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Oracle Cloud VMware Solutionを構築してみました!
前回の記事でOCVSの概要やメリットをお伝えしました。 本記事では実際にOCVSを構築する手順、および作成したvCenterへ実際に接続する手順をお伝えします!
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ここからは、お客様から実際にご相談のあった移行要件を例に、RDS採用時とEC2採用時の違いや選定ポイントをご紹介していきます。
基本情報および現行のデータベース構成などは下記を参照してください。
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現在はクラスタウェアを使ったアクティブスタンバイ型のHA構成を採用し、障害発生時に切り替わるようにしています。可用性については、クラウド移行後も同レベルを維持したいというご要望です。
現在は統合運用管理ツール「JP1」で監視を行い、バックアップはOracleのRecovery Manager(RMAN)で対応しています。また、昨今の災害状況などを考慮して、今後は災害対策(DR)を検討したいというご要望です。
このような要件を踏まえ、「可用性」「性能」「運用」の3点について、Amazon EC2、Amazon RDSを採用した場合のポイントや注意点を見ていきましょう。
サービス | ソリューション | Oracle Database ライセンス |
構成 |
---|---|---|---|
Amazon RDS | RDSマルチAZ構成 | SE2/EE | マネージドサービスのアクティブスタンバイ構成 |
Amazon EC2 | DataGuard | EE | Oracle Database機能を利用したアクティブスタンバイ構成 |
サードパーティ製品を利用したHA構成
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SE2/EE | サードパーティ製品を利用したアクティブスタンバイ型のHA構成 |
オラクル社、Amazon社のどちらのWebサイトにも「RAC構成はサポートしていない」という記述があります。
オラクル社:
出典:日本オラクル『サードパーティ・クラウドでのOracle Real Application Clusters(RAC)のサポート概要と解説 - リビジョン 2018.08.12』
https://www.oracle.com/technetwork/jp/database/options/clustering/overview/rac-cloud-support-2843861-ja.pdf
(引用日:2022年5月9日)
Amazon社:
出典:Amazon Web Services, Inc. 「Amazon RDS for Oracle のよくある質問」
https://aws.amazon.com/jp/rds/oracle/faqs/
(引用日:2022年5月9日)
一方、Amazon社のサイトにはRAC構成を利用するための記述も掲載されています。
出典:Amazon Web Services, Inc. 「Establishing Amazon EC2 infrastructure for Oracle RAC database migrations with FlashGrid」
https://aws.amazon.com/jp/blogs/awsmarketplace/establishing-amazon-ec2-infrastructure-for-oracle-rac-database-migrations-with-flashgrid/
(引用日:2022年5月9日)
RAC環境はミッションクリティカルな環境で利用するものですが、アシストにおいては、「オラクル社がサポートしていないものをAWS上で利用するというのは実質不可能」という見解です。
マネージドサービスとして提供されるため、1クリックで簡単に構成を構築できる点が大きなメリットです。EE、SE2ライセンスともに利用可能です。
先ほどオンプレミスとはライセンス数のカウント方法に違いがあるとお伝えしましたが、BYOL(顧客企業持ち込み型)の場合は、アクティブスタンバイ構成のスタンバイ側にもライセンスが必要になる点に注意が必要です。また、SE2ライセンスの場合は、最大8vCPUまでという制約があるので、今回の想定要件では注意が必要です。
Oracle Databaseで用意されている機能を利用できるアクティブスタンバイ構成です。DataGuardに関してはオンプレミス環境での採用実績が豊富にあり安心して利用できますが、EEライセンスが必要です。
DR対策となる、リージョン間構成(リージョンをまたいだ場合の構成)には以下の三つの選択肢があります。
サービス | ソリューション | Oracle Database ライセンス |
構成 |
---|---|---|---|
Amazon RDS | フィジカルスタンバイDB | EE | マネージドサービスのアクティブスタンバイ構成 |
Amazon EC2 | DataGuard | EE | Oracle Database機能を利用したアクティブスタンバイ構成 |
サードパーティ製品でのHA構成 | SE2/EE | サードパーティ製品を利用したアクティブスタンバイ型のHA構成 |
マネージドサービスのため簡単に構築可能です。リージョン内でサポートされていたマルチAZ構成とは異なり、内部的にはOracle DataGuardの機能を利用したアクティブスタンバイ構成となっているため、EEライセンスの場合のみ利用可能です。
また、RDSでEEライセンスを利用する場合、BYOL(顧客企業持ち込み型)が必須となり、Licence Included(AWSがOracle Databaseを用意)ではEEライセンスが利用できない点にも注意が必要です。つまり、ライセンス自体が必要になるため、現在SE2ライセンスを利用されている場合はコスト面での考慮も必要になります。以下の記事も合わせてご確認ください。
サードパーティ製品を利用したアクティブスタンバイ型のHA構成です。ストレージ共有はできませんが、SE2ライセンスでも利用できるため、今回の想定要件にも適用可能です。
本記事は後編に続きます。
▼後編はこちら
https://www.ashisuto.co.jp/db_blog/article/oracledb-on-aws-atf2022-vol2.html
Oracle DatabaseをAWSで利用するには、本記事でご紹介した情報の他にも留意いただきたい点があります。ご検討の状況に合わせて以下の記事もお役立てください。
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新良 芳郎
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原田 拓朗
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最後までご覧いただきありがとうございました。
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