機械の稼働データをQlik Senseで可視化!ビジネス部門でのIoTデータ活用で、業務効率が劇的に改善
村田機械株式会社
- 導入製品/サービス…
- Qlik
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創業から80年以上にわたり、革新的な繊維機械を世に送り出してきた村田機械。近年はIoT分野にも注力し、繊維機械から稼働データを収集し、顧客サービス向上や製品改善に積極的に取り組んでいます。Qlik Sense で理想的な可視化と分析を実現し、事業部全体でデータを基点にしたPDCAサイクルを実践しています。 |
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導入のポイント
1.IoTデータを活用した顧客サービス向上や製品改善のPDCAサイクル促進のため、BIツールを導入
2.セルフサービスBIでデータの可視化と分析の環境を整備し、業務効率が1/100に
3.「ベテランの目線」をアプリに実装し、ノウハウを伝承
課題
- Excelでの参照や分析に時間がかかり、メンテナンスも属人化していた
- 言語が異なる海外拠点では、VBAがうまく動かず、ファイル共有でのデータ活用ができなかった
- 保守担当スタッフは機械の不具合連絡を受けてから対応を開始するため、事前の対策立案が困難だった
対策
- Qlik Senseで機械の操業データを可視化し、生産効率を下げている要因をいち早く特定
- データをQlik Senseで可視化し、製品改善のPDCAサイクルを構築
- 多言語対応のQlik Senseを導入することで、国内外問わずデータが活用できる環境を整備
効果
- データに基づいた迅速なサポートで、機械の高稼働率を維持し、保守サービス品質を向上
- 高度なITスキルなしにデータを分析し、データを活用する文化が拡大
- グローバルでの営業戦略や製品改善のPDCAサイクルが加速
システム概要
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データを基点にしたPDCAサイクルで、製品と顧客サービスを改善
── なぜデータ分析を必要としていたのでしょうか。
1つはIoTでのデータ活用です。当社ではMSS(ムラテックスマートサポート)プロジェクトというソリューションを顧客向けに展開しています。顧客に納入した繊維機械の稼働データを本社のデータベースに集積し、そのデータを分析し繊維機械の保守品質向上や製品設計の企画や改良に生かすというものです。日々蓄積される膨大なデータは、これまではVBAを使って分析していました。しかしプログラミングの素養を必要とするため、思い通りに使いこなして分析できるのはスキルを持つ一部の担当者に限られ、しかも大変に手間のかかる作業になっていました。また一度の分析で対象となるデータ量は数万件にのぼり、高負荷で画面が固まったり、海外拠点への展開では、パソコンの言語が違うため開発したVBAが動作しない問題も発生していました。
もう1つの目的は、業務データの二次利用です。受注から納品までの手配や、製品の不具合のフィードバック情報をシステムに登録しているのですが、これらのデータを分析することで不具合対策や業務改善、販促活動といったPDCAサイクルにつなげたいというニーズが高まっていました。
このような背景から、高度なITスキルを必要とせず、誰もが簡単にストレスなくデータを活用できるBIツールを求めていました。
とにかくアプリが作りやすい!直感的でストレスフリーなQlik Senseの操作性
── Qlik Senseを選んだ過程を教えてください。
システム部門が半年ほどかけて、5つのBIツールを比較評価しました。Qlik Sense Desktop(無償版)はエンドユーザーと一緒に評価して、簡単にデータを可視化し分析できるかどうかを確認しました。アシストからは、アプリのプロトタイプ作成や社内向けのハンズオンセミナーの開催など、評価を進める上で手厚くサポートしてもらいました。評価期間後、エンドユーザーからも導入を求める声が寄せられるなど高評価だったため、製品版を導入して本格的な活用を開始しました。
── どのような点を高く評価しましたか。
まずは操作性です。とにかくアプリを作りやすいというのが率直な感想でした。「セルフサービスBI」というコンセプトのとおり、マウスのドラッグ&ドロップ操作だけで直感的にアプリを作成することができました。連想技術によって、データソースの項目が自動的に統合されますから、作成したいチャートと軸とメジャーを選択すればアプリが完成します。
応答速度もよいため、ストレスもなく快適です。これまでのVBAでは画面が固まってしまうようなデータ量でもサクサク動いてくれます。インメモリ技術を採用しているため瞬時にデータが表示され、思考が途切れることなく分析業務に集中できますね。
またExcelで課題となっていた、海外環境での言語の問題も解決できました。現在は日本で作成したアプリをグローバルに展開しているのですが、インドのスタッフから高く評価する声が届いています。Qlik Senseによって、世界中の拠点で同じ視点でデータを見る環境を提供できています。
最短の時間で最大の効果が得られるQlik Senseの分析力
── Qlik Senseの導入後、データ活用はどのように進んでいますか。
MSSプロジェクトでは、顧客の工場で稼働している繊維機械の稼働効率が上がるように、メンテナンスサポートや診断にデータを活用できるようになりました。Qlik Senseで操業データの集計と可視化を行い、生産効率を下げている要因をいち早く特定、優先順位の高い順に対応できています。しかも現場で考え始めるのではなく、事前に社内で顧客のデータを確認した上でアクションの方向性を決めることができるため、現地スタッフへの指示もより的確になりました。Qlik Sense導入前は、顧客から故障などの連絡があってから訪問して対応するフローでしたが、今では要因に素早くたどり着き、よりアクティブにアプローチできるようになったわけです。
顧客先でも、グラフで分かりやすく状況を説明できるようになりました。さらに作業後のデータからは私たちがメンテナンス結果を確認できるだけでなく、顧客も改善状況を理解しやすくなりました。
同じことはExcelでもできるのですが、結果にたどり着くまでが大変です。Qlik Senseによって、感覚的には100倍ぐらい早く結果を得られるようになりました。最短の時間で最大の効果が得られる分析を提供してくれるツールだと感じています。
── Qlik Senseでより質の高い保守サービスを提供できるようになったのですね。
はい。他にも繊維機械を出荷した後の改善情報を管理しているフィードバック情報管理システムの可視化事例があります。Qlik Senseで、改善の必要な部品や工程などを関連性をもって把握できるようになっており、改善実績をアプリ上で確認できています。
このPDCAの可視化に使っているアプリには、ベテランが問題を解決するためにデータを見るときの「目線」が含まれています。定性データを言語で伝えるのは難しいのですが、アプリは共有して誰もが利用できるため、ノウハウ伝承にもつながっていくと考えています。
また、MSSプロジェクトのデータと稼働中の機械の仕様情報を連携させて情報を見始めています。機械の推奨設定が、実際に現場で稼働されるとどうなるのか?違いを見ることに役立てています。現在は新たな気付きを得るための活用方法ですが、今後は新製品の企画や改善に生かせる重要な情報源になると感じています。
広がりを見せるデータ活用への期待
── 今後の予定をお聞かせください。
データの活用プロセスをもっとシンプルにして、分析結果をレポートとして配信しようと考えています。この配信作業も省力化できるように、RPAの使用を検討中です。
また、依然としてExcel管理している業務が多く存在しているため、Excelからグループウェア上のデータベースに移行させ、そのデータをQlik Senseで分析するなど新しい取り組みも開始する予定です。
社内ではユーザーが自発的にQlik Senseの活用を推進するイベントを開催し、活用事例紹介やハンズオンを実施するなど、取り組みが盛り上がっています。繊維機械事業部の営業部からQlik Senseを使ってみたいという要望もあがり、VPN接続で社外からアクセスできるサーバーを構築しました。技術部が利用していたアプリに、営業部が自分たちの見たい視点を独自に追加して改良しています。まさにセルフサービス型で活用が進んでいる状況ですね。Qlik Senseを利用する輪は日に日に大きくなっていますので、他の事業部でも導入を検討しています。
- ※本事例は取材時の内容に基づくものです。
- ※製品内容は、予告なく変更される場合があります。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
村田機械様のインタビュー記事(PDF)はこちら
村田機械様へお話をお聞きしたインタビュー記事をPDFでお読みいただけます。
お客様情報
※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。
会社名 | 村田機械株式会社 |
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概要 | 1935年に繊維機械メーカーとして創業し、その後工作機械やロジスティクス/FAシステムなどにも事業を拡大。先進的かつ高品質として認知される「ムラテック」ブランドで、世界各地の紡績業を支えています。 |
本社 | 京都市伏見区竹田向代町136 |
設立 | 1935年7月 |
資本金 | 9億円 |
従業員数 | 3,250名(2018年4月現在) |
URL | https://www.muratec.jp/ |
取材日 | 2019年3月 |
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