BI(ビジネスインテリジェンス)とは何か?重要性と効果を徹底解説
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この記事では、BIの重要性とその効果、そしてBIツールについても解説します。
目次
BIとは何か?
そもそもBIとは何なのか、企業の視点に立ち紐解いていきます。
企業戦略の意思決定を支援するBIとは
「インテリジェンス」は、根拠に基づき論理的に物事を理解し判断する能力(※1)を表します。したがって、ビジネスにおけるインテリジェンスの発揮である「BI(ビジネスインテリジェンス)」は、社内外のデータを収集・分析した結果を根拠として、企業経営の意思決定や現場の判断を論理的に行うデータ活用の具体的な活動であり、そのための手法や技術を指しています。BIは過去から現在までの状況を把握したり、仮説を立案・検証しながら次のアクションを決定していくプロセスで活用されています。
BIを利用した例として、以下のようなものが挙げられます。
売上データを収集・分析して経営状況を把握
より無駄なく実現可能性の高い売上拡大・費用削減の施策を検討する。また、その施策の進捗確認に定量的な観点を入れ、その指標を継続的にモニタリングすることで施策の確実な推進につなげる。
従業員情報を一元管理し現場へ提供
スキル、経歴、評価、勤怠など従業員情報を一元管理して現場にレポートを提供することで、本部長・事業部長・部長クラスからミドルマネージャー層までタイムリーな人的資源(HR)マネジメントが可能になる。
ユーザー行動履歴から購買行動を促進
提供しているサービスのユーザー行動履歴から、ユーザーが本当に価値を感じているものはなにかを洗い出し、より適切なタイミングでニーズに沿ったキャンペーンを実施したり、Webサイトの使い勝手の改善を行いユーザーの購買行動をより促進させる。
BIという言葉そのものは、1989年に当時ガートナーグループのアナリストだったHoward Dresner氏が、企業が業績を改善するための意思決定の質を分析する概念として用いたことが始まりとされています。
※1:「the ability to learn, understand, and make judgement or have opinions that are besed on reason」( Cambridge Dictionary )
BIの重要性
企業がBIを導入する重要性として挙げられるポイントは3点あります。
●過去・現在の状況を定量的に把握することができる
●仮説立案や検証のための客観的な視点が得られる
●これまでの推移から、今後の方向性を論理的に予測することができる
BIを導入することにより、企業が日々活動していく中で蓄積されたデータを活かし、効果的な戦略を立てるための意思決定に役立つ重要な情報を得ることができます。
例えば、蓄積された顧客との接点や行動履歴などのデータを分析することで、顧客行動を具体的に把握できます。その結果から顧客行動を予測した施策を打ち出し、売上拡大・費用削減・LTV(顧客生涯価値)向上・CX(カスタマーエクスペリエンス)向上・リテンション向上につなげることができます。
あるいは、製造ラインの稼働時間や環境データなどを分析することで、製造ラインを構成している個々の部品の実耐用期間を把握でき、その結果から部品の故障要因や交換時期の予測に基づいた予知保全に切り換えることで、部品交換費用の削減・ラインの停止の回避につなげることも可能になります。
BIを実現する要素
企業の経営活動において意思決定を支援するBIは、主に以下の三つの要素・プロセスから成り立っています。
・データの収集・統合
・データの可視化
・データの分析
これらについて、詳しく解説します。
データの収集・統合
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データを活用して意思決定する際、意思決定の対象や目的に関わるデータをできる限り集めた方がより正確にその対象を把握することができるとともに、より深いインサイト(洞察・気づき)が得られます。 |
データの可視化
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人が状況や傾向を認識できるデータの量には限界があります。企業内外から集めたデータは量が多く、内容も多岐に渡るため、そのままでは集めたデータを扱いきれません。 |
※2:参考「解説:気温の状況について」
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/mdrr/tem_rct/legend.htmlデータの分析
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分析とは、ある物事を分解して、それらを成立させている成分・要素・側面を明らかにすることです(※3)。 |
※3:参考「分析」ウィキペディア(Wikipedia)より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E6%9E%90BIツールとは何か?
BIにおいて必要となるデータを扱う作業を効率よく実現するためのソフトウェアが「BIツール」と呼ばれているものです。
BIツールには具体的にどのような機能があり、どのように作業を効率化できるのか、機能の一例について紹介します。
●ETL(データ加工)
●分析支援
●ダッシュボード
●レポート作成
ETL(データ加工)
分析対象とするデータは、何らかの方法で統合する必要があります。ETLとは、この統合時に発生する加工のプロセスである Extract(抽出)・Transform(変換)・Load(格納)の略です。データを分析するためには、不要となるデータの除去や関連するデータの結合など、分析しやすいようにデータを加工してから統合する必要があります。
分析するデータが膨大なほど、データの加工には多大な作業工数が発生するため、その作業を支援しデータ加工作業を効率良く進めるためにBIツールのETL機能が役立ちます。
また、加工したデータはDWHやデータレイクに格納し、データ分析に利用することが一般的です。こういったデータを分析するまでの工程を加味し、BIツールの中にはETL機能を含むものや、BIツール自身の内部に加工されたデータを格納することができるものもあります。
分析支援
人がデータを分析する際の支援をする機能として、データを表やチャート(グラフ)で表示する機能が用意されています。これらのデータ可視化により、データから傾向や推移を把握しやすくなります。
近年では、これまで人間の目では気づきづらかったデータ間の繋がりから新たな示唆や洞察をツールが自動で導き出し、それを分かりやすく表現したチャートを提案してくれるような機能や、絞り込み条件から除外したデータも可視化することで新たな気づきが得られるような機能を有するBIツールもあります。
ダッシュボード
膨大なデータをまとめてグラフや集計表などに可視化した情報を、1画面にまとめて表示する機能です。リアルタイムに状況を把握することができ、迅速な意思決定を行うことができます。
分析結果やそこから導き出した指標をモニタリングする機能であり、様々なグラフや表を表示できるだけでなく、ドラッグ&ドロップで対象データを切り替えながら表示することで意思決定を迅速に進められます。ブラウザ上でダッシュボードを表示できるので、データの共有も容易です。
レポート出力
分析した結果を帳票として出力する機能です。各種レポートの中では、ドリルダウン・フィルタリング・分析軸の切り替えなどの操作ができます。また、CSV、PDF、Excelなど多様なフォーマットで出力できます。
ツールによってはレポートのレイアウトを編集できる機能があり、現場の要望に合ったレイアウトで自由にカスタマイズして出力することも可能です。
ご興味を持っていただけた方は
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。ご興味を持っていただけた方の中には、BIという言葉やBIツールについてイメージを掴めたものの、昨今の潮流はどのような状況なのか気になった方がいらっしゃるかもしれません。
BIトレンドの動向に関する一般的な視点に加え、ビジネスに紐付けた見解を解説したページを制作していますのでよろしければ併せてご覧ください。
本記事はBIマイスターが解説しています!
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