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2019.12.03

DataSpider×物流業!3社の事例に見る活用術
~DX、RPA、SAP移行、DWH構築にも効く!~

DataSpider×物流業!3社の事例に見る活用術~DX、RPA、SAP移行、DWH構築にも効く!~

2019年9月に物流業のお客様を対象とした『アシスト物流フォーラム』を開催しました。
今回はそのレポートをお届けしたいと思います。

本イベントでは、3社のお客様にご登壇いただき、自社のITにまつわる取り組みについて
お話いただきました。

3社ともにEAIツール「 DataSpider 」をご使用でしたので、その活用方法もまとめてご紹介していきます!


川崎近海汽船様のDXのお話


川崎近海汽船様は、主に国内や近郊の海に船を出し
物を運ぶことを主業とされています。


ご講演の冒頭で、こんなお話がありました。

貨物船

DXレポートでは企業が抱え込む旧式の基幹業務システム、つまり“レガシーシステム”が要因となり
2025年以降日本経済は年間約12兆円もの経済的損失を被り続ける可能性が報告されています。
弊社では、すでに10年程前に同様の兆候が見られ、対策を取ってきました。

”10年前から取り組まれている対策“とは?
というところが気になりますよね。

その内容は、インフラの刷新から自動化(RPA)まで多岐に渡るものでした。

◆インフラの刷新

- 今後のデータ活用による増加を見据え、ネットワークをインターネットVPNで再構築
- すべてのオンプレミスサーバをクラウドに移行し、サーバルームを廃止
- 社外からでもメールを確認できるよう仕組みを変更

◆基幹アプリの見直し

- できる限りコーディングしない
- 個別に作成していたシステム間連携のインターフェイスをデータ連携ツールに統一
- 利用者自ら必要なデータを取り出して、分析できる仕組みを導入

◆SaaS利用と自動化

- 「名刺管理システム」と「営業支援システム」にSaaSを活用
- Excelデータを1件ずつシステムに登録し、完了メールを送信するという作業はRPAツールで自動化
- 基幹のデータを「営業支援システム」に取り込むところはデータ連携ツールで自動化
- 各種データマートから分析用のBIへデータを取り込むところもデータ連携ツールで自動化


結果として、「オンプレミスサーバの撤廃」や「できる限りコーディングしない」など
言葉にするのは簡単でも実行するのは難しい施策を一貫して行ったことで
レガシーシステムの維持などに使われていた運用コストを2分の1に削減できたそうです。

また、[基幹や情報系とのシステム間連携]や[自動化]で登場したデータ連携ツール「DataSpider」に
連携インターフェイスを統一し、すべてノーコーディング開発することで
ビジネス要件へ柔軟に対応できるようになったとお話されていました。


日立フーズ&ロジスティクスシステムズ様のSAP移行のお話


冷凍食品をお弁当のイメージ

つづいて、お弁当に大活躍!
冷凍食品のニチレイと日立製作所の合弁会社である
日立フーズ&ロジスティクスシステムズ様のお話です。

こちらがデータ連携ツール「DataSpider」を導入したのは2013年で
給与計算を受託する「ペイロールサービス」がはじまりでした。

人事システムから出力された約40社分の勤怠データの[品質維持]と[生産性向上]の課題に
はじめはExcelVBAを検討されたものの、これからは[属人化排除]が必須と考え
ノーコーディングで処理が可視化できるデータ連携ツールを採用されました。

それからは様々な仕組みでご利用いただいています。

帳票作成業務のRPA化

- 運用自動化機能で、報告作成処理を自動起動し、作業時間を削減
- 業務フロー可視化で属人化排除
- メール通知機能で、後工程漏れを防止

SAP内の経理/監査データの連携

- 経理データの月次締め処理内におけるデータチェックを実施
- SAPから監査対象となるデータを部署ごとに抽出


2016年には、SAP ERP 6.0からS4/HANAへの移行プロジェクトにもデータ連携ツールを活用。

「DataSpider」のSAPアダプタはECC6.0とS/4HANAの両方に対応しているため
新規構築方式の移行作業効率化が見込めると判断されました。

その判断により、[開発コスト]と[スピード]という点で効果を発揮!

移行リハーサル中に急な移行変換テーブルへの項目追加が発生した際、ABAPでは開発者のリソースが足りず
作業が間に合わないという窮地に陥りました。
そこで、ABAPではなく「DataSpider」を選択したところ
短期間で後続作業への影響なくデータ補正を完了させることができたのです。

今まで「DataSpider」の経験がなかったメンバーもすぐに開発を行うことができたため
ABAP開発者のリソース不足解消につながるツールである、とお話されていました。


SBSホールディングス様データウェアハウス(データ倉庫)構築のお話


トラック輸送

大きいものでは新幹線などの車両を輸送し
物流業としての規模を拡大し続けているSBSホールディングス様の
成長ドライバーの1つは、M&Aなのだそうです。

今回発表いただいた、データウェアハウス構築プロジェクトの背景には
M&Aが成長の源であったがゆえに、グループ全体で管理すべきデータが
偏在してしまい、分析できないという課題がありました。

新たにデータウェアハウスを構築するのには、下記のような狙いがあったそうです。

1.システム間インターフェイスのばらつきを統制
 これまで手動でデータのやり取りをしていたことから、スケジュールや依存関係を管理できなかったが
 すべてのインターフェイスをデータ連携ツール「DataSpider」に統一したことで、
 スケジューラーで全体を管理・統制。


2.システム開発コストの高止まり
 非定型照会・汎用検索機能を各システムの業務画面機能で実現しようとしていたため
 都度発生するプロジェクトコストが割高になっていた。
 その機能をデータウェアハウスが肩代わりすることで、コストを削減。

3.開発ベンダー主導でのシステム開発から、情報システム部門主導へ
 ユーザーごとにベンダーへシステム開発を依頼するという、従来の仕組みを変えるきっかけとして
 システム部がデータウエアハウスとインターフェイスを構築/管理し、存在意義を向上。


データウェアハウス構築プロジェクトは、2017 年7月から 2021 年7月まで3つのステージに分けて
実施される計画で、今年4月に約半年で最初のステージが完了。

最初のステージでは、グループに所属する従業員の人事/給与/勤怠/経費に関わる情報を
データウェアハウスに格納し、BIツールで検索する仕組みを整えました。

これにより、約19,000人の社員プロファイルが可視化され
・定量的な人事管理や業務支援に活用すること
・グループ全体にわたる人事諸施策を支援すること
ができるようになったそうです。

今後は、データウェアハウスに取り込むデータを拡充し
現場の活動に結びつく「予測型経営」を目指すと発表されていました。


まとめ

「DX」「SAP移行」「データウェアハウス構築」と各社におけるテーマは3社3様に思えますが、

 “システム間インターフェイスを統一したい”
 “属人化せず、ノーコーディングで柔軟な開発手法を選びたい”
 “運用に人を介さず自動化したい”

という将来的なデータ活用を見据えた対策は、実は共通したものでした!

3社様の活用術を通してデータ連携ツール「DataSpider」に興味を持っていただけましたら
ぜひ下記より詳細資料をご覧ください。


DataSpider紹介資料

DataSpiderの製品概要を、初めてのお客様にも
わかりやすくまとめた資料です。
製品の基本的な機能や豊富なアダプタのご紹介、
国内での導入事例も掲載されております。

社内関係者への説明にもご利用いただけます。


アシストは、DataSpider導入実績NO.1に認定されているパートナーです。

ツールを導入するまでではなく、お客様が製品をご理解され、使いこなし、長く使い続けられることを大切に、ご提案・ご支援・サポートをしております。

データ連携についての課題やご相談がございましたら、どうぞお気軽にアシストまでご連絡ください。


執筆者

執筆者

鏑木 彩乃(かぶらぎ あやの)
東日本技術本部 情報基盤技術統括部

アシスト入社以来、約12年間データ連携製品を担当。
現在はマーケティング業務に従事。
肉まんとあんまんは、両方買って交互に食べる派。

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