントがありますが、動画配信してみませんか」といったコンテンツの拡充や、利用者の増大に繋がる前向きな話題が毎回出ています。また、動画利用を盛り上げるためにも、コンテンツ数や視聴数などのKPIを設けて、目標を意識した活動を行っています。登録ユーザーのログインは、目標の50%達成まで、あともう少しです。
同社では、社内での動画利用のさらなる推進だけでなく、グループ企業への展開も検討中です。この動画活用を推進する意義を松本氏は以下のように言います。
松本氏
動画利用による「知のアーカイブ化」。すなわち、知の共有とコミュニケーションの活性化は、新しいアイデアが生まれる企業文化の熟成、企業力の向上に繋がると考えています。グループ企業が利用すれば、相乗効果もさらに高まることが期待できます。周りから「なんで、こんなことをやっているの」と聞かれたりしますが、古代エジプトのアレクサンドリア図書館のようなものを、21世紀のサイバー空間に作りたいと考えています。業務のことだけじゃない様々な情報があるからこそ生まれるものが、きっとそこにあると思っています。
<取材協力>
日本郵船株式会社 イノベーション推進グループ
調査役 寺田 健一 氏(写真 左)
知財・イノベーションサポートチーム チーム長 松本 篤 氏 (写真 中央)
デジタル・アカデミーチーム チーム長 熊井 秀行 氏(写真 右)
- ※本事例は取材時の内容に基づくものです。
- ※製品内容は、予告なく変更される場合があります。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
お客様情報
※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。
会社名 | 日本郵船株式会社 |
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本社 | 東京都千代田区丸の内二丁目3番2号 郵船ビル |
創立 | 明治18年(1885年)9月29日(創業 同年10月1日) |
資本金 | 144,319,833,730円 |
従業員数 | 単体 1,852/連結 35,502(国内 7,900)(2022年度 各社決算日時点) |
URL | https://www.nyk.com/ |
取材日 | 2023年5月 |
関連製品/サービス
Panopto
Panopto(パノプト)は、企業における動画の活用を推進するエンタープライズ動画管理基盤です。動画を作成し、活用するのに専門知識は必要ありません。全ての社員が様々な場面で動画を日常的に活用することで、業務の効率化や新しい働き方の実現、人材育成やリスキリング、コミュニケーションの活性化をPanoptoが支援します。
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