DevOpsユーザー会 2023 開催報告(2023/6/14)
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2023年6月14日(水)にアシスト主催の「DevOpsユーザー会」をオンラインで開催いたしました。
2022年にスタートし、今回が3回目となります。
今回もマイクロフォーカス社のテスト自動化製品(UFT One、LoadRunner)をご利用のお客様を中心に30名近い申し込みをいただきました。
今回は、「システム内製化に向けたテストエンジニアの在り方」をテーマに以下のアジェンダで開催しました。
開催風景
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第1部:アシストセッション
「Developers Summit 参加報告」
株式会社アシスト 矢野 英也 |
最初のセッションは、アシストが参加した2月のDevelopers Summit参加報告です。
DevOps・アジャイル時代に効く!20年以上のテスト自動化経験から語る
「アプリ品質と開発スピード」両立へのアプロ―チと題して発表いたしました。
私がテスト自動化に関わって20年。テスト自動化のまわりで20年前と
変わったこと、変わらないこと、変えなければいけないことについて
お話しました。
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アシストセッション サマリ
◆システム開発の変遷
インターネットが1970年代に登場して以降、ビジネススピードが年々早くなり、昨今ではアジャイル開発や、DevOpsという取り組みは広がってきた。
◆20年の経験から感じたこと
20年前にもテスト自動化ツールはあったが、環境構築待ち、テストデータ待ち、各種承認待ちなどテスト実行にまつわる待ち時間が多く、テスト自動化に苦労した。しかし20年後の今は、それらはほぼ自動化できるようになり待ち時間が少なくなった。
◆DevOps推進ソリューション
アシストではテスト自動化だけではなく、テスト環境構築、静的解析、アプリケーション影響調査、CI/CDなど開発スピードとアプリ品質を両立するソリューションを展開。
◆開発プロセス自動化
開発プロセス自動化には段階があり、アシストではレベル0~4まで自動化を定義。多くのお客様は、レベル0~1のケースが多く、アシストではこのレベルのお客様に自動化をスタートするためのご支援を提供。
◆まとめ
20年経った今でもテスト自動化の必要性は変わらない、むしろ20年前より重要度は増している。
アシストはユーザー会を通じてテスト自動化、DevOpsを推進していく。
第2部:お客様セッション①
「システム内製化をうまく進めるためのテストの取り組み」
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2つ目のセッションは、ユーザー事例としてマネックス証券 竹中様より「テスト内製化をうまくすすめるためのテストの取り組み」と題してご発表いただきました。昨年に続き、2回目の登壇となります。 |
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お客様セッション① サマリ
◆品質保証が必要になった背景
要件定義や設計精度が上がってきているにもかかわらず、本番障害の数が減らず限界を感じていた。視点を変えて、まだ手を付けていないテスト領域の方法論の改善に取り組むことで障害を減らせないかを考え、品質保証体制を立ち上げることになった。
◆品質保証体制を整える上で、どこから着手されたか
開発チームに一般的な品質保証の考えを押し付けることはせずに、品質保証部が頼られる存在になる為の戦略を練るところからスタートした。開発プロセスに伴走できるよう、Wモデルを採用し、シフトレフトを実現しようとした。
◆テストエンジニアにとって必要な素養とは?
テストエンジニアは見落としを無くすための思考と粘り強さが重要。また開発者の敵にならないよう関係性を構築できるコミュニケーションスキルが必要。テストエンジニアはテストの効率化(テスト戦略)を考える必要がある。
◆テストを体系的に学ぶのによい試験や研修は?
JSTQB(Foudation/Advenced)はテストの基礎を理解したり、テストの作り方を学ぶのにはよい。毎年テスト技法関連の勉強会を実施し、知見を深めている。現場での経験と試験やセミナーでの体系立てた学習の両面が必要である。
第3部:お客様セッション②
「運用視点でのDevOps。運用業務の内製化の取り組み」
KDDI株式会社 新田 和也 様 |
3つ目のセッションは、KDDI新田様より「運用視点のDevOps・運用業務の内製化の取り組み」と題して、ご発表いただきました。
基幹システムのオープン化/仮想化をきっかけに運用管理共通化・自動化の整備に乗り出し、自動化推進/SREチームを発足されました。
その後、全社統一の運用監視自動化(スマートオペレーション)まで発展させ、部全体のリスキリングまで言及いただきました。
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お客様セッション② サマリ
◆システムマネジメントサービス部としての変遷
新田様が所属されるシステムマネジメントサービス部は、基幹システム群のオープン化/仮想化や各クラウドシフトの本格化を契機に、運用管理・自動化の整備やコンテナ・マイクロサービス化に対する運用監視の追随のために、2019年に自動化推進/SREチームを発足。2022年からは全社統一の運用監視自動化(スマートオペレーション)をスタートさせており、自動化拡大に伴う運用部門としての在り方を再定義している。
◆運用自動化推進/SRE事例
2019年より発足した自動化推進・SREチームにて、以下の活動を実施。
・AWSを利用している各システムに対し運用監視共通機能を提供する基盤を構築。
・Ansible実行基盤を構築し統一的なワンタッチ/ゼロタッチ運用を提供。
・UFT Mobile/Vugenによるサービス監視(外形監視)の自動化を構築。
◆リスキリング推進方法
運用部門の今後として、ITシステムに一番身近なポジションでIT共通スキルを有する部門となるべく、部全体を運用監視自動化/SRE要員にリスキリングを実施。そのためのスキルを実務ベースで優先度をつけて習熟していった。
◆KDDI情報システム部門のDevOps
一部のシステムについて、運用・開発担当の部署統合により垣根を無くして両業務をサイクル的に担当することを実施中。運用の自動化・SRE知見を持ちながら開発業務も行うことでそのシステムに対するフルスタック人材となり、開発パートナー協業領域の手の内化と改善対応を図っていく。
第4部:グループディスカッション
「どのようにテストエンジニアを内製化、育成するのか?」
グループディスカッションでは、Zoomのブレークアウトルームを使い、2グループに分かれ、以下のテーマで議論いたしました。
テーマ:どのようにテストエンジニアを内製化、育成するのか?
テストエンジニア専門チームを設置しているお客様はいらっしゃらず、とても難しいテーマとなりましたが、各社の取り組みの共有やアイディアを出していただきました。
発表(グループ1)
- テストエンジニア(テスト専門チーム)を設置している企業はいなかったので、テストエンジニアについての議論ではなく、テストエンジニアリングについて議論した。
- システムが複雑になり、作り手が想定していない使い方をテストするのは難しく、その点を議論した。(数年前、話題になったカオスエンジニアリングについて)
- 機能テストではカバーできない観点をどう作るか。ISO25000(SQuaRE)の観点や、TRIZといった思考法が使えるかもしれない。
- ユーザー要望に応じてカスタマイズし続けることでシステムが肥大化してしまい、テストケースが網羅できない。テスト自動化の話題にも及んだ。
結論:
テストというテーマはかなり難しい。テスト専門部隊や育成も難しい。
しかしテストの重要性に変わりなし。
会社が変わっても変わりはない。取り組むべきテーマである。
発表(グループ2)
- 答えは明確に出ず。各社取り組みを模索中。各社の取り組みの共有を中心に議論を行った。
- 監視を自動化。監視用スクリプトを内製化している。
- CI/CDサイクルにテスト自動化を組み込めば、内製化につながるのでないか。
- テストデータ準備の調整が難しい。ツールを使って課題の解消ができるのではないか?
- テスト自動化の基盤を作るのも難しい。モバイルテストの基盤構築が困難、現在対応中。
- テストケース網羅性を洗い出し、シナリオを維持管理するのは大変になりそう。
結論:
テストエンジニア育成についての明確な答えは出ず。各社の取り組みは模索中。
テスト自動化やテストデータ準備、自動化基盤の構築などを各社検討中。
アンケート結果
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ご参加いただいたお客様からのコメントを一部抜粋してご紹介します。
・様々なユーザの生の声を聞くことができ、具体的な課題と解決アプローチ、成果について知ることができました。
・ご講演の内容についてレベルの高い内容であると感じました。また、グループディスカッションについては
他社様の事例や悩みなどをお聞きすることができ、同じツールを利用している状況での共感など得ることが
できました。
・他社事例直接聞く機会があまりなかったので聞けて良かったです。
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ご参加いただいたお客様に、DevOpsを実現するためのプラクティス(ツール)についてお聞きしました。
「テスト自動化」「テストデータ準備」を必要と考える方が多いことが分かりました。
今後は「テスト自動化」をさらに促進させる活動、「テストデータ準備」を効率化するツールのご提案をしてまいります。
矢野 英也
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