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SBI生命保険がDelphixで実現するDevOps
効率化と共に進む開発とインフラの「働き方革命」

SBI生命保険株式会社

導入製品/サービス…
Delphix  

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「DevOpsを実現したいとお考えの方にとって、Delphixは非常に有用なソリューションだと思います」

SBI生命保険株式会社
情報システム部 部長
狩野 泰隆 氏

課題/背景

  • DXを推進しつつ、新商品開発や既存ビジネス拡充を含めたシステム開発、運用、保守を実施した結果、インフラ、開発両チーム間での連携が上手く取れずに現場のフラストレーションがたまっていた
  • 職務権限の考えに基づき全てのDB環境をインフラチームが管理しているため、開発チームが自由にデータを扱えず、開発工程が複雑になっていた
  • 1つのテスト環境で複数の開発プロジェクトに対応しなければならず、データの移行や処理に時間がかかっていた

対策

  • 簡単な操作で既存のDBから迅速に仮想DBを作成できる「Delphix」を導入し、インフラ、運用者の作業負荷を削減しつつ開発者が自由にデータを扱える環境を用意
  • 仮想DB環境の払出しを行う組織を立ち上げ、利用に対する管理体制も整備
  • CI/CDを採用し、開発チームが開発業務に集中できる品質の高いデプロイ環境を構築。またDelphixと連携させることにより、デプロイだけでなくテストまでを自動化

効果

  • 従来8時間以上もかかっていたテスト環境の準備の工数が20分までに短縮され、インフラチームがさらに戦略的なタスクを実施できるようになった
  • Delphixにより40もの独立したDB環境が作成可能になり、開発の柔軟性と速度が向上
  • Delphixの仮想化技術により、DB環境の数は20倍にもなったが、必要なストレージ容量は97%も削減
  • 職務権限とテスト環境における課題を解決したことにより、開発と運用チーム間の不満が解消。両チームの協力関係も強化され、DevOpsを意識したシステム開発が行えるようになった





DX推進とスピーディーなサービス提供には開発とインフラの連携が必要


SBIインシュアランスグループの一角を担うSBI生命保険。同社は、個人保険と団体信用保険を中核事業に据え、生命保険のイノベーターとしてDXにも積極的に取り組んでいます。

DXの推進として同社が行っているのは、「クラウドの全面化」です。早いサイクルでの開発や様々なツールを利用してサービスをローンチするには、オンプレミスの環境では難しいため、このようなチャレンジを行っています。また、DX推進を円滑に進めるため、「攻め」と「守り」という二つの方針を定めていると同社の情報システム部 部長 狩野 泰隆氏は説明します。

狩野氏  「攻め」の方針とは、「業務効率や顧客サービス向上に資する内容が明確であること」、「利便性や企業の生産性の向上が見込まれること」、「金融イノベーターとして革新性を打ち出せること」を掲げています。一方、「守り」の方針では、「顧客保護上の適切な対応がはかられること」、「DXに関わるシステム運用に必要な資金・人員といったリソースの確保」を重視しています。

こうした方針のもとに、同社では「DevOpsでの働き方革命」に取り組みました。開発とインフラの連携によりはじめて実現するDevOps。そのため、単なる仕組みを作るための「改革」ではなく、気持ちも含めて社員が新しい仕事にチャレンジしたいと思えるような「革命」を行うべく取り組みましたが、開発とインフラチームの連携で、うまくいかない点がいくつか出てきました。


開発、インフラどちらもフラストレーションがたまる環境だった


開発チームとインフラチームの連携課題は、大きく2つありました。

狩野氏  1つ目は職務権限の課題です。これまで開発、テスト、本番環境の全てのDBをインフラチームが管理していたため、開発チームはテスト実行時に必要なDBを自由に作ることができませんでした。2つ目はテスト環境の課題です。複数の開発プロジェクトを行おうにも、テスト環境は1つだけ。そのため、「テーブルの取り合い」が発生しないように、DBのスキーマを分けたりデータをコピーしたりして、インフラチームが環境を都度作成する必要がありました。

こうしたデータの移行や処理に時間がかかり、開発リソースの追加要望にスピーディーに対応することが困難だったと言います。

狩野氏  開発チームがスピーディーに開発を進めたいと思っていても、従来の進め方では、インフラチームがテスト環境を用意するまでに多くの時間が必要になります。一方、インフラチームとしては「急に依頼されても他の業務が詰まっている」と悩んでいる状況です。互いにフラストレーションがたまってしまう環境であり、時にはチーム間での言い争いなども発生していました。

これらの課題を解決するため、同社は3つのポイントを挙げました。

1つ目はインフラチームの作業負荷を軽減するため、DBのテスト環境を開発チームにも解放すること。2つ目は複数プロジェクトにも耐えうる仮想DB環境を構築することです。最後の3つ目は、開発チームが開発に集中でき、なおかつ品質の高いデプロイ環境を構築することでした。


データベース仮想化ソリューション「Delphix」を導入


同社は課題解決をするために、アシストが提供するデータベース仮想化ソリューションの「Delphix」を導入します。

狩野氏  Delphixは、データ仮想化技術によりデータベースの複製を瞬時に作成し、DBの開発/テスト環境を瞬時に作成でき、DBの共有や巻き戻しも可能です。また、テストデータの準備時間の短縮によって開発スピードを向上させられるため、DevOpsやアジャイル開発におけるボトルネックが解消されます。さらに、仮想的なDBを作成し、テスト環境のストレージ容量を大幅に削減できるメリットもあります。これらの理由から、Delphixの導入に至りました。

Delphixの導入後は、仮想DB環境の払出しを行う体制として、DMO(Delphix Management Office)という組織も立ち上げました。

狩野氏  この組織を立ち上げた理由は、ただ単に開発チームへ環境を開放してしまうと、ガバナンス面や管理面の観点から問題が発生するリスクを回避するためです。この組織が担う役割には、Delphixを利用したデータ断面作成などの運用業務や、資産・データ断面の一元管理などが含まれます。



開発とインフラが一致団結し、DevOpsによる「働き方革命」を実現


Delphixを導入したことで、職務権限とテスト環境の課題について、それぞれ解決することができました。

狩野氏  これまで8時間以上かかっていたDBテスト環境の準備は20分に短縮され、インフラチームもより戦略的なタスクに注力できるようになりました。また、40にのぼるテスト環境を作成できるようになりましたが、それぞれのDBに個別のストレージも不要なため、物理的にDBを作成した場合と比較して97%もの容量を削減できています。さらに、副次的効果として各プロジェクトが占有された仮想DB環境を持ち、繰り返しテストを実施できるようになったため開発品質の向上にもつながりました。

加えて、同社はCI/CDが行えるAWS CodePipelineも活用し、品質の高いデプロイ環境の構築も行っています。このアプローチによって、リリースまでのサイクルが早いシステムでも1人の担当者で完結。Delphixと組み合わせることで、ビルド・デプロイの自動化だけでなくテストの自動化までを行える環境を作り上げています。




狩野氏  ビルド・デプロイしながらテストが行える、これもDelphixの強みの一つだと考えています。ビジネススピードをアップさせるためにDevOpsを実現したいとお考えの方には、Delphixは非常に有用なソリューションだと思います。

Delphixの導入により、課題の解決だけでなく、協力体制が強化され、DevOpsの取り組みを一丸となって進められるようになりました。その結果、「働き方革命」の実現にも成功しています。


「攻め」と「守り」の視点で振り返る、DevOpsへの取り組み


ここまでの一連の取り組みを、狩野氏は「攻め」と「守り」の観点から整理します。

狩野氏  「攻め」に該当する取り組みとしては新技術へのチャレンジ(まずやってみる)、アジャイル発想をもった開発およびCI/CDの採用、徹底的な効率化を意識したシステム開発が該当します。「守り」には、ガバナンスを意識して適宜システム構成を見直したこと、コストを常に意識した保守運用体制を構築したことが当てはまります。

コストを強く意識している理由は、クラウドでの運用はドルベースで金額が精算されているためです。DevOpsは一度実施して終わりではなく、取り組みを継続する必要があります。昨今の円安を鑑みると、コスト面を意識した保守運用が継続のカギとなるというのが狩野氏の考えです。

狩野氏  DevOpsの実現は簡単ではありません。しかし、Delphixなどのソリューションを活用することで、コストを大幅に削減しながら、テストデータの管理や整備に関する課題を解決したり、テスト工数を削減したりすることが可能になります。これからも当社では、DevOpsの仕組みを最大限に活かして、お客様満足度の向上につなげるサービス開発を行っていきたいと考えています。



  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。



お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 SBI生命保険株式会社
本社 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー
設立 1990年7月
URL https://www.sbilife.co.jp/
取材日 2024年5月

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Delphix Continuous Data(以下、Delphix)は、ビジネス上のある特定の時刻の本番データを生成して、開発/テスト環境を瞬時に提供するデータベース仮想化ソリューションです。データの準備にかかる時間の最小化は、開発のスピードアップに大きく貢献します。

  • プロジェクトの開発生産性を飛躍的に向上
  • 任意のタイミングのデータベースの複製を瞬時に生成
  • DBの複製に必要なスペースは物理コピーの1/10程度

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