システム基盤をOCIに刷新し、Oracle Databaseの安定的な運用を実現
生化学工業株式会社
- 導入製品/サービス…
- Oracle Cloud Infrastructure Oracle Database
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研究開発型の製薬企業として国内外で広く知られる生化学工業株式会社では、長年仮想ホスティングサービス上で運用していた会計パッケージ製品のバージョンアップをきっかけに、システム共通基盤にOracle Cloud Infrastructure (OCI)を採用。Oracle Database のライセンスコストや運用・サポート体制が安定したインフラ環境を手に入れるとともに、PaaSサービスを有効活用することでデータベース運用の効率化も実現しました。 |
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導入のポイント
1.クラウドサービスの採用で、自社ビジネスを加速するサービスや製品を提供する体制強化に注力
2.Oracle Databaseをパブリッククラウド上で安定的に運用できる環境を実現
3.PaaSサービスの有効活用によりデータベース管理コストを抑制
課題
- 経営基盤強化を目的とし、基幹システム全体とDWHシステム基盤の見直しを検討していた
- Oracle Databaseを安定的に継続利用できるインフラ環境を模索していた
- 限られた人員リソースの中、効率的なDB運用・管理が必要だった
対策
- 自社でハードウェア調達・管理が不要なクラウドサービスを採用
- オラクル社が提供するクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用
- OCIのデータベースPaaSサービスを活用
効果
- 業務の見直し・効率化への注力を可能に
- ライセンスコストやサポート体制が安定したOracle Database稼働環境を実現
- バックアップをはじめDB運用業務の効率化と年間DBコストを約5~7%削減
システム概要図
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会計パッケージのバージョンアップを機に基幹システム全体のアーキテクチャ見直しへ
生化学工業株式会社(以下、生化学工業)は、「糖質科学で未来を創る」をミッションステートメントに掲げ、「糖質科学」の重要性に着目し、長年に渡り医薬品等の応用研究を進めてきた製薬企業です。ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などを研究する糖質科学の分野に特化した研究開発型の製薬企業として、国内はもとより国外でもその存在は広く知られています。
同社の情報システムはこれまで、開発や運用の効率性を重視して、パッケージ製品を中心に構成されてきました。会計システムに関してもクライアント/サーバ型の国産パッケージ製品を、データセンター業者が提供する仮想サーバホスティングサービスの上で長年に渡り運用してきました。しかし2019年に製品の保守期間満了を迎えるにあたり、アーキテクチャの刷新に乗り出すことにしました。その背景について、同社 経営企画部 情報システムグループ 次長 吉田浩二氏は次のように述べます。
吉田氏
この会計パッケージ製品ではOracle Databaseが利用されていましたが、仮想サーバ環境で運用し続けることにより、Oracle Databaseのライセンス面や運用面でのリスクを抱え込むことになるのではとの懸念がありました。そこで今回のバージョンアップを機にシステム基盤を刷新するとともに、会計システムだけでなく基幹システム全体とDWHシステムの構成を見直し、自社を取り巻く環境に対して柔軟かつ迅速に対応できる経営基盤とそれを支える情報基盤の確立を目指すことにしました。
「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を用いた基盤刷新を決断
早速複数のベンダーから、インフラの見直しを視野に入れた会計システム再構築の提案を募ったところ、大半のベンダーからパブリッククラウドサービスを使ったプランが示されました。これらを慎重に比較検討した末、最終的に同社が選択したのが、株式会社インテック(以下、インテック)とアシストが共同で提案した「Oracle Cloud infrastructure(OCI)」を用いた方式でした。
他のクラウドサービスを用いた提案もあった中、OCIを選んだ理由について、同社 経営企画部 情報システムグループ 課長補 廣瀬剛氏は次のように説明します。
廣瀬氏
Oracle Databaseの提供元であるオラクル社が提供するOCIなら、サービスポリシーの突然の変更によりデータベースのコストが一気に跳ね上がるようなリスクを未然に防げると考えました。また技術面においても、当然のことながらOracle Databaseとの親和性が高いであろうと判断しました。さらには、万が一トラブルが発生した際も、インフラとデータベースの両方を1社のベンダーが提供しているので、素早く対応してもらえるのではないかとの期待もありました。
加えて、オラクル製品について長年にわたる豊富な実績を持ち、かつOCIに関しても国内屈指の導入実績を持つアシストがインフラの構築を担当することが、大きな安心感につながったといいます。
吉田氏
OCIはパブリッククラウドサービスとしては後発の位置づけのため、他のクラウドサービスと比べると実績が少ない点に多少の不安を感じていました。そのような中、OCIの導入実績を多く持ち、技術ノウハウも豊富に有するアシストがインフラ構築を担当するという安心感が、OCIを選定する決め手の1つになりました。
関係各社の技術体制を整え2つの主要システムをOCIで再構築
OCI上での会計システム構築作業は、2018年11月からスタートしました。OCI周りの環境構築作業はアシストが担当し、生化学工業やインテックと密に連携を取りながら基盤構築作業を進めていきました。一部、ネットワークの設計や構築で問題が発生したものの、大きなトラブルに発展することもなく、最終的には当初のスケジュールに沿って2019年9月に会計システムの本番稼働を迎えることができました。
その直後、オラクル社のビジネス方針変更に伴い、急遽データセンターの変更が発生したものの、各社の技術者を交えて万全の体制を敷き、問題なく移行作業が完了しました。
DWHシステムの再構築は、アシストが提供するデータ活用ソリューション「aebis(エビス)」を活用し、OCIを基盤として、データの収集・連携からフロント系BIの設計までワンストップで実施することができました。
現在、本番稼働を開始してから1年以上が経過していますが、OCIに起因するトラブルは発生しておらず、極めて安定して稼働しています。
データベースコストの削減やバックアップ運用の効率化を実現
今回OCIが提供するデータベースのPaaSサービスの採用により、データベース関連コストは年間約5~7%ほど削減できました。また当初の課題であったOracle Databaseのライセンスにまつわるリスクが軽減され、適正コストで安定かつ継続的にデータベースを運用できるようになりました。
システム運用の現場でも、会計システムの基盤をOCIに移行したことで大きな変化がありました。同社 経営企画部 情報システムグループ 主任 赤津一成氏によれば、特にデータバックアップの運用は大きく様変わりしたといいます。
赤津氏
従来はテープにバックアップを取って遠隔地の倉庫に保管していましたが、今回のOCI移行を機にクラウド上にバックアップを取る運用に変更しました。これにより、これまでバックアップ運用にかかっていたコストや手間をかなり削減できました。
なお現在同社では、会計システムに続いて生産管理システムのOCI移行も計画しており、これと同時にOCIの東京リージョンと大阪リージョンの間でBCP対策を兼ねた遠隔バックアップを進行中だといいます。
吉田氏
生産管理システムをはじめ、Oracle Databaseを使っているシステムは今後OCIへの移行を前向きに検討していきたいと考えています。その際、アシストには今回と同様豊富な知見を基に手厚い支援を期待しています。
<取材協力>
生化学工業株式会社
経営企画部 情報システムグループ
次長 吉田 浩二 氏
課長補 廣瀬 剛 氏
主任 赤津 一成 氏
主任 小宮山 普子 氏
株式会社インテック
産業事業本部
製造営業部長 吉田 大輔 氏
第一エンタープライズソリューション部
安室 篤男 氏
製造営業部
主任 吉田 宗司 氏
- ※本事例は取材時の内容に基づくものです。
- ※製品内容は、予告なく変更される場合があります。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
- ※OracleとJavaは、Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。
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お客様情報
※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。
会社名 | 生化学工業株式会社 |
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概要 | 創薬分野において多くの可能性を秘めた「糖質科学」のパイオニアとして、創立以来70年に渡り独創的な医薬品・医療機器を生み出してきた製薬企業です。世界中の患者さんの健康で心豊かな生活の質の向上に貢献し、豊かな未来を創造することを目指しています。 |
本社 | 東京都千代田区丸の内一丁目6-1 丸の内センタービルディング10F |
設立 | 1947年6月2日 |
資本金 | 3,840百万円 |
従業員数 | 868名(連結ベース) |
URL | https://www.seikagaku.co.jp/ |
取材日 | 2020年9月 |
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