アシストEXPO 2023 開催報告
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お礼
アシストEXPO 2023を10月23日(月)から27日(金)の日程でオンラインにて開催しました。これまで実施したアシストテクニカルフォーラムよりイベント名称を変更し、今年はアシストの視点、データドリブンフェス、運用/セキュリティフォーラム、クラウド インフラ DAYS の4つのテーマのトラックを同時開催し、その総称を「アシストEXPO 2023」としました。
イベント名称は変わりましたが、本年も1,800名ほどの方にご参加登録いただき、セッション視聴者の延べ数は、約4,000名と、非常に多くの方にご視聴いただきました。
改めて、ご登録・ご視聴くださいました皆様に、厚くお礼申し上げます。
さて、今年のアシストEXPO 2023では、トラック毎にそのテーマの識者を特別講演講師としてお招きして最新の技術動向などを講演いただきました。また、弊社の技術メンバーからは、その場でしか聞くことのできないライブ配信セッションとオンデマンドセッションを織り交ぜるなど、充実した内容でお届けできたのではないかと考えております。
本イベントが、皆様の企業活動や今後のDXの推進のヒントになれば幸いでございます。
今後とも変わらぬご愛顧をいただけますようお願い申し上げます。
株式会社アシスト
常務取締役 兼 常務執行役員
技術統括
小林 太一
アシストの視点
特別講演

シリコンバレーVCの視点:
現地で躍進する日本企業の
スタートアップ連携戦略の裏側
DNX Ventures
Managing director
シリコンバレーのオープンイノベーションとVCの活発な投資が背景にあり、米国のスタートアップの成長は継続しています。大企業の従来の強みとされていたブランド力や業界知識、ITインフラといった資産も、現在ではVCの支援や技術進展によりスタートアップ側が容易に手に入れることが可能です。この15年間で、米国の主権は新興企業となっており、そのドライバーであるベンチャー投資の日米差は開く一方であり、米国におけるベンチャー投資額は年間43兆円と日本の7800億円と比べて大幅にリードしているのです。
米国では先進的なGoogleやマイクロソフトなどの大手IT企業もスタートアップと多角的に関わり、特にAIなどの分野への投資が急増しています。OpenAI社への投資は、マイクロソフトの時価総額を急増させました。この様な企業によるベンチャー投資、つまりコーポーレートベンチャーキャピタル(CVC)の活動はここ近年大変活発になっており、ここ12年で2倍に増加しています。日本企業のシリコンバレーへの進出も同様にここ10年で倍増しており現在1200社を超える日系企業がVCへの出資、CVC設立、ベンチャー企業との協業を求めシリコンバレーでの活動が活発化してきています。
一方で日本の大企業によるベンチャー企業との連携を成功させる事は一筋縄ではいかず、経営層含めた組織的かつ体系的なアプローチが必要とされています。スタートアップの発見(ディスカバリー)と技術の適合性検証(POC)などのプロセスの活動を、一過性ではなく継続的に作り出す必要があるでしょう。そしてこれら活動の成果は財務リターンに留まらず、「技術」「事業」「人材」といった軸でインパクトを及ぼす戦略的なリターンを作り出す仕組みづくりが必要です。短期的な視野で定量的な効果を求めがちですが、大事なのは「インタンジブル」なリターンを見極め、長期的に取り組む姿勢が必要とされています。
シリコンバレー銀行の破綻や米国株式市場の変動の中でも、米国のイノベーションは減速していません。企業は長期的な視野でスタートアップとの関係を築くことで、オープンイノベーションを実現し、自社の価値と競争力を高めていけるでしょう。
視聴者の感想
- 技術革新と市場展開の期間が短くなってきたと漠然と捉えておりましたが、技術革新の高速化・短期間化の事例として、市場への浸透速度について例示いただいた、「自動車」では、62年かかって5000万クライアントに達したことに対して、「ChatGPT」では、たった2か月間に1億クライアントを突破したお話を伺い、現在の事業スタイルのままで良いのかと、焦りすら感じました。一方で、主体性・目的性を持って、スタートアップ企業・ベンチャー企業を見つめる姿勢の必要性を説かれ、大変参考になりました。
テクニカルセッション
PV-L
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生成AI時代のデータとの向き合い方、 3人のマイスターが語るデータ・イノベーション |
アシストマイスター | 栗本 孝治 上田 信治 松山 晋ノ助 |
PV-1
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Zabbix Japan代表 寺島さんに聞く エンジニアの越境 |
ITSMマイスター | 中村 利一 |
PV-2
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生成AI時代に改めて考えたいセキュリティ | セキュリティマイスター | 毛利 幹宏 |
PV-3
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アシストの目利き活動:最新テクノロジーと ビジネス活用の捉え方を余すことなく公開! |
ビジネスソリューション本部 新事業共創推進室 |
板木 栄樹 松山 晋ノ助 |
PV-4
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生成AI時代との向き合い方: テクノロジーを活かす姿勢と活用方法 |
ビジネスソリューション本部 新事業共創推進室 |
板木 栄樹 松山 晋ノ助 |
PV-5
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AI時代を切り拓く:「ヒト」の活躍を中心に 企業の競争力を強化する最新トレンドをご紹介 |
Bダッシュ委員会 | 木村 貴史 山下 和敏 山崎 隆裕 釋迦堂 亨 |
視聴者の感想
- 生成AIのセキュリティに関するお話が伺えるのは非常にありがたかったです。
- 膨大な製品の中から私たちエンドユーザー企業のために選定をしていただいている熱意に感心しました。メーカーとの間に入っていただくことで、エンドユーザー企業では鵜吞みにするしかないホワイトペーパーの内容の真偽を見定めていただくことになり、エンドユーザー企業は実際に役に立つ製品を利用することができるのだと再認識しました。
- 普段、目の前の業務に忙殺されている状況ですので、このように 最新テクノロジーなどをまとめて紹介いただけるのはありがたいです。
データドリブンフェス
特別講演

事業にインパクトを生む
データ活用とは
~生成AI時代の「温故知新」~
喜多羅株式会社
ChatGPTの登場に見られるように、テクノロジーの進化はますます加速し、データドリブン経営においてもスピードが求められます。しかし、その実現には、組織の意思決定の不足、既存システムの老朽化、データ散在という「3つの壁」を乗り越える必要があります。
こうした課題に取り組み、データドリブンによる変革を実現した事例は、いくつかの先進企業から見受けられます。ダイソーは、総計105億件という膨大なデータ量に対処するために、プラットフォームを旧来のRDBからAmazon Redshiftに移行。これにより、トランザクションデータの高速処理が可能となり、店舗別単品別の詳細な販売予測による収益性向上を実現しました。
また、三井物産では、経営とビジネスが一体となって、DXとデータドリブン経営を両輪とする戦略を策定し、DXを企業文化として定着させました。ダイドードリンコもまた、スマートオペレーションによってリアルタイムで自動販売機からのデータを収集し、AIでの予測分析によって営業効率が大幅に向上しています。
データドリブン経営を成功させるための要件はいくつか考えられます。まず、経営層がリーダーシップを発揮し、データ活用の戦略を明確にして企業文化へと落とし込むこと。次に、事業課題を明確にし、それに基づいたデータモニタリングの手法を策定し適宜その更新を行うこと。さらに、社員のデータリテラシーを高めることも不可欠です。
経営者から一般社員まで、全員がデータに基づいた意思決定を行う文化を醸成することに加えて、「温故知新」の考え方に基づき、新しいテクノロジーを積極的に採り入れることもまた重要です。
視聴者の感想
- 具体例を基に、データ利活用のあり方を解説いただき、大変分かりやすかったです。基本は、目的指向であると切に感じました。また、ここまでできるのかと感服しました。
- 会社の考え方を変革させるためには、やはりトップからのメッセージが必要であると、再認識しました。
テクニカルセッション
DD-L
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インタビュー講演 【生成AI ✕ エンジニアの未来】 |
Weights & Biases Japan 株式会社 インタビュアー: 株式会社アシスト DX推進技術本部 事業推進部 部長 |
シバタ アキラ 氏 花井 正樹 |
DD-1
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知識という資産を、組織の力へ 生成AIと動画活用で切り開くナレッジ共有の新時代 |
DX推進技術本部 ナレッジ・プラットフォーム 技術部 |
竹本 康之 |
DD-2
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データで未来を創る!~人材育成の進め方とは~ | DX推進技術本部 Qlik技術部 | 熊谷 健司 |
DD-3
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次世代データ活用基盤の勘所を掴む! ~Modern Data Stack徹底解剖~ |
DX推進技術本部 事業推進部 | 神崎 崇 |
DD-4
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サイロ化からの脱却! データ連携の最適化のトレンドとポイント |
DX推進技術本部 DI技術部 | 中村 遼平 |
DD-5
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データドリブンの最前線! BIをアクションに繋げるためのたった一つのやり方とは? |
DX推進技術本部 Qlik技術部 | 吉野 智士 |
DD-6
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なぜAI導入は失敗する? 成功パターンから学ぶ、AIプロジェクト推進の秘訣 |
DX推進技術本部 AI技術部 | 小宮 一真 |
視聴者の感想
- 生成AIやLLMがどういった形でビジネスへ組み込まれていくのかそのトレンドに注視して、しかるべきタイミングで取り入れていくことが、市場で生き残るために必要なことだという緊張感を新たにしました。
- ナレッジを最適化する確固たる本気の取り組みが前提にあると、これほど高いレベルが実現可能なんだと感心しました。
- 今後社内向けシステムでAIの利用を考えていたため、プロジェクトを進めるにあたり大変参考になりました。特に、AI実現できること・できないことを考慮し、進めていこうと思いました。
運用/セキュリティフォーラム
特別講演

ITインフラの
最新トレンドと将来展望
~多様化する課題を解決しビジネスを
加速する次世代ITインフラのあるべき姿~
株式会社アイ・ティ・アール
シニア・アナリスト
ITRの『IT投資動向調査2023』によると、IT部門がコスト部門からの転換が果たせていないという状況があります。背景にはインフラの複雑化や、アプリケーションのスピード低下などの課題があります。このため多くの企業が、開発からリリースのプロセスを自動化するDevOpsや、セキュリティを統合するDevSecOpsに取り組んでいます。また、内部開発者プラットフォーム(IDP)、サービスカタログ、セルフサービス開発による「プラットフォームエンジニアリング」も注目されています。
IT運用において、高速かつ効率的なインフラの構築・変更が求められます。このためにIaC(Infrastructure as Code、コードによるインフラ運用の自動化)が一般的に用いられています。また、信頼性の高いシステム運用を目指す手法としてSRE(Site Reliability Engineering)も積極的に導入されてきています。なお、SREはIaCを含む多くのテクニックや手法を活用していますが、それはSREが持つ多面的なアプローチの一部に過ぎません。
もう一つのIT運用のトレンドは、ビッグデータと機械学習の組み合わせによりIT運用の高度化と自律化を図る「AIOps」です。ユースケースはインシデント分析などの「判断」、タスクの自動化や修復などの「実行」、パフォーマンス分析や異常検知などの「観測」があり、これらの工程をサイクルとして回すことで最適なサービスレベルを維持し運用負担を最小化するものです。
セキュリティにおいては、これまでの境界型防御からゼロトラストへの転換が進んでおり、クラウド認証基盤(IDaaS)、アクセス認証(CASB/SWG)、ガードレール型(CSPM)などのソリューションにも期待が寄せられています。
こうした動向を踏まえ、IT部門の担当者には様々なツールに注目し、開発・運用・セキュリティの融合する「あるべき姿」への取り組みが求められています。
視聴者の感想
- ITインフラ業務に携わっているため、今後のインフラ業務の展望について深い学びを得ました。インフラ業務にも、ソフトウェアを導入し、運用が自動化できる環境が即座に生まれてほしいと思いました。
- プラットフォームエンジニアリング 参考になりました。
テクニカルセッション
US-L
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運用DXエンジニアって何?! イメージできるようでできない、エンジニア像を徹底討論 |
システム基盤技術統括部 技術1部 部長 技術2部 部長 |
若月 恵介 松坂 渉 |
US-1
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クラウドネイティブ時代のジョブ管理の役割とあるべき姿 ~最新版のJP1で実現する最適解~ |
システム基盤技術統括部 技術3部 |
中西 哲也 |
US-2
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満を持して登場! JP1のオブザーバビリティ新製品をいち早く紹介 |
システム基盤技術統括部 技術2部 |
中川 宗俊 |
US-3
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加速する既存システムからの脱却。 システム基盤の移行を成功させる「テスト戦略」とは |
システム基盤技術統括部 技術1部 |
矢野 英也 |
US-4
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開発スピードと品質の両立を 確立するためのアプリケーションデリバリー基盤とは |
システム基盤技術統括部 技術1部 |
荒川 信一郎 |
US-5
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10年以上のITSM経験から語る!なぜITサービスマネジメントの導入に「失敗」してしまうのか | システム基盤技術統括部 技術1部 |
山本 翔 |
US-6
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ビジネス推進はアイデンティティ管理から! 即効性の対策+包括的な対策とは? |
システム基盤技術統括部 技術5部 |
笹沼 武士 |
US-7
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侵入経路はたったの2ヵ所?! 事例で読み解く、今最も効果的なサイバー攻撃対策とは |
システム基盤技術統括部 技術6部 |
栗田 妃南乃 |
視聴者の感想
- 当社でもAWSを活用しているので、CSAのカスタムジョブ、AWS用のテンプレート等利用でしたいと思いました。また、運用の自動化という観点の活用にも使えないかとヒントを得た気がします。
- 今後ITSMの刷新を進めるにあたり、いくつかヒントになるキーワードに出会えました。
- ITSMの導入の目的は、一般的に言われるようなITSM導入効果と同義と認識していたが、推進にあたってはそれでは不十分であることの気付きをいただけたかと思います。
クラウド インフラ DAYS
特別講演

クラウドが当たり前の時代の
データベース選び
翔泳社 EnterpriseZine/DB Online
チーフキュレーター
取材の中で実感しているのは「クラウドデータベースの選択についての唯一の正解はない」ということです。結局のところ、その選択は「何に使うか」というシステムの要件によって決まります。
クラウドサービスはその拡張性と柔軟性から、多くの企業で利用が進んでいます。特に、フルマネージドのサービスはクラウドのメリットを最大限に享受できるため、検討の選択肢とすべきです。
クラウド化は参照系システムや小規模の社内システムから始まり、現在ではミッションクリティカルなシステムや機密性の高いシステムもクラウドへの移行が進んでいます。「クラウド上のセキュリティが不安」という声は、最近の取材では一切聞かれなくなっています。
クラウド化のタイミングは「システム更改」が最も多く、今回の更改ではオンプレミスを選択した場合でも「4年後にはクラウド」と明確に定める企業も増えています。性能や容量の課題解消、運用工数の削減などがクラウド移行の理由として挙げられます。
移行については、ツールが充実し、ベンダーの経験値も蓄積されているため、支援を受けやすい状況にあります。ただし、クラウド移行後の運用管理にはクラウド特有の考慮点があり、ノウハウを持った人材の確保や適切なベンダーの選択が重要となります。
AIを活用したサービスが増えてくる中、MLやAIでの運用管理が一般的になるでしょう。クラウドのメリットはビジネスの変化に柔軟に対応できることです。そのため、常に最新の情報をキャッチし、アンテナを張り続けることが重要です。
視聴者の感想
- オンプレからクラウドの動きのみが正解だと思っていましたが、中であったように「目的」「利便性」でむしろオンプレに戻す動きもアリで社内でそこをしっかり議論しないといけないと認識することが出来ました。
- データベースのクラウド化については弊所内でも進んでいるが、すべてのデータベースまでには至っていない。そのうえで、谷川様の講演は大変有意義な話であった。
テクニカルセッション
CD-L
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データで見る アシストのOracle Cloudがお客様に選ばれている理由 |
データベース技術統括部 技術1部 データベース技術統括部 事業推進部 |
川合 裕太 坂 輝彦 池田 修 |
CD-1
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ゼロから学べるAWS入門 | クラウド技術本部 クラウド技術部 |
柴崎 達也 |
CD-2
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進化するAWSデータベース: Amazon RDS for Oracleの移行最適解とは? |
クラウド技術本部 クラウド技術部 |
神山 太一 |
CD-3
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増加するAWSアカウントの適切な管理方法とは? デモや活用例を用いて徹底解説! |
クラウド技術本部 クラウド技術部 |
山庄 菜摘 嶋津 絵里子 |
CD-4
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Oracle Databaseの Oracle Cloudリフト達成までの道しるべ |
データベース技術統括部 技術1部 |
一條 大作 |
CD-5
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OCI Professional資格保有者が実践する Oracle Databaseの運用Tips |
データベース技術統括部 技術1部 |
岡野 平八郎 |
CD-6
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シームレスなクラウド移行を実現! OCIのネイティブ移行ツール比較と選択肢 |
データベース技術統括部 技術3部 |
上水口 徹 |
CD-7
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はじめてのEDB/PostgreSQL移行(AWS編) ~データベース移行の勘所をデモも交えて解説~ |
データベース技術統括部 技術4部 |
小林 栄治 |
視聴者の感想
- 会社では、AWSを利用していますが、コスト面でしか見ていませんでした。基礎部分が不足していたので大変参考になりました。
- 次回リプレースの可能性の1つとしてRDSについて調査している段階だが、オンプレの場合と異なる点についてまとまっていてよかった。
- 既存のオンプレtoオンプレで使用される移行ツール(GGやRMAN,DataPumpなど)は知っていたがOCIにおける移行ツールの存在は知らなかったため参考になった。
アンケート結果
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