- ジョブ管理
【JP1/AJS3】JP1 x SAP 使い慣れたAJS3の画面からSAPジョブを一元管理!
JP1/AJS3での、SAPのバックグラウンドジョブ制御をご紹介します。
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障害発生時、ログが残っておらず調査ができなかった…という経験はありませんか?残念ながら、ジョブの実行量が多い環境では往々にして発生しうる問題です。特にエラーが多発すると、ログがあっという間にローテーションしてしまうこともあります。
本記事では、JP1 V12.5で実装された「エージェントのログ強化」についてご紹介します。
ジョブ実行は、マネージャーがエージェントに実行命令を行うことで開始され、エージェントが実行結果を返すことで終了します。この時、マネージャーとエージェントの間の通信に問題が発生すると「マネージャーからの実行命令を受け取れない」「実行結果をエージェントからマネージャーへ返すことができない」などのエラーにつながります。
ジョブ情報の管理はマネージャーで行うため、ジョブの実行結果はマネージャー側に残ります。しかし、上記のような問題が発生すると、マネージャーが情報を受け取れずジョブの実行結果を確認することができません。
この場合、ジョブが正常終了したか否かは、実行ファイル側のログなどから確認するしかありません。
また、「処理がどこで止まったか※」を調査する場合、マネージャーとエージェントのログの両方が残っていなければなりません。
対象ホストで実行されるジョブ数自体は少なくても、マネージャーが管理する総ジョブ数が多い場合、マネージャー側のログがすぐにローテーションしてしまい、事象発生時のログを確認することができなかった、というパターンも残念ながら少なくありません。
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エージェントのログが強化されてできるようになった、大きなポイントを2点ご紹介します。
JP1 V12.5から、エージェント側でジョブの実行結果を確認できるようになりました。
例えば、以下のような情報がエージェント側に保存されます。
0091 2021/08/12 13:18:31.950 jpqagt 00001BCC 00000FC8 KAVU3613-I AJSROOT1:/ルートジョブネット1/PCジョブA:@A120,119,hostM,eu="jp1admin"
0092 2021/08/12 13:18:31.950 jpqagt 00001BCC 00000A48 KAVU3614-I AJSROOT1:/ルートジョブネット1/PCジョブA:@A120,119,hostM,un="administrator",sc="C:\temp\job.bat",prm="",pid=2768
0094 2021/08/12 13:18:31.966 jpqagt 00001BCC 00000A48 KAVU3616-I AJSROOT1:/ルートジョブネット1/PCジョブA:@A120,119,hostM,rc=0,st=正常終了
上記ログでは、ルートジョブネット1配下のPCジョブAが終了コード0で正常終了したこと、またPCジョブAで実行している実行ファイルがC:\temp\job.batであることなど、多くの情報が確認できます。
つまり、マネージャー側でログが取得できなくても、エージェント側のログが残っていれば、事象発生時の状況確認することができます。
また、ログが残っている範囲であれば、保存世代数を超えてしまった実行結果や、実行登録解除したジョブの実行結果も確認できます。
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エージェントのログ強化はJP1 V12.5からの新機能ですが、マネージャー側のバージョンは問いません。エージェントのみバージョンアップしてセットアップすればすぐにご利用いただけます。また、新規でJP1 V12.5をインストールすれば、本機能はデフォルトで有効になっているため、ぜひご活用ください。
JP1/Automatic Job Management System 3 - Manager (JP1/AJS3 - Manager) 12-50以降
JP1/Automatic Job Management System 3 - Agent (JP1/AJS3 - Agent) 12-50以降
2012年、株式会社アシスト入社。セキュリティ製品を担当後、2013年より
JP1の顧客サポートを担当。「JP1認定シニアコンサルタント」の資格保有者。
サポートの経験を活かしたブログを目指します。
趣味は、夢と魔法の国(と、冒険とイマジネーションの海)に行くこと
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