データドリブンの実現に!データリテラシーを向上させる方法
2022.8.9
<執筆者> 矢野 一栄 Yano Kazushige
新卒で入社した製造業では工場での品質管理や市場での品質保証の業務に従事。
<執筆者> 尾辻 未来 Otsuji Miki
BI技術2部
2011年に新卒でアシストへ入社。
アシスト入社以来、Qlik製品のプリセールスからポストセールスまでを担当。
2020年からは、Qlik技術情報ウェビナー Qmeet Lab の運営やWebコンテンツ拡充に向けたプロジェクトにも参画している。
プライベートでは、2016年からボクササイズジムに通っており、近々開催されるイベントに向けて猛特訓中!
はじめに
こんにちは。DX推進技術本部 データ活用担当の矢野です。
2021年10月のコラム「AIはじめの第一歩!テーマの見つけ方
」以来、久しぶりの登場です。
前回担当した時は、我が子の就職活動を心配していましたが、今は方向性が決まったようで一安心……ともいかない状況です。
我が子に関しては、心配が尽きないものですね。
プライベートでは子を気にかけていますが、仕事では「データドリブン」を気にかけています。
なぜなら、私が所属するDX推進技術本部のスローガンが『データドリブンを、日常に。』となっているからです。
お客様に対してはもちろん、我々もデータドリブンを日常にして、ビジネスを推進・変革していく姿を目指しています。
そこで、本日はデータドリブンに欠かせない「データリテラシー」について、考えていきたいと思います。
アシストが考える「データドリブン」
そもそも「データドリブン」とは何でしょうか?
アシストでは以下のように定義しています。
アシストが考える「データドリブン」の定義
ビジネス活動に関わる 全ての人が データに基づき 業務を推進すること
企業において重要な資源であるデータを活用して、ビジネスを推進するエンジンにしよう!というイメージです。
ではこの「データドリブン」を実現するためには何が必要でしょうか?
我々は、多くのお客様に対して、BIやAIに関わるデータ活用をサポートしています。
そこでよく聞く課題は以下の通りです。
「データ活用」のよくある課題
「経営」に関する課題
データ活用の戦略を描けない、データを経営に活用できない
「人」に関する課題
データ分析のスキルがない、データ活用を業務に生かす方法が分からない
「データ」に関する課題
データ化されていない、データが分析できる状態にない
このような課題から、データドリブンの実現に必要な取り組みを考えてみました。
『データドリブンを、日常に。』を実現するための4つの取り組み
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「データ活用戦略の立案」「人材育成・推進体制づくり」「データ活用基盤の構築」「データ活用の実行」という4つの取り組みにより、データ活用の文化・風土を醸成し、『データドリブンを、日常に。』の状態を創り出すことができると考えています。
この中で注目すべきは「人材育成」です。
我々は、データドリブンを「ビジネス活動に関わる “全ての人” がデータに基づき業務を推進すること」と定義しているように、「一部の人」ではなく「全ての従業員」を対象とした人材育成が必要だと思っています。
将来、データ活用ができる人材は、数十万人不足すると言われています。
そのため、すぐにでも、データ人材の確保や育成に取り掛かることをおすすめします。
人材育成で重要となる「データリテラシー」
では、どのような人材を育成すれば良いのでしょうか?
全員が「データサイエンティスト」や「データアナリスト」のように、専門的な分析技術を身につける必要はないでしょう。
全員が
「データを読み、理解し、活用する」
レベルまで達したら、全社的なデータ活用スキルは大きく底上げできるはずです。
これらのスキルは
「データリテラシー」
と呼ばれ、昨今注目を集めています。
データリテラシーとは
データリテラシーとは、データを読み、使い、分析し、データに基づいてコミュニケーションをとる能力のことです。
このスキルを身に付けることによって、すべての従業員が、データやコンピューターに関する適切な質問をし、知識を蓄積して意思決定を行い、その意味を他の従業員に伝えることができます。
出典:データリテラシーとは何か、なぜ、組織にとって重要なのか
https://www.qlik.com/ja-jp/bi/data-literacy
(2022年8月9日時点の情報)
私が担当しているBIツール「Qlik」のメーカーであるクリックテック社の調べでは、日本におけるデータリテラシーは、他国と比べて低いと言われています。
データリテラシースキルに「かなりの自信がある」と回答した従業員の割合
23% オーストラリア・ニュージーランド
22% 米国
13% 英国
7% フランス
5% 日本
出典:Data Literacy: The Upskilling Evolution
https://www.qlik.com/us/-/media/files/resource-library/global-us/direct/datasheets/ds-data-literacy-the-upskilling-evolution-en.pdf
(2022年8月9日時点の情報)
この調査結果だけで「日本のデータリテラシーが低い」と言い切ることはできませんが、「データリテラシーに自信がある」という方にお会いすることは稀ですし、「データ活用の成果はまだ出ていない」という企業があるのも事実です。
ビジネスの課題を解決するためには、まずはビジネス上の問題を抽出し、課題設定を行い、業務における意思決定を変える必要があります。
意思決定を変えるためには、BIによるデータ分析・AIによる予測モデル作成により、データに基づいた仮説・検証・議論を行うことが大切です。
この時、データリテラシーが低いと、正しい情報を得られなかったり、スピード感に欠けたり、判断を間違ったりする可能性が出てきます。
だからこそ、データリテラシーの向上が必要だと言われているのです。
皆様は、本当に業務に役立つ分析ができているでしょうか?
「なんとなく状況は分かった」ぐらいで満足していませんか?
分析を基に仮説をたて、意思決定に繋げていますか?
かくいう私も、担当製品の売上(予実)を確認することは多いですが、そこからデータ分析して意思決定を変えているかと問われると、返答に困りそうです(笑)。
「データリテラシーが重要なことは何となく理解しているけれど、どうやって学べば良いか分からない」という方も多いような気がします。
そこで、ここからは「データリテラシーを向上させる方法」を考えてみたいと思います。
データリテラシーを向上させる方法
データリテラシーを向上させる方法として、まずは「eラーニング」が思いつくのではないでしょうか。
有名なサービスだと「Udemy
」や「gacco
」がありますが、これらのサービスでもデータリテラシーに関するコースが提供されており、手軽に受講できます。
私は、gaccoで「誰でもわかる!データリテラシーの基本」というコースを受講しました。このコースは、クリックテック社による無料講座です。
クリックテック社は、他にも「データリテラシーの向上」に関する取り組みを強化していますので、参考にしてみてもいいかもしれません。
データリテラシーに関するeラーニング(クリックテック社 提供)
[ 無料講座 ] 誰でもわかる!データリテラシーの基本
https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+pt108+2021_12/about
[ 無料動画 ] データ・リテラシー コース
https://www.qlik.com/ja-jp/services/data-literacy-program/data-literacy-courses
[ コラム ] DX時代に不可欠なデータリテラシー入門
https://dcross.impress.co.jp/industry/column/column20200722/index.html
次に思いつくのは「書籍」でしょうか。
データリテラシーに関する書籍は多くありますが、統計やデータサイエンスなど、専門的な内容が含まれていることがあります。
eラーニングにしても、書籍にしても、しっかり勉強したい方には向いていると思いますが、「もっと基本的なことから勉強したい」「短時間で学びたい」「独学で/1人で勉強する自信がない」方には向いていないかもしれません。
そんな方のために、アシストでは、新たな研修サービス「
データ活用リテラシー研修
」を2022年7月にリリースしました。
データ活用の初学者を対象にした1日で終わる研修です。
日本経済新聞のWebサイト
にも取り上げていただき、初回開催は満員御礼となりました。
新入社員向けの研修に、DX人材の育成に、と個社別の開催についても引き合いが出てきています。
同じ部のメンバーがトライアル受講したので、感想を聞いてみました。
「データ活用リテラシー研修」受講の感想
こんにちは。DX推進技術本部の尾辻 未来です。
先日、データ活用リテラシー研修を受講しました。
10年以上データ活用分野に携わっているので、「新たな知識を得るため」というより、「この研修をお客様に提案できるように」受講したのですが、思いがけず多くの気づきがありました。
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◆ 研修の内容
この研修のゴールは「日々の業務の中でデータ活用を取り入れられるようになること」です。そのため、講師が淡々と講義するのではなく、ビジネスケースに基づいた演習が多く含まれています。
演習を通して、
・ビジネス課題に対する仮説の立て方
・分析に適したデータを準備するポイント
・集計・可視化のコツ
・結果の解釈や他メンバーに報告する時のポイント
を体系立てて学習できました。
実際にデータ活用の流れを自分でやってみることで、業務で利用する時のイメージが湧き、実業務に生かしやすい気がしました。
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◆ こんな課題を解決するヒントが得られるかも?
お客様からよく相談されるけど、少し回答に困る……
そんな内容も、この研修で学んだことを生かせば解決できそうでした!
「どのようなデータの持ち方がBIツールに向いていますか?」
⇒ データの持ち方や、データ準備のポイントについて、この研修で整理できます!
「BIツールを導入したものの、要件が出なくてなかなか展開できません……」
⇒ BIツールとしての要件が顕在化していなくても、ビジネス上の課題はあるはず。
その課題から仮説を立て、どのように分析していくかを、この研修で学べます!
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◆ こんな方におすすめ!
個人的には、以下のようなお客様に向いている研修だと感じました。
・これからデータ活用を始めたいが、どう進めて良いか分からない方
・BIツールを導入したものの、活用/定着できていないと感じている方 など
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この研修は1日で終わりますし、1名から受講いただけるので、まずはどなたかお試しで受講されるのも良いと思います。
実際に受講した私が、自信をもっておすすめします!
データリテラシーを向上させる方法は色々あると思いますが、これらの情報が参考になれば幸いです。
さいごに
今回は、人材育成で重要となる「データリテラシー」について取り上げました。
『データドリブンを、日常に。』の実現に向けて、これからも、お客様のデータ活用やデータドリブンに伴走できるよう活動したいと思っています。
お困りごとや相談などあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。そして、色々と情報交換できればと思います。
参考
本ページの内容やアシスト西日本について何かございましたら、お気軽にお問い合わせください。