JP1サポート技術者ブログ

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2021.12.24

【JP1/AJS3】JP1エージェントとは?設定方法や意外と知らない落とし穴について解説!

JP1エージェントとは?設定方法や意外と知らない落とし穴について解説!

JP1の「エージェント」とは

JP1の製品群はマネージャと、エージェントもしくはクライアントの主に2つのソフトウェアで構成されています。※本記事では主に「エージェント」について記載します。

JP1のエージェント製品は、ジョブの実行先や監視対象となるサーバにインストールして、マネージャからの要求で実際に業務を実行したり、情報を返答するといった役割を担います。

マネージャ・エージェント構成イメージ

今回は、意外と知られていないエージェント製品の導入時の注意事項や設定の重要性についてご紹介をします。

JP1のエージェント設定が必要になるシーン

JP1の運用管理システムは、初期導入時にマネージャとエージェント環境を一通り構築すれば、その後のメンテナンスを除いて追加の作業は発生しません。この初期導入を、大規模なシステムであればあるほど、外部ベンダーに作業を委託することが多いのではないでしょうか。その際、ベンダーからスキルトランスファーや手順書などのドキュメント納品が行われるケースもあれば、特にノウハウの共有はなく、構築済みの環境を引き渡して作業完了、というケースもあるようです。

JP1エージェント導入を内製化するお客様が増加

しかし、最近では、自社へのノウハウ蓄積やコスト削減のために、JP1の導入・設定を内製化したいというお客様も増えています。特に、システム追加や拡張で管理対象サーバが増えた時のエージェント製品の導入・設定を、製品マニュアルや既存環境の設定情報などを参考に、自社で実施しているという声は良く聞きます。
さらにエージェント製品はあまり細かな設定をせずとも、インストール後のデフォルト値である程度動作するので作業負荷も低く、運用現場でもあまり抵抗感無く導入作業が進められているのではないでしょうか。

ただ実は、「デフォルト設定のままのエージェント」は危険をはらんでいることがあるのです。

エージェント設定に潜む落とし穴!?

動作に問題がなければ特に意識されないエージェントの設定ですが、実は次のような落とし穴が潜んでいます。

落とし穴1:デフォルトの設定値のままではダメ

例えば、JP1ジョブ管理製品であるJP1/AJS3-Agentやその前提製品であるJP1/Baseの場合、デフォルトの設定値のままだと、保存できるログのファイルサイズが小さかったり、JP1関連プロセスダウン時のエラー通知や自動再起動設定が無効となっています。

<その他デフォルトでは有効にならない主な機能>
・ジョブ定義内容の事前チェック機能
・SNMPトラップ送信抑止機能

エージェント自身がトラブル予防や対策のための様々な機能を持っていても、インストールしただけでは100%その力を発揮できないのです。

落とし穴2:膨大なマニュアルの読み込みが難しい

JP1購入時に、メーカーのマニュアルも提供されるのでマニュアルを読めばエージェントの導入・設定は可能ですし、実際に「できるだろう」と考えるユーザー様もいらっしゃいます。
しかしマニュアルはページ数も文章量も膨大で、エージェントが持つ設定値の意味の理解や適切な値は何なのか?設定した内容がきちんと反映できているのか?それを確認するにはどうすれば良いのか?など、必要な情報を探すのには多くの工数を要します。

このように、単純と思われがちなエージェントの導入作業にも、実は様々な「勘所」が存在しているのです。

エージェントの設定および確認手順

ここで改めて、エージェントをインストール、設定する際の大まかな流れをご紹介します。


STEP1:エージェントをインストールする

インストーラを起動して、あらかじめ指定したパスにインストールをします。

デフォルトではシステムドライブの「ProgramFiles」配下にインストールされるので、任意のフォルダにインストールしたい場合には、この時点で変更する必要があります。

なお、「JP1/AJS3-Agentの前にJP1/Base」、「JP1/Cm2/SSO-Agent for Processの前にJP1/ESA」など、前提製品を踏まえて順番を考慮する必要がある製品もあります。

インストーラーイメージ

画面はWindows版のインストーラーです。
必要な製品を選択して導入しますが、導入の順番に注意する製品があります。

STEP2:エージェントの設定値を変更する

必要な設定値を修正・反映していきます。
マニュアルを見ると多くの設定項目が存在しますが、どういう目的で用意されているパラメータなのか読み解くのも一苦労かと思います。

設定ファイルサンプル

目的によって異なる設定ファイルが、複数存在します。

STEP3:サーバ再起動・動作確認テスト実施

Windowsの場合はサーバを再起動をした後、マネージャと接続確認と動作確認をして、想定通りの動作をしているかを確認します。


エージェント設定の推奨値がわかる「パラメータシート」公開中!

アシストでは内製化志向のお客様向けに、ご自身でエージェントの設定や導入、テストを実施できる、最新版(JP1 V12.5)にも対応したエージェント設定項目パラメータシートとテスト設計書を無償公開しています。
併せて、マネージャー製品のパラメータシートも公開していますので、自社の設定との違いなどもチェックしていただけるかと思います。

どなたでも無償でダウンロードしていただけますので、この機会にぜひお気軽にご覧ください!



製品正式名称(略称表記)

JP1/Base(JP1/Base)
JP1/Automatic Job Management System 3 (JP1/AJS3)
JP1/Cm2/SNMP System Observer-Agent for Process(JP1/Cm2/SSO-Agent for Process)
JP1/Extensible SNMP Agent(JP1/ESA)


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