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SAP S/4HANAのテストで実現した作業効率化と品質保証
─ 負荷テスト85%、リグレッションテストでは67%もの
工数を大幅削減

東京エレクトロン株式会社

導入製品/サービス…
LoadRunner  UFT One  

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グローバル市場での競争力をさらに強化するため、SAP S/4HANAを導入した東京エレクトロン株式会社(以下、東京エレクトロン)。グローバルを含む各拠点への展開をスムーズに実施するため、負荷テストツールのLoadRunner とリグレッションテストを自動化するUFT One を採用しました。これらのテストツールを活用しながら、展開を推進しています。

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「SAPパッケージ特有の考え方や動き方を理解した上でのアドバイスや提案を実施いただけたので、期待どおりの対応であったと思います。今後もプロジェクト特性に合わせた、有用な製品があるのであれば提案頂きたいですね」

東京エレクトロン株式会社 IT開発部 矢部 雅之 氏

課題/背景

  • グローバル市場での競争力をさらに強化するため、生産性の向上とデータの利活用を目指し、新基幹システムとしてSAP S/4HANAを導入
  • データ量が増えて行くことが予想されているため、システム利用負荷を事前に検証する必要があった
  • 各拠点へのロールアウトが計画されたことから、各リリースのテスト工程に重なりが生じた。そのため、テストを実施する人員の確保とテストの効率化に取り組む必要があった

対策

  • 生産工場や現場の業務を止めないため、事前に負荷テストを行えるLoadRunnerを導入
  • リリースごとの品質を担保するため、リグレッションテストが自動化できるUFT Oneを採用

効果

  • SAP専任の技術者を採用することなく、LoadRunnerとUFT Oneを活用し、テストを効率的に推進することで、スムーズに各拠点へのロールアウトを実現
  • 負荷テストにおいて、工数削減効果は85%。今後の展開においても常に80%以上の高い削減効果を期待
  • 各拠点への展開時やバージョンアップなどのリグレッションテスト工数は67%削減



システム概要



SAP S/4HANAの展開にあたり、テスト工程の人員と工数の課題が浮上

東京エレクトロンは半導体製造装置メーカーとして、装置の製造だけでなく、納入、アフターメンテナンスまでの一貫した技術サービスとサポートを提供している企業です。世界18か国、83拠点(※)で事業を展開する同社を取り巻く環境では、5G、IoT、EVなどがトレンドとなり半導体需要が高まっています。このような背景の中、激化するグローバル市場での競争力の強化施策として、全社を横断する業務改革プロジェクトが発足。その一環として、生産性と品質の向上、データの利活用、多様化するニーズへのタイムリーな対応を目指し、基幹システムのSAP S/4HANAへの刷新を推進しています。(※ 2023年4月1日現在)

現在基幹システムの刷新プロジェクトでは本社への導入が済み、順次に国内工場、グローバルの各拠点へのロールアウトを進めています。その円滑な推進に向けたシステム品質保証への取り組みを、IT開発部 矢部雅之氏、長澤敦彦氏、川口諒祐氏の3名にお聞きしました。

── SAP S/4HANAの展開にあたり、特に苦労されたことはございましたか

当社は、営業、生産、物流、経理、フィールドサービスなど全ての業務領域でSAP S/4HANAを利用しています。多くのシステムがスコープとなり、グローバル展開も必要な大規模プロジェクトということもあり、SAP人材の確保と体制構築には、常に苦労しています。計画は立案したものの、人が集まらない、という話はよく耳にしますが、当社も同様でした。

── システム品質保証の面でも人員不足が課題だったのでしょうか

品質確保のためにテスト工程を細分化し、13のテスト工程を定義しました。その後、ロールアウトしていく各拠点のテストスケジュールを策定しましたが、大日程レベルで各リリースのテスト工程に重なりが見え、人員の確保と工数の削減が課題として浮き彫りになりました。

── テスト工程には、 具体的にはどのような課題があったのでしょうか

負荷テスト、そしてリグレッションテストに関するテスト工数に課題がありました。

本番運用に影響が生じる性能問題が無いかはリリース前に確認する必要があります。機能ごとの性能を検証する単体負荷テストの実施はもちろん、本番相当のユーザー数、データ量で各機能を同時に動かす全体負荷テストをしなければなりません。 特に全体負荷テストにおいては、手動で本番相当の数百人単位のユーザーが同時に機能を実行することは現実的ではありません。

また、世界の各拠点へのロールアウトを行っていく際に、リグレッションテストが必要となります。
手動によるテスト実行では、工数が膨大になることや、ヒューマンエラーによって手戻りが発生するリスクが大きくなるといった課題もありました。

── テスト工程の課題解決に向けツールを検討されたということですね

はい。単純作業や繰り返し作業を自動化して工数を削減したい、テストの品質を上げたいという考えから、テストの自動化ツールを検討するに至りました。


採用の決め手はサポート体制の充実と製品の使いやすさ

── テスト自動化にあたり、ツールに求めた要件はどのようなものでしたか

ツールの"使いやすさ"が重要なファクターとなりました。当社側に採用する製品の知識がなくても、教育などで早期に技術者を育成することができるか、利用環境をすぐに構築できるかという点も条件として挙げられていましたね。

── それらの要件を満たしたのがLoadRunnerと UFT One だったわけですね

はい、アシストからの提案を受けて、要件や条件に沿うことを当社で確認させていただいた結果、LoadRunnerとUFT Oneを採用するに至りました。

また、ツールの使いやすさだけでなく、アシストのサポート体制の充実度というのも決め手の一つでした。
ツールの導入からサポートまで一貫して対応いただいてますし、何か問題や確認事項が発生した際も直接担当者と会話できる点は顧客として満足度も非常に高いです。


負荷テストの工数は85%減、リグレッションテストの工数は67%減に

── 製品の導入効果についておしえてください。まずはLoadRunnerでの負荷テストはいかがでしたか

LoadRunnerを使用した初めての負荷テストでは、「サーバー構築/初期設定」や、「ツール開発/確認」などの作業が発生しましたが、想定していた手動テスト時の工数と比較し、52%の工数削減に至りました。また、2回目以降の「ロールアウトプロジェクト」においては、初期設定などの作業が不要、もしくは流用できるため、結果として削減効果は85%と、非常に高い効果が得られています。

さらに、LoadRunner内で実行結果の分析が行えることも非常に助かっています。



──UFT Oneを利用したリグレッションテストではどのような効果が 表れて いますか

UFT One導入時もスクリプト開発工数が必要となりますが、ロールアウトやバージョンアップなどを複数回実施する場合、試行回数が増えるほど削減効果が得られます。例えば、試行回数が10回程度必要な場合は、手動時のテストの工数と比較し67%の工数を削減できる想定です。

また、一度スクリプトを作成してしまえば、そのスクリプトを何度でも流用できます。テストが必要なケースは多数あり、従来であればその都度テストパターンを作成し、手動で機能を実行しなければなりませんが、その工程をUFT Oneで全て削減できるのは、大きなメリットだと感じます。



事前対策することでスムーズにSAP S4/HANAを展開中

── 本番稼働後、大きな問題は生じなかったのでしょうか

本番稼働後のパフォーマンス面においては、LoadRunnerが関連したオンライン処理は事前に課題抽出が行え、対策も実施できたため、大きな課題は発生しませんでした。

── SAP S/4HANAに対応しているテストツールとして、両製品の総評をお聞かせください

LoadRunnerについては、課題となりやすい負荷テストの実施において、テスターや利用ユーザーの手を借りることなく、自動で負荷をかけられる点が非常に有用であると考えます。また、UFT Oneについても、SAP S/4HANAはバージョンアップが定期的に必要となっており、その都度リグレッションテストの実施が必要となりますが、その工数を削減できる点において、効果が高いと感じています。

── テストツールを導入したことによるプロジェクト全体への効果はいかがでしたか

テスト工程の進捗やシステム品質の向上に寄与していたと感じています。


今後も引き続きSAP S4/HANAを各拠点の工場や現地法人へ展開していく


── 本プロジェクトを推進するにあたりアシストの対応はいかがでしたか

SAPパッケージ特有の考え方や動き方を理解した上でのアドバイスや提案を実施いただけたので、
期待通りの対応であったと思います。

── 期待通りとのことですが、他にアシストへ要望することは何かありますか

現在も対応いただいていますが、製品に対する対応や確認事項が発生した際の、速やかな対応、確認を実施いただければと思います。また、今後もプロジェクト特性に合わせた、有用な製品があるのであれば提案頂きたいですね。

── 今後のご計画についておしえてください

現在もプロジェクトは進行中で、順次工場や現地法人へロールアウトしていきます。

今後も負荷テストおよびリグレッションテストは不可欠であり、段階的な規模の拡大に伴い、ツールの適用範囲も拡大していく予定ですので、引き続きフォローをお願いします。



取材協力

東京エレクトロン株式会社
  IT開発部     矢部 雅之 氏(写真 中央)
           長澤 敦彦 氏(写真 左)
           川口 諒祐 氏(写真 右)



  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

LoadRunner/UFT Oneがわかる!
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お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 東京エレクトロン株式会社
本社 東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー 38F
設立 1963年11月
URL https://www.tel.co.jp/
従業員数 単独 2,021人、グループ連結 17,522人(2023年4月1日現在)
取材日 2024年1月

関連製品/サービス

LoadRunner

LoadRunnerは、「負荷テストツール」の代名詞として国内外の実績に裏打ちされた信頼性の高い、多機能負荷テストツールです。

  • 実績ある自動負荷テストツール
  • 分析範囲、分析スピードNo.1
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UFT One

UFT Oneは、GUIおよびAPI(GUIレス)アプリケーションの両方の機能テストや回帰テストの自動化を実現するツールです。

  • 回帰テストの効率化とテスト量の確保
  • エビデンス取得も自動化
  • 定期的なデータ登録作業の完全自動化

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