カスタマーサクセスを実現するデータ連携 Salesforceにお客様情報を集約管理し、全社的な情報共有を実現
株式会社アシスト
- 導入製品/サービス…
- DataSpider Servista
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アシストでは中期経営計画「超サポ-2024」のもと、いかにお客様と密接な関係を築けるかをテーマに様々な施策に取り組んでいます。お客様との親密度を高めるためには、お客様の課題把握から製品の検討・導入後のアフターフォローまでの全サイクルを通してアシスト全体によるお客様支援が不可欠です。 |
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導入のポイント
1.Salesforceを中心に据えたお客様情報基盤で、エンゲージメントの向上に取り組む
2.約2人月でデータ連携処理を内製化し、変化に強い情報活用基盤を実現
3.DataSpiderの適用範囲を拡充してお客様の支援体制を強化
課題
- 業務システム起点でデータが管理され、お客様に関する情報が散在していた
- システムの再構築に伴い、データ連携処理の見直しが迫られていた
- お客様情報の集約を機に、データ品質の確保とデータの拡充が求められた
対策
- お客様を中心に据えたデータの集約を行うために、Salesforceを導入
- DataSpiderを活用したデータ連携処理の内製化で、多様なデータを集約化
- データの管理方法を見直し、企業データの集約時に企業辞書を活用
効果
- お客様に関する情報がSalesforceに集約され、全社的な情報共有が容易に
- 連携先システムの変更にも柔軟に対応できる変化に強いシステム環境を実現
- データの品質を担保するとともに、マーケティングデータも充足
システムの構成イメージ
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業務システム起点のデータ管理からお客様を中心に据えたデータ管理へ
アシストでは顧客エンゲージメントを高めるため、ファンベースやカスタマーサクセスの考え方を取り入れた様々な施策に取り組んでいます。顧客エンゲージメントを高めるためには、お客様を担当する営業社員だけが対応するのではなく、お客様が「製品を知る」「製品を検討する・購買する」「製品を活用する」といった全てのサイクルを通してアシスト全体で支援する体制が不可欠になります。そのためには、お客様に関する情報を社内の関係者で「共有できている」ことが必須ですが、従来のお客様情報の管理方法にはいくつかの課題があったと、経営企画本部 ITサービス企画部 石川 俊朗は振り返ります。
石川
アシストでは、業務システムを起点としてお客様データを管理していました。全ての活動は「お客様」を起点としているにも関わらず、社内のデータ管理は業務の最適化を目的としてシステム毎、業務毎の管理になっていたのです。契約情報やアシスト社員の訪問履歴、お客様のセミナー参加履歴やお問い合わせ履歴など、複数のシステムにデータが散在しており、特定のお客様に関する情報を横串で見ることができませんでした。
さらに、お客様に関する案件情報やシステム情報、興味分野といった内容がスケジューラーに「活動報告」として入力されていたことも、お客様情報をスピーディーに把握する上での障害となっていました。
石川
活動報告は1つのテキスト形式の文章として登録されているため、テキストを全て読まなければどのような情報が登録されているかを把握できない点も大きな課題でした。このような状況を改善し、お客様を中心に据えたデータ管理を目指すことになりました。
Salesforceの導入とデータ連携基盤の刷新により、散在するお客様情報を集約
お客様に関連した活動状況を営業、技術、マーケティング各部門の誰もが容易に把握できるようになること、情報集約によるコスト削減を目指してSalesforceを導入しました。
石川
お客様情報を起点にしたデータ集約に向けて、データベースそのものから見直すべきと判断し、Salesforceを導入しました。2019年1月から段階的に利用を開始し、2020年1月から本格稼働しています。お客様情報画面では、そのお客様の基本情報/関連情報が表示されるとともに、誰がいつどのような活動をしたのかというコンタクト履歴も同一画面上で確認できるようになりました。
お客様情報を適切に管理することがSalesforceの有効活用につながるため、データ連携基盤の見直しにも着手しました。
石川
データ連携のエントリポイントを登録された名刺データのみに絞り、Salesforceの画面からユーザーが直接顧客データを登録することを禁止しました。また、データ連携時のデータ品質を担保するために企業辞書を必ず使用しています。
名刺管理システムでは、多い時で1日約400~500件の名刺情報がスキャンされ、DataSpiderで名刺管理システムのAPIをコールして名刺情報を取得します。名刺情報と企業辞書をマッチングして該当企業の正確な社名や関連情報を取得し、Salesforceにそのデータを登録しています。日々発生する、自動連携ではどうしても合致しないデータは、チェック担当者がエラーリストを確認しながら最終的なデータチェックを行います。単純に顧客データを登録するのではなく、システマティックに品質を担保しながらデータ連携を行っています。
システム環境の変化に柔軟に対応する情報活用基盤の実現へ
現在、約20本のDataSpiderを活用したデータ連携処理が日々稼働しています。接続先には、Salesforce、Google Workspace、名刺管理システムといったクラウドサービスの他、全社データウェアハウスやスクラッチ開発した販売・契約管理システムの他、メール配信、Excel出力などがあり、多様なデータソースをつなぐ重要な役割を担っています。
石川
DataSpiderを使って良かった点は、開発環境と運用環境がオールインワンで提供されていることです。OSさえ準備できればすぐにデータ連携の処理をスタートできるので非常に便利ですね。データ連携には用意されたアダプタを使うことで、システムとの接続部分をあまり考える必要がなく、自分たちが実現したいロジックの作成に集中できます。さらに、エラー発生時のハンドリングやリスト出力など、きめ細かい処理にも適しています。
今回の新システム構築にあたっては、データ連携処理を内製化できた点が一番重要な効果だと実感しています。
石川
コストやスケジュールの観点から、内製化を実現したメリットは非常に大きいですね。外部委託した場合、データ連携の仕様説明に多くの工数を要したことでしょう。内製化ではデータ連携を約2人月で実装していますが、外部委託した場合には倍以上の工数が想定されたため、計画通りのリリースは困難だったと思います。
現在クラウドサービスは新しいサービスが次々に誕生しています。そのため一度利用したサービスでも、他の良いサービスに切り替えることも出てきます。弊社でもデータ連携処理の稼働後に名刺管理システムの入れ替えを行っています。データ連携処理自体を内製化していること、データの流れを設計していることから、名刺管理ツールのリプレースもただ単純に接続先システムの変更という扱いで、1人月程度の工数で対応することができました。DataSpiderは変化に強い情報基盤を実現するために必須のツールだと実感しています。
DataSpiderの活用範囲を拡充して業務の利便性を向上し、お客様支援の体制を強化
DataSpiderはアシストの情報活用基盤に不可欠な存在であり、その運用・管理体制にも重要な要素です。
石川
情報システム部門として標準化は一つのテーマです。DataSpiderを利用したデータ連携処理における開発と運用の分離や、運用作業の自動化などに今後取り組んでいく予定です。DataSpiderはアシストにとって欠かせないデータ連携基盤ですので、監視体制も整えていきたいですね。
DataSpiderの活用範囲を広げて、さらなる業務効率の向上を目指しています。
石川
契約業務の中には業務のロジックを人の判断に依存する処理があります。この業務ルールをルールベースAIのProgress Corticonに実装し、契約管理システムとのデータ連携にはDataSpiderを活用することで、大きな業務改善が見込まれます。また、長年アシストのサポートセンターで運用してきたサポート管理システムもリプレースを予定しており、新システムの構築時におけるデータ移行や、他システムとのデータ連携ではDataSpiderの活用が期待されています。社内システムの利便性向上は、結果としてお客様支援の体制強化につながります。今後もDataSpiderを活用したデータ連携処理は広がっていくことでしょう。
- ※本事例は取材時の内容に基づくものです。
- ※製品内容は、予告なく変更される場合があります。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
アシストへのインタビュー記事(PDF)はこちら
株式会社アシストへのインタビュー記事をPDFでお読みいただけます。
導入企業情報
会社名 | 株式会社アシスト |
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概要 | アシストは、お客様に「ITソリューション」と「ソフトウェア・サポート」を提供するパッケージ・インテグレーターです。商品やサービスの提供を通じて、人々や社会の役に立つ会社になることがアシストの使命です。 |
所在地 | 東京都千代田区九段北4-2-1 市ヶ谷スクエアビル |
設立 | 1972年3月 |
資本金 | 6,000万円 |
従業者数 | 1,210名(2021年4月現在) ※グループ会社含む |
URL | https://www.ashisuto.co.jp/ |
取材日 | 2020年12月 |
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