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ITが支える安心・安全なガス供給
テスト・稼働確認業務の自動化で品質向上と業務改善に成功

東京ガスiネット株式会社

導入製品/サービス…
UFT One  Operations Orchestration  


東京ガスiネット株式会社 Unified Functional Testing、Operations Orchestration 事例

東京ガスグループ唯一の情報システム会社である東京ガスiネット株式会社では、重要な社会インフラであるガスの供給をITで安定的に支えています。ITを通じた業務改革に取り組む同社は、数千にも及ぶテスト工程と稼働確認を、Unified Functional Testing (以下、UFT)、Operations Orchestration により自動化。テスト工数を10人日/回削減、稼働確認工数を1人月弱/年削減といった大きな効果を上げ、現場の業務改善に貢献しました。※Unified Functional Testing(現正式製品名 UFT One)

東京ガスiネット株式会社

導入のPOINT


1.システム稼働確認業務の自動化で、1人月弱/年程度の省力効果を発揮
2.数千のテスト工程と証跡取得を自動化し、システム品質向上と10人日/回の工数削減を実現
3.稼働確認とテスト工程の自動化で、平時から有事の業務まで作業負荷が軽減、業務改善に貢献


課題

  • 安定したサービス提供のために機能レベルでの稼働確認が不可欠だが、人手による画面操作が必要で、多くの工数がかかっていた
  • システム改修のたびに品質確認のテストが必要となり、数千にも及ぶ全範囲テストと証跡取得を毎回手作業で実施するための人員確保が困難であった
  • システムの操作方法やノウハウが属人化しており、有事の際の対応作業に不安があった

対策

  • 機能テスト実施時の画面操作や証跡取得、システム稼働確認時の画面操作など、「作業」の自動化を目的にUFTを導入
  • UFTへの定期的な実行命令や結果の判定、メール通知など、「運用」の自動化を目的にOperations Orchestrationを導入
  • 操作性に優れたツールをグループ内で展開するとともに、積極的に部内外へ活用方法や効果を共有

効果

  • リリース時だけでなく日常的にユーザー目線での動作確認を実施し、システム品質向上を図るとともに、約1人月弱/年の省力効果を発揮
  • 半年に1度発生するテスト工程の全作業を自動化することで、テスト実施漏れを防いだ上で約10人日/回の工数を削減
  • 担当者に依存しないテストや稼働確認の仕組みと情報共有により、属人性が排除され現場の業務改善に貢献

業務自動化の流れ



安心・安全なガスの供給を実現するべく、人手による稼働確認とテストを実施


東京ガスiネット株式会社は、東京ガスグループ唯一の情報システム会社として、ガスの調達・輸送・製造・供給、さらにはそこから派生する各種エネルギーソリューションをITで支えています。ライフラインの提供をITの側面で支援する高い社会的使命を担っていることから、平時から有事まで、安心してガスを利用できるよう全面的にサポートしています。

同社の事業部門の一つである導管ソリューション部 GISグループは、ガス管の設備管理のために利用する約40種の地理情報システム(GIS)を開発・運用しています。ガス管の工事からガス漏洩検査など、日常的なガス供給だけでなく防災・保安も担っているため、常に正常に稼働することが求められるシステムです。有事の際にも利用できるよう、稼働確認を早朝に人手で行ってきましたが、システムや業務に関するノウハウを持ち操作できる担当者が限られることから、自動化への要求が高まっていました。

また、システムの機能拡充や半年に1度のWindows 10の大型アップデート時には数千に及ぶテストの実施が必要となりますが、全テストを手作業で実施するための人員確保や品質保証に課題を感じていました。


ツール導入でシステム稼働確認の「作業」と「運用」のどちらも自動化


2016年、同社は現場の業務改善と属人性排除の観点から、システムの稼働確認を自動化できる仕組みを検討し、アシストの提供する機能テスト自動化ツール Unified Functional Testing(以下、UFT)と運用オペレーション自動化ツール Operations Orchestrationを技術検証の後に採用します。両ツールを採用した理由について、同社導管ソリューション部 GISグループ 福島寛登氏は次のように語ります。

福島氏  稼働確認には、ユーザー目線で細かな画面操作を行い機能確認をする「作業」と、「作業」を定期的に自動実行し結果を報告するための「運用」の二つの側面があります。UFTではこの「作業」を自動化できるかどうか検証し、IDとパスワードのハッシュ化、オブジェクトの認識率の高さの二つを高く評価し、採用を決定しました。またOperations Orchestrationは、UFTとの親和性の高さとテンプレートの豊富さがポイントとなり、決まった日時にUFTを実行し、実行した結果をメール通知するなどの「運用」を自動化する用途として導入しました。

そして2016年9月からUFTとOperations Orchestrationの組み合わせでの本格利用を開始。その後、UFTをテスト自動化の領域でも活用できないかという声が上がり、2017年10月よりUFTのテスト自動化用途での導入展開が開始されました。

福島 寛登 氏


UFTによるテスト自動化適用で約10人日/回の工数削減に成功


現在、GISグループにおいてUFTとOperations Orchestrationは日常的に活用されています。稼働確認の自動化は約20システムで行われており、営業日の毎朝午前6時にスケジュール実行され、稼働確認結果が担当者の携帯電話にメールで送られます。2016年の利用開始から約3年、UFTとOperations Orchestrationの組み合わせによる自動化で、約1人月弱/年の省力効果を発揮しています。また、担当者に依存しない確認手法が確立され、障害も早期に発見可能になるという副次的効果も得られました。

小松 正典 氏

一方、UFT単体によるテスト自動化は、UFTで作成済みのテストシナリオを必要なタイミングで実行し、その結果をUFTのレポートで確認するという方法で利用しています。UFTで作成済みのテストシナリオを再利用することで、これまで数千もの工程を手作業で実施していた回帰テストを自動で、且つ迅速に実行することができ、約10人日/回の工数削減に成功。さらには証跡の自動取得やテスト実施漏れ防止など、システム品質の保証と向上にも寄与しました。同社 導管ソリューション部 GISグループ 課長 小松正典氏は、両ツールの導入から運用までのアシストのサポートを次のように語ります。

小松氏  アシストはシステム選定時に詳細な資料を提供してくれるとともに、我々の細かな要望に対して熱心に耳を傾けてくれました。特にアシストオリジナルのOperations Orchestrationテンプレートやそのカスタマイズで支援していただけたことに感謝しています。また、UFTは国内外での導入実績も多く使いやすい点も大変評価しています。


今後はシステムのクラウド移行過程でもテスト自動化を計画


今後は、残るシステムへの稼働確認およびテスト自動化の適用を進めています。またGISグループの中のシステムをクラウド環境へ移行することが決定しており、2019年度から2020年度にかけて、約30システムの移行に着手します。

福島氏  今回はコンテナ技術を利用して、Webサーバのみプライベートクラウド環境に移行します。GUIベースでの変更はなく、UFTで作成した既存のテストシナリオをそのまま利用できるため、テスト期間は多く取っていませんし、実際に短い期間で完了するはずです。これも導入効果の一つですね。今後もサーバーのクラウド化を計画しておりますが、そこでも効果を出せると考えています。

現在同社は、削減された時間で業務の棚卸しを進め、効率化やさらなる業務自動化を検討しています。また、他部門へのUFTとOperations Orchestrationの事例紹介など情報展開も積極的に行っています。今後もシステム品質向上ため、テストや自動化以外でのアシストからの提案にも期待すると、同社は語ります。


  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

本事例でご紹介したお客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 東京ガスiネット株式会社
概要 東京ガスグループ唯一のシステム会社として、約30年に及ぶIT活用のスキルとナレッジに基づいたコンサルティングからシステム開発、インフラ構築・運用・維持管理まで幅広いビジネスを提供しています。
本社 東京都港区浜松町2-3-1 日本生命浜松町クレアタワー
設立 1987年7月1日
資本金 4億円
従業員 743名(2019年4月1日現在)
URL http://www.tg-inet.co.jp/
取材日 2019年11月

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