DataSpider資産棚卸サービス!~現状可視化で運用ムダ削減~
突然ですが、DataSpiderが “いま何が・どこで・どう動いているか” 把握できていますか?
DataSpiderに限らず、システムやソフトウェアは前任者の退任や属人化でブラックボックス化しがちです。
そのため、環境移設やバージョンアップ前に現状把握しておかないと、運用のムダやリスクの温床になります。
そこで、この記事では現状調査と可視化を行うことができるアシストのDataSpider資産棚卸サービスを紹介します!
1. なぜ「現状可視化」が今必要か(課題と背景)
1-1. ブラックボックス化はなぜ起きるのか
DataSpiderはGUIで開発を行うため、従来のスクラッチ開発と比較すると、視覚的に処理を理解することができます。しかし、GUIで開発ができるとはいえ、連携範囲が広がるほど、プロジェクト・サービス・トリガーが増え、そこに担当者の交代や属人化が重なると “何が・どこで・どう動いているか” が見えづらくなります。これがいわゆるブラックボックス化の正体です。
結果として、障害時の切り分けや変更時の影響確認に時間がかかり、運用コストとリスクがじわじわと増加します。
リスクの例
- 類似した処理が複数あり、どれが本番で使われているか不明。
- 変更確認の見積りで、毎回 “念のため” の広範囲テストが発生。
- 前任者しか知らない設定やスクリプトが残っている。
1-2. 可視化されないままの移設・バージョンアップが招くリスク
現状把握を行わないまま環境移設やバージョンアップ(VUP)を進めると、未使用の資産や重複設定を含んだまま移行を行うことになるため、将来的な不具合や性能劣化の火種を持ち越してしまいます。各資産の依存関係が不明確だと影響範囲を誤認し、切り戻しや追加テストが発生しやすくなります。
つまり、現状可視化は「抜け漏れのない移行計画・テスト設計」の前提条件です。
1-3. 「現状可視化」で最初に整えるべき視点
改善の初手は、 “いま” の棚卸です。とくに次の3つの観点を押さえると、着手点がクリアになります。
- 1) 利用/未利用の仕分け
未使用・重複資産を特定し、運用のムダを削減します。
- 2) 関連性の把握
変更時の影響範囲を誤らないために、資産間のつながりを可視化します。
- 3) 対象資産の全体棚卸
対象は「プロジェクト/サービス/トリガー/グローバルリソース/マウント/環境変数」となります。網羅的に現状を把握することが大切です。
2. アシストのDataSpider資産棚卸サービスとは
2-1. サービスのゴールとアウトプット
DataSpider資産棚卸サービスは、現行のDataSpider環境から主要な資産を取得・整理し、各資産の利用/未利用と相互の関連性を「棚卸レポート」で可視化する “現状調査” サービスです。
棚卸結果は「棚卸結果報告書」として納品し、資産の全体像と依存関係を俯瞰できる形で提示します。
2-2. 可視化の3つの観点とサービスの効果
棚卸レポートでは、意思決定に直結する3つの観点で “いま” を見える化します。このレポートにより現場の意思決定と作業計画を具体化することができます。
- 利用/未利用の仕分けによる運用のムダ削減
- 未使用/重複資産の棚卸により、監視・保守対象の明確化、障害切り分けの迅速化につながります。
- 関連性の把握による変更時のリスク低減
- 各資産の相互関係を一覧化し、変更時の影響範囲を明確化します。そうすることで、影響範囲を誤認しにくく、後戻りや追加テストの発生リスクを軽減します。また、移設やVUP計画の前提情報が整理されるので、移行計画やテスト設計を漏れなく行うことが可能です。
- 起点別ビュー(プロジェクト起点/グローバルリソース起点など)
- 同じ環境でも “どこから見るか” で洞察が変わります。目的に応じた起点別の見せ方で、判断のスピードと精度を高めます。
3. 対象資産と棚卸レポートの構成(出力イメージ)
3-1. 対象資産の定義と収集方法
本サービスでは、DataSpiderの主要資産を棚卸の対象にします。対象は次の6カテゴリーです。
- プロジェクト
- サービス
- トリガー
- グローバルリソース
- マウント
- 環境変数
これらの定義情報を現行環境からエクスポートし、標準テンプレートに沿って整理・可視化します。
※お客様の都合に合わせてカスタマイズすることも可能です。
例:DataSpiderのパラメータを一覧化したい、アプリケーションログの出力先と関連資産を可視化したい など
3-2. 棚卸レポートの主な構成
棚卸レポートは、運用・移設・VUPの意思決定に必要な情報に絞って構成します。ポイントは「一覧」「関連」「起点別」の3レイヤーです。
- 資産一覧
- 対象資産の網羅リストを提示。利用/未利用の判定フラグを付与し、要否の判断を素早くします。
- 関連性の俯瞰
- 資産間の依存関係を可視化。プロジェクト⇔サービス、トリガー⇔プロジェクト、グローバルリソース⇔プロジェクト/スクリプトなどの参照関係をまとめます。
- 起点別の視点
- プロジェクト起点で「どのサービスに登録されていて、どのトリガーから動かしている?」、グローバルリソース起点で「どのプロジェクトの、どのスクリプトで利用されている?」など、目的別に入口を切り替えられる構成にします。
プロジェクト一覧のサンプル
グローバルリソース一覧のサンプル
3-3. レポートの活用
棚卸レポートの「利用/未利用」判定により、不要な資産や重複設定を早期に抽出できます。これにより、監視・保守対象の明確化、障害時の切り分け迅速化が進みます。
- 未使用資産の削除候補化(ログ・ジョブ・設定の “やめる” 判断)
- 類似資産の統合候補化( “まとめる” 判断)
- 重要資産(ハブ)の特定による重点監視化( “注意して触る” の明確化)
まとめ
DataSpider資産棚卸サービスは、現行環境の資産を収集・整理し、各資産の「利用/未利用」と資産間の関連性を一目でわかる棚卸レポートとして可視化する “現状調査” サービスです。これにより、ブラックボックス化の解消、運用のムダ削減、移設/VUP前の抜け漏れ防止につながります。
レポートは意思決定の土台として活用でき、会議体での要否合意や、削除・統合・標準化・VUP準備といった次アクションの設計を後押しします。
まずは「いま」を見える化し、確信を持って次の一手へ進みましょう!
お打ち合わせによるご説明も可能です。詳しい進め方や対象範囲のすり合わせをご希望の方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
<DataSpiderお問い合わせフォーム>
執筆者情報:
Glean(革新的な生成AIサービス)
株式会社アシスト
DX推進技術本部 技術統括2部 ナレッジ・プラットフォーム技術部
関連している記事
本記事では、設定作業から接続テスト、レクチャー/Q&Aまでを一気通貫で支援する「初期構築設定支援(HULFT Squareリンク)」の内容と進め方をわかりやすくご紹介します。
安定したシステム運用のために不可欠なリソース診断をお手伝いする支援についてご紹介します!
この記事では、アシストの運用トレーニングの内容とそのメリットなどを詳しくご紹介します。