JP1サポート技術者ブログ

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2024.02.22

【JP1/NNMi】入門編!JP1の基本用語を理解しよう!

入門編!JP1の基本用語を理解しよう!

JP1/NNMiのヘルプやマニュアルを読んでも単語が理解できない、そんなことはありませんか?
本ブログでは、JP1/NNMiのヘルプやマニュアルを読む上で理解しておきたい、JP1の基本用語について解説します。

NNMiコンソールの画面構成

JP1/NNMiコンソール画面は、次のようなエリアから構成されています。
構成を把握しておくことで、マニュアルなどに記載されている項目がコンソール画面のどこに表示されているのか探しやすくなります。

NNMiコンソール画面

JP1/NNMiコンソール画面

ライセンスとユーザー管理

ライセンスキー

JP1/NNMiの使用には、ライセンスキーの適用が必要です。使用するライセンスキーは、お客様側で直接日立パスワードサービスセンターまで申請し入手いただく必要があります。
ライセンスキーを適用しない場合、JP1/NNMiのインストール後60日間でJP1/NNMiが利用できなくなります。


NNMiユーザーグループ(ユーザーロール)

NNMiコンソールに対する操作権限のことです。
ユーザーアカウントにどのNNMiユーザーグループを割り当てるかによって、表示/操作できるワークスペースが異なります。NNMiユーザーグループのことをユーザーロールとも言います。

主なNNMiユーザーグループと、アクセス可能なワークスペースは以下のとおりです。

NNMiユーザーグループ名 アクセスできるワークスペース
NNMi管理者 全てのワークスペース
NNMiレベル2オペレータ ・「NNMiレベル1オペレータ」でアクセスできるワークスペース
・[管理モード]ワークスペース
NNMiレベル1オペレータ
・[インシデントの参照]ワークスペース
・[トポロジマップ]ワークスペース
・[モニタリング]ワークスペース
・[トラブルシューティング]ワークスペース
・[インベントリ]ワークスペース
NNMiゲストユーザー 「NNMiレベル1オペレータ」でアクセスできるワークスペース(読み取り専用権限)

JP1/NNMiのインストール直後には、「system」というシステムアカウントが自動で登録されています。
「system」は、インストールプロセスで使用する特別な管理者アカウントです。
「system」とは別に、NNMiコンソールで「NNMi管理者」に所属するユーザーアカウントを作成してください。

監視対象の登録・管理

ノード

ネットワークに接続されているコンピュータシステムやデバイス(サーバー、プリンタ、ルーター、ブリッジなど)のことです。


検出シード

JP1/NNMiのネットワーク検出を補助するノードのことです。
[設定]ワークスペースの[検出]-[シード]ビューから、検出シードとしてノードを登録すると、そのノードがJP1/NNMiに検出され、監視対象ノードとして登録されます。
JP1/NNMiで検出されたノードは、[インベントリ]ワークスペースの[ノード]ビューから確認できます。


ノードグループ

検出したノードをIPアドレスやデバイス種別などの条件でグルーピングしたものです。
ノードグループを使用することで、複数のノードに対して同一のモニタリング設定を行ったり、ノードグループ単位で監視マップを作成したりできます。
ノードグループの参照や新規作成は、[モニタリング]ワークスペースの[ノードグループ]ビューから行えます。
JP1/NNMiにはデフォルトで複数のノードグループが用意されていますが、管理者が任意のノードグループを作成することも可能です。


管理モード/直接管理モード

ノードやインターフェイス、IPアドレスを監視対象にするかは、下記2種類のモードで指定します。

1.管理モード

ノードには、管理モードを設定します。
管理モードが「管理対象」の場合、そのノードはJP1/NNMiによる監視対象になります。「非管理対象」および「サービス停止中」の場合は、ノードへの監視は行いません。
ノードに設定されている管理モードは、[ノード]フォームで確認および変更できます。
[ノード]フォームは、[インベントリ]ワークスペースの[ノード]ビューでノードをダブルクリックすると表示できます。

ノードフォーム

[ノード]フォーム

2.直接管理モード

ノードに紐づくインターフェイスやIPアドレスには、直接管理モードを設定します。
インターフェイスなどが監視対象となるかどうかは、直接管理モードの値と、ノードの管理モードの値から決定されます。
そのため、ノードの管理モードが「非管理対象」の場合、そのノードの下位に関連付けられたインターフェイスやIPアドレスだけを「管理対象」とするような設定はできません。

インターフェイスフォーム

[インターフェイス]フォーム

ポーリング

ステータスポーリング

JP1/NNMiが監視対象のノード・インターフェイス・IPアドレスに対して定期的に行う死活監視です。


設定のポーリング

JP1/NNMiが監視対象ノードを発見したり、設定や構成の変更を検出したりするために定期的に行う監視です。

基本的なJP1/NNMiの設定

モニタリングの設定

[設定]ワークスペースの[モニタリング]-[モニタリングの設定]では、ネットワーク状態を監視するときの動作を設定できます。監視対象へステータスポーリング(死活監視)を行うかどうか、その際にプロトコルとしてSNMPを使用するか、ICMP(Ping)を使用するか、などを設定します。

[モニタリングの設定]ビュー

[モニタリングの設定]ビュー


通信の設定

[設定]ワークスペースの[通信の設定]ビューでは、SNMPやICMPなどの通信プロトコルに関する設定ができます。
監視対象SNMPエージェントのGetコミュニティ文字列や、SNMPやICMPプロトコルを使用する場合のタイムアウト時間・リトライ回数などを設定します。

[通信の設定]ビュー

[通信の設定]ビュー

インシデント

JP1/NNMiでは、監視対象で発生した事象を検知した際、管理者が把握すべき事象を「インシデント」として通知します。JP1/NNMiのインシデントには下記2種類があります。

1.管理イベント

管理イベントとは、JP1/NNMiからの監視時に生成されるインシデントです。
例えば、ノードの停止を検知した場合に生成される「NodeDown」インシデント(.1.3.6.1.4.1.11.2.17.19.2.0.32)は管理イベントインシデントです。
現在定義されている管理イベントのインシデント定義は、[設定]ワークスペースの[インシデント]-[管理イベントの設定]から確認できます。

[管理イベントの設定]ビュー

[管理イベントの設定]ビュー

2.SNMPトラップ

監視対象機器からのSNMPトラップによって生成されるインシデントです。
例えば、「SNMPLinkDown」インシデント(.1.3.6.1.6.3.1.1.5.3)はSNMPトラップによって生成されるインシデントです。

現在定義されているSNMPトラップのインシデント定義は、[設定]ワークスペースの[インシデント]-[SNMPトラップの設定]から確認できます。
※一部のSNMPトラップについてはあらかじめJP1/NNMiで定義されていますが、MIBファイルをロードすることで、ベンダー固有のSNMPトラップのインシデント定義を設定することもできます。

[SNMPトラップの設定]ビュー

[SNMPトラップの設定]ビュー

  • NNMiコンソールの画面や実際の操作は、JP1/NNMiのバージョンにより多少異なります。

まとめ

2024年最初のブログは、JP1製品の中でも用語がわかりづらい、または混乱しがちなJP1/NNMiに関するJP1用語を取り上げました。JP1のマニュアルやJP1/NNMiのヘルプを参照しても、用語を知らないと理解できない内容も多いかと思います。

本ブログの用語集で「せっかくマニュアルやヘルプを調べたのに意味がわからなかった」が少しでも解消されれば幸いです。

製品正式名称(略称表記) および機能対象バージョン

JP1/Network Node Manager i (JP1/NNMi) 11-00以降
JP1/Cm2/Network Node Manager i (JP1/Cm2/NNMi) 09-00以降


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執筆者情報

2022年入社時よりJP1のサポートセンターにて勤務。
JP1をご利用いただいている方向けに、わかりやすく役に立つ情報を発信してまいります。
趣味は音楽です。学生時代はホルンという楽器を担当していました。

松下 想

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