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効率的に使えるEDIを構築【生協標準流通BMS】─ 目指すは全生協のシステムコスト削減とマーケティング施策への貢献

コープ情報システム株式会社

導入製品/サービス…
HULFT  DataSpider Servista  

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コープ情報システム株式会社は、日本生活協同組合連合会のIT子会社です。同社は、会員生協が個別に構築、運用してきたEDIシステムの共通基盤化を目指して「生協標準流通BMS」を構築しました。システムの中核となるツールにはHULFT DataSpider Servista (以下、DataSpider)を採用。安定したファイル転送・データ連携の基盤を作り上げ、日本生活協同組合連合会全体でのシステムコスト削減に貢献しています。

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「生協標準流通BMSにHULFTとDataSpiderを採用するにあたって、アシストに導入を相談できたことは本当に良かったと思います。アシストには両製品を熟知した技術者がおり、サポートセンターのレスポンスも良かったので、いつでも安心して相談ができました」

コープ情報システム株式会社
開発2部 岸柳 勇人 氏

課題/背景

  • 従来、EDIシステムは各会員生協が個別に構築運用しており、生協全体のシステムコストを押し上げていた
  • 各会員生協のEDIから出力するフォーマットやデータの持ち方が異なるため、フォーマットの標準化とデータの変換を行う必要があった
  • 各会員生協での全商品の受発注データを蓄積し、生協のPB商品開発に生かしたいという要望が挙がっていた

対策

  • 各会員生協に提供する「生協標準流通BMS」の構築を検討
  • 各会員生協へのヒアリングを通じて生協全体で利用できるEDI基盤の技術仕様やデータ標準を検討
  • ファイル転送には、多くの各会員生協で導入実績があり利用の障壁が低いHULFTを採用
  • データ変換には、HULFTとの親和性やデータの変換性能に優れたDataSpiderを導入

効果

  • 要件定義開始から約7ヵ月の短期間で、安定したファイル転送と変換が可能な「生協標準流通BMS」を構築
  • 生協標準流通BMSのユーザーとなった2つの会員生協では、EDI関連のコストが大幅に低減
  • 今後、生協標準流通BMSで収集・蓄積された膨大な受発注データをクラウド上で分析し、PB商品の開発やマーケティングへの活用を見込んでいる



システム概要



システムコスト削減を目的に全国の生協が個別に抱えるEDIシステムの共通基盤化を検討

コープ情報システム(以下、CIS)は、ITの側面から会員生協へのサポート活動を行っています。
2030年に向けたビジョン「CO・OP 2030」が2020年に発表され、これに合わせ、CISでは全国生協でのデータ活用強化やコスト構造改革を行うため、2025年までのICT中期計画を策定しました。4つの基盤(情報・連携・インフラ・OA)で課題を具体化し、その整備に取り組むこととしています。

このうち「連携」基盤は受発注のEDIシステムにかかわる部分です。この検討・構築に携わった CIS 開発2部の岸柳勇人氏は、本基盤整備の目的を次のように説明します。

岸柳氏  これまでのEDIシステムは、各会員生協が個別に構築・運用を行っており、個々のコストを引き上げ、新しい試みへの着手が難しい状況でした。これを共通基盤として提供することで、各会員生協、ひいては生協全体のEDIに関連するシステムの開発や運用コストを削減することが本取組の最大の狙いです。最終的には独立運営されている生協が、個々のプラットフォームを持ちながらも、中心となる仕組みを通じて一つにつながり合える環境を目指しています。

また、連携基盤で得られるデータは、プライベートブランド「CO・OP」(以下、PB商品)の強化に向け、「情報」基盤での活用が期待されています。

岸柳氏  これまで各会員生協から送られていた受発注データはPB商品だけで、他はそれぞれの取引先に直接送られていました。新しい基盤では、全商品の受発注データが通過します。これを蓄積し、分析する仕組みを作ることで、購買傾向を把握し、PB商品の開発やマーケティングに貢献したいという将来構想があります。


共通データ連携基盤「生協標準流通BMS」の中核にHULFTとDataSpiderを採用

CISは、各会員生協が自社EDIシステムからの移行先として利用できる共通データ連携基盤の「生協標準流通BMS」の構築をスタートし、ファイル転送の基盤として「HULFT」の採用を決定しました。

岸柳氏  今回のプロジェクトを機に、会員生協全体とのデータ連携を図る上で一番ふさわしいミドルウェアは何かを再検討しました。結論として、既に多くの生協で導入されているHULFTが最も要件に合うと判断され、HUFLTに対する知見が深いベンダーであるアシストに相談をしました。
また、この基盤では、各会員生協が運用しているEDIシステムによって生成された受発注データを受け取らなければならず、流通BMS(※)のフォーマットへと変換する仕組みが必要でした。そのため、会員生協からファイル形式で受け取ったデータを、生協標準流通BMS用に整形するデータ変換ツールについても比較検討を行ったのです。

その結果、HULFTとの連携が容易に行え、コスト面、性能面でも優れた「DataSpider」を採用。選択のポイントとして岸柳氏は、HULFTとの連携機能である「HULFT Scriptトリガー」を挙げています。

岸柳氏  データ変換ツールを検討していた際、アシストの技術担当者からDataSpiderのHULFT Scriptトリガーについて説明を受けました。これは、HULFTによるファイル転送を検知して、条件が一致した場合にスクリプトを自動実行するものです。他の連携ツールと異なり、アプリケーションを開発することなく対応ができるため、これをうまく利用することで、私たちが実装したかった仕組みを容易に実現できると感じました。

  • BMSとはBusiness Message Standardsの略称、流通業界のEDI標準仕様です。

短期間でコスト対効果が高い開発を実現

生協標準流通BMSは、各会員生協のEDI利用状況に関するヒアリングを経て、2022年2月に要件定義を開始し、そこから約7ヵ月後の同年9月にリリースされました。開発を短期間で完了できた要因としては、HULFTとDataSpiderという相性の良いパッケージを組み合わせて活用したことに加え、両製品に明るいアシストの技術担当者から手厚いサポートを受けられたため、と岸柳氏は話します。

岸柳氏  システム要件を決める段階から、アシストは“標準化支援”として各会員生協のデータへ容易に対応できる標準データフォーマットや各会員生協のフォルダーの作成時のルール作りまでサポートしてくれました。また、提案や打ち合わせの際には技術担当者がいつも同席し、“こういうデータの加工をしたい”などと相談すると、その場で技術的な観点からの回答をもらえたのもよかったと思います。そして、事前に調査はしていたものの、DataSpiderを使うのは今回が初めてでしたが、実際の画面やスクリプト開発のイメージを打ち合わせの中ですり合わせながら進めることができたので、スムーズに構築できたのだと思っています。

2023年末時点で2つの会員生協が既に本番利用を開始しており、EDI関連システムの導入、運用コストの削減に大きく貢献。また、実績を重視して採用したHULFTは、データの転送を安定して行い、今後のユーザー生協数や連携先の拡大にも迅速に対応できる環境が整いつつあります。そしてDataSpiderについては、稼働開始後に社内でスクリプトの修正や改善を行える体制を整えることに成功しました。

さらに、HULFTとDataSpiderの組み合わせは、運用保守作業の効率化にも貢献しています。

岸柳氏  例えば、ユーザーから受信したファイル内に不正な値が存在してエラーが起こった場合、DataSpiderは原因となった部分を特定してログに出力します。ファイルの内容をエンジニアが目視で確認して問題のある部分を見つけ出す必要がなく、エラーログの内容を参考に作業ができるため、障害対応の手間が大きく削減できています。


製品知識が豊富な技術者によるサポートが高評価-データ活用領域での支援にも期待

ユーザーへのサービスを開始して以降、生協標準流通BMSの共通データ連携基盤は極めて順調に稼働しており、連携の仕組みは「企画時に期待した成果が得られている」と岸柳氏は評価しています。

岸柳氏  HULFTとDataSpiderを採用するにあたって、アシストに導入を相談できたことは本当に良かったと思います。アシストには両製品を熟知した技術者がおり、サポートセンターのレスポンスも良かったので、いつでも安心して相談ができました。

2024年以降も、全国の各会員生協で次々とEDIを生協標準流通BMSへ移行する計画が進んでおり、移行が進むにつれ、生協全体でのEDI関連コストの削減効果は、さらに大きくなることが見込まれています。

岸柳氏  利用生協が増え、データが溜まっていけば、その活用検討が具体化してくると思います。データ活用基盤である「WebFOCUS」も、アシストから導入していますので、今後も「連携」の生協標準流通BMSを含め、データ活用である「情報」の取り組みについても、引き続き相談に乗ってもらえることを期待しています。



  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 コープ情報システム株式会社
本社 東京都新宿区百人町三丁目25番1号 サンケンビルヂング4F
設立 1996年10月21日
URL https://www.coopis.co.jp
従業員数 138名(2022年4月)
取材日 2023年12月

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