速く正確な見積作成を武器に顧客とさらに強固な信頼関係を構築。労働生産性も高い営業組織の実現へ
株式会社アシスト
- 導入製品/サービス…
- Progress Corticon AEDAN
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マルチベンダーのソフトウェアを販売・サポートしているアシストでは、見積ルールが複雑な製品の見積作成タスクが営業部門の労働生産性を下げる要因となっていました。そこで、AEDAN for コンフィグレータを用いて、基幹システムのサブシステムとして見積支援システムを約3ヵ月間で構築。速く正確な見積もりが作成できるだけでなく、見積作成時間を最大78%削減することに成功しました。 |
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導入のPOINT
1.営業の見積作成工数を最大78%削減
2.新人営業でも複雑なルールに則った正確かつ迅速な見積作成が可能
3.基幹システムには手を入れず見積支援をサブシステム化
課題
- 見積もりに営業活動工数の10%を費やしていた
- 前提製品と数量、組み合せ可否、稼働条件など考慮すべき見積ルールが複雑だった
- 誤った見積を作成するケースがあり、営業自身やマネージャーの見積構成チェックに時間がかかっていた
- 基幹システムと見積システムを一体化させることは現実的ではない
対策
- 労働生産性向上のために、見積チェックのシステム化を推進した
- 製品の増減や各々の販売ルールを容易に変更できる見積支援システムを構築した
- 基幹システムから呼び出すサブシステムとして、基幹システムには手を加えなかった
効果
- 見積作成工数を平均60%、最大78%削減
- 時間をかけずに正確な見積もりを作成でき、お客様の急な見積依頼にもタイムリーに対応可能となった
- 見積頻度の低い製品でも、規定を確認せずに正確な見積が作成できるようになった
- 今後の他製品への展開に自信を持てる
システム概要
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営業観点で、よりお客様の満足度を上げるために
── 見積支援システムの構築は、どのような背景から始まりましたか?
アシストは、現在主要製品だけでも約60種類のソフトウェアを販売・サポートしており、全国で約200人の営業担当者が、日々お客様に見積書を提出しています。製品やバージョン毎に取り扱い規約が細かく異なるため、基幹システムの見積作成システムにはチェック機能が実装されていませんでした。見積書を作成するには、その都度、セールスマニュアルやイントラネットなどに点在する情報の確認が必要となるため、営業の負荷は高く、営業活動工数の約10%を占めていることがわかりました。
今回の見積支援システムは、東日本地区の組織変更に伴い個々の営業が担当する製品数が倍増したことをきっかけに、営業現場のマネージャーが発案しました。アシストでは、「お客様の最高のために」というスローガンのもと活動しています。営業の見積作成工数を削減できれば、その削減した時間をお客様の満足度を上げる活動に活用できるのではないかと考えたのです。
── 見積作成の問題点を具体的に教えてください。
製品によりアイテム数や見積ルールの複雑さは異なりますが、見積もりの精度と工数が大きな問題でした。お客様が必要とする製品を、環境やバージョンに合わせて、過不足なく、かつ組み合せ可能なアイテムで見積もることは、新人営業にとって、とても難しいことでした。また、1通で数十のアイテムが必要な見積もりもあり、基幹システムの見積システムで1つずつアイテムを選んでいくと、時間がかかるだけでなく、手作業のため途中で間違えることもありました。また見積書は、マネージャーが構成チェックの上、承認をしていますが、その工数も大きく、間違いが発生した場合の手戻りも大きな問題でした。
スクラッチ開発では考えられない構築スピードと改修の容易性
── なぜ、「AEDAN for コンフィグレータ」 で構築したのですか?
見積精度と工数の問題を解決するための見積支援システムを構築することが決定し、ARMS(Ashisuto Rule Mitsumori System)と名付けました。まず第一弾として、取扱製品の中でも販売量と見積アイテムが多いJP1 Ver10の主要製品を対象に開発することにしました。
AEDAN for コンフィグレータ(以下、AEDAN)」で構築したのは、複雑なルールと言えばルールベースAI
のProgress Corticon(以下、Corticon)とローコード開発ツールのWebPerformerが最適だと考えたからです。自分達が売っている製品を実際に使って効果を体現することで、活きた営業トークができるという目論見もありました(笑)。
── 開発の体制と苦労話をお聞かせください。
今回のプロジェクトでは、「Corticon」でルール定義部分を「WebPerformer」で画面周りの開発を行いました。約1,750のルールを含むシステムを、Corticonの製品担当者が通常業務の合間に1.5人月で約3ヵ月間かけて開発しました。ルールは営業3名と製品主管部門の業務担当者で作成しました。
どこまでをシステム化の対象とするのかを最も悩みました。2,500以上のアイテムがあるJP1 Ver10には、ほとんど見積もることのないアイテムも存在します。様々検討した結果、10回の見積作成のうち、1回は含まれるアイテムまでを実装することにしました。これを実装すれば、社内に1割しかいないJP1に精通した営業にしか作成できない難易度の高い見積もりでも営業全員が容易に作成できるようになります。通常のスクラッチ開発では優先度が下げられる要件も、実装が簡単なCorticonだからこそ取り込むことができました。日常的に見積もるアイテムのルールであれば営業が覚えていることも多いのですが、普段あまり見積らないアイテムを含めることで、全ての営業にとって有効なシステムになると考えました。
また、開発・テストする中で、ルールや要件の漏れを数件発見しましたが、その際にもすぐにGUIより反映できるので、翌日には反映されていました。スクラッチ開発では考えられないことです。
営業だけでなくマネージャーや技術担当にもメリットが
── 実際に使って見積作成時間は短くなりましたか?
初心者からベテラン営業までの10名をテストユーザーとして測定した結果、従来は平均38分かかっていた見積作成が平均15分に短縮し、60%の工数を削減することができました。もちろん、作成する見積もりの複雑さや営業の習熟度によっても変わってきますが、最大で78%の工数を削減できた例もありました。
── 見積もりの品質は上がりましたか?
誤った見積もりを作成するリスクも抑えることができています。見積もりは営業マネージャーと技術者による確認が必要ですが、その負荷の削減にも繋がっています。同じバージョンでも環境によって複数のメディアが存在しますので、技術者がお客様先で設置しようとした際に、誤ったメディアが納品されていたこともありましたが、ARMSで見積もればその危険もありません。営業部門では、早くも別の製品、別のバージョンへの対応を熱望する声が多数上がっています。
他製品に展開しつつ、次世代の営業支援システムでも活用
── 副次的な効果もあると聞きました。
アシストでは、現在、新たな基幹システムを構築中です。今回作成した見積支援システムは機能を独立させているため、そのまま次期基幹システムと連携することが可能です。見積もり精度の向上と工数の削減は喫緊の課題でしたが、それを解決しつつ、次期システムの準備も行えることはとても効率的なことです。
── 今後の構想についてお聞かせください。
2018年1月から順次説明会を開催し、全国の営業担当が使えるように利用を促進中です。今後、利用者にアンケートを取ったうえで、より強力な営業の片腕(ARMS)になるシステムにしていく予定です。
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アシストへのインタビュー記事(PDF)をダウンロード
- 株式会社アシストへのインタビュー記事全文をPDFでもお読みいただけます。
●営業観点で、よりお客様の満足度を上げるために
●スクラッチ開発では考えられない構築スピードと
改修の容易性
●営業だけでなくマネージャーや技術担当にも
メリットが
●他製品に展開しつつ、次世代の営業支援システムでも
活用
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会社情報
会社名 | 株式会社アシスト |
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概要 | アシストは、お客様に「ITソリューション」と「ソフトウェア・サポート」を提供する「パッケージ・インテグレーター」です。商品やサービスの提供を通じて、人々や社会の役に立つ会社になることがアシストの使命です。 |
本社 | 東京都千代田区九段北4-2-1 市ヶ谷スクエアビル(旧:市ヶ谷東急ビル) |
設立 | 1972年3月 |
資本金 | 6,000万円 |
従業者数 | 1,120名(2018年4月現在) ※グループ会社含む |
URL | https://www.ashisuto.co.jp/ |
取材日 | 2018年2月 |
関連製品/サービス
Progress Corticon
人工知能(AI)研究から派生した、ひと(エキスパート)の知能を擬似的に実現させるシステムです。
- ルールベースなひとの判断を自動化
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- DX時代のITシステム開発基盤
AEDAN
ルールベースAIを中核に据えた、業務自動化のためのフレームワークとソリューションです。
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