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社会インフラである大規模基幹システムのオープン化に成功!
ポイントは負荷テストとモニタリング

東京ガスiネット株式会社

導入製品/サービス…
LoadRunner  JENNIFER  


東京ガスiネット株式会社 LoadRunner Professional、JENNIFER

東京ガスグループの情報システム会社である東京ガスiネットでは、東京ガスの契約管理や料金計算、請求管理などを担う大規模基幹システムのオープン化を推進。ガス事業の法的分離も視野に入れた大きな改修が必要な中、性能や安定稼働を担保するため負荷テストツール「LoadRunner Professional (以下、LoadRunner)」とAPMツール「JENNIFER 」を導入し、システムの性能問題をテスト段階で素早く解決できるようになりました。

東京ガスiネット株式会社

導入のPOINT


1.東京ガスグループ最大のシステムの、性能問題の原因を数クリックで特定可能になった
2.負荷テストとモニタリングを同時に実施することで、テスト段階で迅速な性能改善ができた
3.わかりやすい製品機能とアシストの充実したサポートで、安心・安定したシステムを構築


課題

  • 基幹システムのオープン化に当たり、インフラのサイジングの妥当性を評価したかった
  • アプリケーションのログを出力すると性能に影響が出るため、ログに頼らず調査できるAPMツールを導入したが、安定したサポートが受けられなかった
  • 本番開始後に発生するシステム性能問題を速やかに解決できる方法を探していた

対策

  • 負荷テストツール「LoadRunner」を導入し、負荷テストとテスト時の分析によるサイジングを実施した
  • シンプルさに定評のあるAPMツール「JENNIFER」を導入し、ログを出力させずに性能調査が行えるようにした
  • 本番環境にもJENNIFERを導入してアプリケーションの稼働状況を常時モニタリングした

効果

  • 正確かつ効率的な負荷テストでインフラの性能を的確に評価できるようになった
  • アプリケーション性能問題の種を負荷テスト段階でシステムに影響を与えずに確実に除去できた
  • 本番環境上の性能問題の調査をクリック操作だけでその場で速やかに実施できた

システム概要図



基幹システム刷新プロジェクトの鍵を握る「負荷テスト」


東京ガスの唯一の情報子会社として、ITの側面から同社の事業を長年にわたり支え続けてきた東京ガスiネット株式会社(以下、東京ガスiネット)。現在も東京ガスが掲げる未来ビジョン「Compass2030」の実現に向け、「デジタル化、DXの推進」「ITコストの削減」を軸に約250に及ぶ東京ガスの業務システムの構築/運用を一手に担っています。

そんな中でも、最も重要な中核システムと位置付けられているのが、1000万件以上もの顧客の契約管理や料金計算、請求管理などを行う基幹システムです。長らくメインフレーム上で運用してきた同システムでしたが、これをオープン系技術で刷新するプロジェクトが2021年1月に無事カットオーバーし、現在も安定稼働を続けています。


草野 祐介 氏

単にシステムをオープン化するだけでなく、ガス事業の法的分離の義務化や、電力・導管工事などガス以外の事業への進出など、最新の事業環境を考慮した機能も数多く盛り込んだため、同プロジェクトは約10年という長期間に及びました。その中でもプロジェクトの成否を大きく左右したのが、システムの非機能要件への対応でした。東京ガスiネット 草野祐介氏は次のように話します。

草野氏  1台のメインフレームで動かしていたシステムを、新たに約20台のUNIXサーバで動かす事になりました。これらサーバやデータベースの適正なスペックやリソースを割り出すために、テスト段階で本番環境に近い処理負荷を与えた性能テストを実施し、非機能面の評価を正確に行う必要がありました。


LoadRunnerを使った負荷テストでインフラの性能を検証


こうした性能評価はインフラだけでなく、その上で稼働するアプリケーションにおいても欠かせませんでした。「このオンライン処理は何秒以内に返ってこないといけない」「この画面は何秒以内に表示されないといけない」といった非機能要件が明確に定められていたため、これらをきちんと満たせているかを最終テスト段階で評価し、もし満たせていない場合はその原因を速やかに割り出して対応する必要があります。

これらの目的を達成するために同社が真っ先に導入したのが、負荷テストツールのデファクトスタンダードである「LoadRunner」でした。元々同社では、過去に別の大規模プロジェクトでLoadRunnerを導入しており、機能の充実ぶりや高い信頼性については折り紙付きでした。そこで引き続きLoadRunnerを採用することにしましたが、草野氏によれば、その導入効果は明らかだったと言います。

草野氏  元々定評のある製品だけあり、とても便利で使いやすいと感じました。インフラのサイジングは机上で精緻に行っていたつもりだったのですが、LoadRunnerを使った負荷テストで本番環境に限りなく近い処理負荷を与えることができたので、サイジングの妥当性をしっかり検証することができました。また導入にあたってはアシストに手取り足取りサポートしていただいたおかげで、仕組みを素早く立ち上げることができました。


JENNIFERがアプリケーションのボトルネックを素早く解消!


LoadRunnerを使った負荷テスト中に性能問題が発生した場合、その根本原因を素早く切り分けて対応し、非機能要件を満たす必要があります。当初はアプリケーションからログを出力して、問題が生じた際はログをチェックして問題を切り分けていました。しかし同社 石川聡史氏によれば、このやり方には限界があったと言います。


石川 聡史 氏

石川氏  ログを大量に吐き出す処理の場合は、ログの出力そのものがシステム全体のパフォーマンスを低下させ、結果的に非機能要件を満たせなくなってしまいます。そのため、ログを出力することなく問題が切り分けられる方法が必要でした。

そのために導入したのが、アプリケーション内部の処理状況をリアルタイムで可視化できるApplication Performance Management(以下、APM)ツールでした。ただ当初導入したツールはサポート体制が心許なく、より安心して使える製品を探していました。そんな折、アシストから紹介を受けたのが「JENNIFER」でした。早速試用版を導入して評価したところ、同社の要件に合致することが分かりました。

石川氏  以前使っていた製品より、サポート体制が安定していたのはもちろんですが、機能もとてもシンプルで直感的に使いこなせる点が印象的でした。弊社の用途は詳細な情報を事細かに分析するというよりは、画面をぱっと見てボトルネックを素早く切り分けるような使い方を想定していましたから、JENNIFERはまさにぴったりの製品だと思いました。


LoadRunnerとJENNIFERの組み合わせで性能問題を本番前に解決


JENNIFERの導入にもアシストが万全のサポート体制を敷き、時には開発メーカーの技術者も伴って支援に当たりました。実際の負荷テストでは、まずLoadRunnerを使ってシステムに負荷を与え、その際のアプリケーション内部の動きをJENNIFERを使ってチェックしました。もし何か性能上の問題が発生した場合も、ログをいちいちチェックすることなく、JENNIFERの画面からその場で問題箇所を素早く特定できるようになりました。

なおシステムがカットオーバーした後も、JENNIFERは引き続き本番サーバに導入して利用を続けています。

石川氏  開発中はこれまで通りのログを使った調査方法にこだわる技術者も中にはいましたが、本番では非機能要件を満たすためにログは出力していないため、必然的にJENNIFERを頼るようになります。その結果、今ではすっかりなくてはならないツールになりました。

こうした大規模基幹システムへの導入効果を踏まえ、今後も機会があれば他のプロジェクトでもLoadRunnerおよびJENNIFERを積極的に活用していく方針だと言います。

草野氏  既に他のプロジェクトでJENNIFERを活用している実績もあり、社内の様々なプロジェクトに波及している実感があります。ただし自分たちだけでは社内で横展開していくにも限界がありますから、ぜひアシストには今後、弊社内の異なる部署をまたいだソリューションの横展開に協力していただけるとありがたいですね。



  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

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本事例でご紹介したお客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 東京ガスiネット株式会社
概要 東京ガスの唯一の情報子会社として、同社の業務と足並みを揃えながら東京ガスグループの「安心」「安全」「信頼」のブランドをITの側面から支え続けています。さらにはグループ全体の業務改革の推進者として、ITを通じた業務改革や新サービスの提案・推進に積極的に取り組んでいます。
本社 東京都港区浜松町2-3-1 日本生命浜松町クレアタワー
設立 1987年7月1日
資本金 4億円
社員数 788名(2021年7月1日現在)
URL http://www.tg-inet.co.jp/
取材日 2021年8月

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