「現場のリテラシー不足」は言い訳!データ活用を“日常業務に浸透させる”3つの極意
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データ活用の失敗やAI導入の落とし穴には、明確な原因があります。
なぜなら、成功事例の裏には、現場の抵抗などの泥臭い課題が必ず潜んでいるからです。
本コラムでは、DXのエンジニアが昨年500件以上の面談を通して知った現場の知見から、失敗の根本原因とAIの導入リスクを解説。
現場にとってメリットがあり、定着に繋がるデータ活用の3ステップをご紹介します。
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<執筆者> 林 宏樹 Hayashi Hiroki
DX技術本部 DX技術統括部 データ活用基盤技術2部 部長
前職ではSIerにてシステム開発を経験し、2015年にアシストに転職。
データ活用製品の専任技術を経て、2021年からAI技術部を兼務し、データサイエンティストとして活動。
2023年からはDX全体の領域で活動しており、基盤構築の支援や各地で講演会も行っている。
スポーツ選手に例えるとユーティリティープレイヤー。
ちなみに、学生時代はスキーのモーグル競技で国体選手となり、西日本チャンピオンに。
参考:社員紹介コラム「昨日の自分を超えてゆけ(林 宏樹)
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「データ活用」はなぜ失敗するのか?
世の中にデータ活用の成功事例は溢れていますが、現実は「ツールを入れたのに全く使われない」といった泥臭い課題ばかりです。
それは、IT部門は立派なデータ活用基盤を構築したら「ゴール」だと考えてしまいがちですが、現場にとっては「そこからがスタート」に過ぎないからです。
そこで、導入後に直面する「現場のリアルな壁」と、データ活用が失敗する根本原因を、3つのケースを基に解説します。
「IT部門のゴール」と「現場のスタート」
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ケース1:ツールを入れても「今のExcelで十分」と抵抗される
新しいデータ活用ツールを導入する際、現場からの抵抗は必ず発生します。
IT部門が「DX推進」や「ガバナンス」といった方針を掲げても、抽象度が高く現場の担当者には響きません。
「毎月の集計は今のExcelマクロで回っているのに、なぜ新しい操作を覚える必要があるのか」と現状維持を望むからです。
現場を動かすには、会社都合を押し付けるのではなく「データ活用で業務がどう良くなるのか」という共通の目的を持って歩み寄ることが不可欠です。
ケース2:セルフサービスBIで「似たようなレポートが乱立・陳腐化」する
現場が自由に分析できる「セルフサービスBI」は強力ですが、展開後に「各部署で似たようなレポートが乱立する」という状況が多発します。
放置すれば情報が陳腐化するため、会社やIT部門は、レポートを標準フォーマットに定型化・集約しようとします。
しかし、無理な集約は現場の利便性やスピード感を損なう障害になりかねません。
定型化による資産管理と、現場のスピード感のバランスをどう取るか、方針を慎重にすり合わせる必要があります。
ケース3:現場のリテラシー不足ではなく「目的が不明確」である
データ活用が進まない理由を「現場のITリテラシーが低いから」と片付けるのは大きな誤解です。
データ活用はあくまで手段であり、失敗の根本原因は「データを使って何を成し遂げたいか」という目的が不明確であることに尽きます。
リテラシーやツールの教育を行うよりも重要なのは、現場の通常業務の中にデータ活用を自然な形で浸透させることです。
目的が明確で、データを使うことで現場の業務が楽になるのであれば、特別な教育がなくてもデータ活用は自然と進んでいきます。
「データ活用×AI」を導入する前に知っておくべきリスク
データ活用における「現場の壁」は、AI導入の際にも全く同じように立ちはだかります。
経営層からの指示で慌ててAI導入を進める前に、知っておくべき「落とし穴」があります。
AIを単なるバズワードで終わらせず、自社のビジネスに役立てるためのポイントを、3つのケースを基に解説します。
ケース1:AI導入の「準備」ができていない
同業他社の成功事例を真似してAIツールだけを導入しても、自社に必要なデータが整備されていなければ全く機能しません。
これまでAIといえば、フロント側に配置してデータを分析するイメージが一般的でした。
しかし近年は、SnowflakeやOracleのように「データウェアハウスの中に直接AI機能を持たせる」構成が増えてきています。*1
このようにAIとデータ基盤がより密接に結びつくようになったことで、AIを裏側から支える「データ環境」の重要性はますます高まっています。
だからこそ、AI導入にあたっては「自社データの現状確認」が第一歩となります。
過去の実績データが適切に整備され、データウェアハウスに蓄積されているといった「AIレディ(AI実装準備段階)」の条件を満たすことが不可欠です。
目的に応じたデータ環境作りという土台の準備は、決して避けて通れません。
*1「データウェアハウス × AI」の一例 : Snowflake CORTEX AI、Autonomous AI Database Select AI
ケース2:AI導入後に「精度が劣化」する
データ整備を乗り越えてAIを現場業務に適用できたとしても、そこで終わりではありません。
ビジネス環境や業務の変化に伴ってデータは移り変わるため、AIモデルを放置すると予測や分析の「精度の劣化」が起きます。
例えば天候などの外部データを取り込んでいる場合、取得元データの仕様変更や時間粒度のズレが生じるだけで精度に悪影響を及ぼします。
このような場合は、Snowflakeやアマゾン ウェブ サービス(AWS)などのマーケットプレイスを活用し、外部の統計情報を直接データウェアハウスに取り込んで一元管理するといった工夫も有効です。*2
精度の高いAIを維持するには、データの整備とチューニングを継続的に行い、自社で改良し続けられる運用体制が必須です。
*2「マーケットプレイス」の一例 : Snowflake マーケットプレイス、AWS Marketplace
ケース3:AI任せの判断で「リスクが高く」なる
自然言語で分析結果を返す便利なAI機能も登場していますが、出力結果が常に100%正しいとは限りません。
AIの答えを鵜呑みにして経営の重大な判断を下すような使い方は、会社としてのリスクが高すぎます。
重要なのは「人間が設定した明確な基準(ルールベース)」と「AI」の正しい使い分けです。
例えば、経営戦略などの重大な意思決定においては、AIの予測をそのまま実行するのではなく「売上予測が基準値を下回ったら計画を見直す」といったように、人間が現場の業務経験に基づいて定めた基準を組み込んで、最終判断を下す必要があります。
その一方で、営業やマーケティングにおけるレコメンド(推奨アクションの提示)など、日常的な気づきを得る場面では、AIを積極的に活用する余地が大いにあります。
ここで陥りがちな失敗が「精度が100%でないと業務に使えない」とネガティブに捉え、AIの導入自体を後ろ倒しにしてしまうことです。
人間の業務にもミスがあるにもかかわらず、AIに対してだけ完璧を求めてしまうと、結果的にプロジェクトが停滞し、ビジネスのスピードを遅らせる原因となります。
AIはあくまで手段と割り切り、今の技術でどう生かすかを考えるバランス感覚が求められます。
さらに、AIの運用においては、システム面だけでなく「人の問題」も発生します。
人事異動などで現場の担当者が代わると、AIの設定や結果の判断ができなくなってしまうケースがあるからです。
これを防ぐために、AIを導入した後は、常に評価と改善のサイクルを回し、継続的にメンテナンスし続けることが大事です。
データ分析における「AIと人間の役割分担」
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データ活用の失敗を防ぎ、AI導入を成功させる3つのステップ
優れたAIやツールを導入しても、使いこなすプロセスが間違っていれば現場の業務改善には繋がりません。
泥臭い失敗を乗り越えて「現場のメリットと定着につながるデータ活用」を実現するための3つのステップを解説します。
ステップ1:あえて、完璧を目指さず「スモールスタート」をする
最初から完璧な大規模環境を作ろうとすると、プロジェクトが長引いて挫折するリスクが高まります。
特にAIは事前に期待通りの結果が出るかの予測が困難です。
重要なのは、目的を先行させて「大きく描いて小さく進める」ことです。
まずは、特定の業務課題に絞った小規模なPoC(概念実証)を行い「このデータで何ができるか」を確定させ、現場で小さな成功体験を積み重ねることが、プロジェクト推進の最短ルートです。
ステップ2:教育するより「日常業務への自然な浸透」を目指す
「データ活用にはリテラシーやツールの教育が必須」というのは思い込みに過ぎません。
本当に目指すべきは、現場の通常業務の中にデータ活用を自然な形で浸透させることです。
天気予報を見て傘を持つように「画面を見れば次にすべきアクションが分かる」業務フローを設計することが重要です。
データに基づいて意思決定を行うことで業務が楽になり、現場がハッピーであれば、データ活用は自然と進むはずです。
特別な教育がなくても、日々の意思決定にデータが自然と組み込まれることこそが定着への一番の近道です。
ステップ3:IT部門任せではない「攻めのDX組織」を作る
データ活用やシステム基盤の構築を、ガバナンスを司る「守りのIT部門」だけに任せる体制には限界があります。
上手くいっている企業では、経営企画やDX部門といった「攻めの部門」が経営層と近い立場でプロジェクトを推進しています。
ビジネスの目的を深く理解する攻めの組織が、現場に「なぜデータが必要か」を説得し、伴走しながら一緒に推進する体制づくりがデータ活用を成功に導く強力なエンジンとなります。
自社だけで抱え込まず、第三者の「伴走支援」を活用するメリット
データ活用の新しい体制づくりを、自社のリソースだけで根付かせるのは非常に困難です。
そこで有効なのが、豊富な知見を持つ第三者を「伴走者」として活用するアプローチです。
外部支援を活用してデータ活用を前進させるメリットを紹介します。
メリット1:「壁打ち相手」を用意して、IT部門と現場の溝を埋める
データ活用を進める際、IT部門と現場の間で「今のExcelでいい」といった感情的な対立が起きるのは日常茶飯事です。
ここで中立的な立場の外部パートナーを挟むことで、議論をスムーズに進められます。
例えば弊社アシストは、6,000社以上の取引実績(2024年度時点)に基づく「他社の泥臭い失敗事例」を多く知っています。
これを説得材料にすれば、対立を煽らずに現場とフラットな合意形成を図ることが可能です。
モヤモヤしている段階でも、まずは「壁打ち相手」としてお気軽に相談いただけます。
メリット2:「ワークショップ」や「支援サービス」を活用して、最適解を見つける
企業ごとに目的や環境は異なるため、データ活用に画一的な正解はありません。
そこで弊社アシストでは、各社の状況に合わせた「ワークショップ」や「支援サービス」をご用意しています。
ワークショップの一つでは、現状の課題(As-Is)とあるべき姿(To-Be)をIT部門と現場が共に描き出し、壁の乗り越え方を整理します。
このように社内だけではまとまりにくい現状と理想のギャップを、第三者が客観的な視点で整理・可視化することで、現場の合意形成が進むだけでなく、経営層から投資の承認を得るための説得力ある具体策も練りやすくなります。
検索やAIでは分からない自社だけの「最適解」を、伴走型支援で一緒に見つけ出しましょう。
まとめ|失敗から学び、現場に定着する「データ活用×AI」を!
実際のデータ活用の現場は、現場からの抵抗など、泥臭い課題の連続です。
ツールを導入して満足せず、現場で起こっている課題や不満から目を背けないことこそが、定着への第一歩となります。
IT部門であれ現場の担当者であれ、データ活用に関わるすべての皆様に心に留めていただきたいのは、別々の立場で動くのではなく会社全体で「データ活用によって現場がハッピーになる」状態を共に目指すことです。
データを使う目的が明確になり、現場のメリットに繋がれば、特別な教育がなくてもデータ活用は自然と浸透していきます。
もしAI導入やデータ活用に行き詰まりを感じているなら、ぜひアシストを「壁打ち相手」として気軽にご相談ください。
豊富な知見と他社のリアルな失敗事例を交えながら、貴社の目的達成に向けた最短ルートを一緒に探求します。
参考
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[ 支援サービス ] DXアドバイザリー支援
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[ コラム ] データ活用とは? |
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