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2023.01.31

【JP1/SSO】JP1 V12.6新機能 SSOコンソールでユーザリソースを定義するには

【JP1/SSO】JP1 V12.6新機能 SSOコンソールでユーザリソースを定義するには

JP1/SNMP System Observer(JP1/SSO) V12.6の新機能で、SSOコンソールに [ユーザリソース定義作成] 画面が追加されました。

ユーザリソース定義とは

ルーターなどのネットワーク機器のリソースや、JP1/Extensible SNMP Agent(JP1/ESA)では取得できないサーバ固有のリソースデータを取得する場合に使用する機能です。
JP1/SSOで収集するリソース条件をユーザリソースとして定義することで、監視対象機器から任意のMIBを収集し、あらかじめ定義したMIB式で計算した結果を収集・監視できます。

V12.5までは、ユーザリソース定義を行う際、リソースごとに決められた形式でユーザリソース定義ファイルを作成した後、ssocolconfコマンドでユーザリソース設定ファイルに変換する手順が必要でした。
このため、ユーザリソース定義のためにJP1/SSOサーバにログインする必要があったり、定義間違いが発生しやすい、工数が多いなど、不便な点がありました。

V12.6では、SSOコンソールに [ユーザリソース定義作成] 画面が追加されました。これにより、ユーザリソースの定義、変換までをGUIで実施可能になりました。
この新機能には以下のメリットがあります。

 ・Webブラウザの操作で定義するため、ユーザリソース定義のためにJP1/SSOサーバへのログインが不要(※)
 ・各パラメーターごとに入力欄が設けられているため、定義ミスを防ぐことが可能
 ・定義ファイル変換時のコマンド実行が不要

(※)…定義を反映するためにサーバにログインし、関連するJP1/SSOのプロセスを再起動する必要があります。

本記事では、[ユーザリソース定義作成] 画面の使用方法をご紹介します。


[ユーザリソース定義作成] 画面の使用方法

[ユーザリソース定義作成] 画面はSSOコンソールから表示できます。
WebブラウザでSSOコンソールにログインすると、以下の画面が表示されます。

[ユーザリソース定義作成] メニューをクリックすると、[ユーザリソース定義作成] 画面が表示されます。


ユーザリソース定義作成

ユーザリソース定義を行う手順は大まかに以下のとおりです。

 1. ユーザリソースの各定義項目の入力
 2. ユーザリソース設定ファイルの作成
 3. 関連するプロセスの再起動

詳細手順をそれぞれ説明します。


1. ユーザリソースの各定義項目の入力

[ユーザリソース定義作成] 画面で [リソース] のリストボックス横にある [追加] ボタンをクリックすると、各定義項目の入力欄が表示されます。
入力欄にユーザリソースの各定義項目を入力してください。

定義内容はユーザリソース定義ファイルと同様です。
定義内容の詳細は以下のマニュアルをご参照ください。

JP1/SNMP System Observer
7. 定義ファイル
 7.3 SSOの定義ファイル

  7.3.14 ユーザリソース定義ファイル


定義画面のイメージは以下のとおりです。
なお、今回は回線利用量を求める定義を例としてご紹介します。

ユーザリソース定義作成


サブソースMIBオブジェクト


サブリソース


インスタンスMIBオブジェクト


2. ユーザリソース設定ファイルの作成

[ユーザリソース定義作成] 画面下部の [作成] ボタンをクリックし、ユーザリソース設定ファイルを作成します。

ユーザリソース設定ファイル


ここで作成したユーザリソース設定ファイルは、以下のパスに作成されます。

Windowsの場合:
インストールディレクトリ\conf\sso\rsc\リソースカテゴリ名

Linuxの場合:
/etc/opt/CM2/SSO/conf/rsc/リソースカテゴリ名

各ボタンの詳細は以下のとおりです。


項目 説明
 [一時保存]  入力した内容を一時保存します。なお、一時保存をせずに他のメニュー画面を表示して
 再びユーザリソース定義作成画面に戻ると、入力内容がリセットされます。
 [作成]  入力した内容からユーザリソース設定ファイルを作成します。
 [ダウンロード]  入力した内容からユーザリソース定義ファイルを ダウンロードします。
 ssocolconfコマンドの-sオプションに、ダウンロードした ユーザリソース定義ファイルを
 指定することで、 ユーザリソース設定ファイルを作成することも可能です。
 [クリア]  入力した内容をクリアします。
 [リソース] のリストボックスで選択されているリソースの定義内容だけがクリアされます。

定義内容に誤りがある場合は、「定義データに誤りがあります。」というエラーが出力され、誤っている項目が赤色で表示されます。


ユーザリソース定義作成


3.関連するプロセスの再起動

JP1/SSOサーバにログインします。
ssocollectd、ssocolmng、ssorptdのデーモンプロセスを再起動すると、ユーザリソースの定義が反映されます。

 1. ssocollectd、ssorptdデーモンプロセスの停止
  ※ssocollectd停止時に、ssocolmngデーモンプロセスも停止されます。

   > ssostop ssocollectd
   > ssostop ssorptd

 2. 停止したデーモンプロセスの開始

   > ssostart ssocollectd
   > ssostart ssocolmng
   > ssostart ssorptd

[ユーザリソース定義作成] 画面を使用する場合の注意事項

[ユーザリソース定義作成] 画面を使用する場合、以下の注意事項があります。

・[ユーザリソース定義作成] 画面でのユーザリソース設定ファイルの作成と、ssocolconfコマンドでの
 ユーザリソース設定ファイルの作成を同時に行わないでください。

・[ユーザリソース定義作成] 画面を使用する場合、SSOコンソールにログインするユーザーには
 管理者権限が必要です。

・[ユーザリソース定義作成] 画面ではユーザリソース定義の削除・変更はできません。
 従来どおり、該当するユーザリソース設定ファイルの削除、再作成にてご対応ください。

・[ユーザリソース定義作成] 画面はSSOコンソールからのみ表示できます。
 Windowsの [スタート] メニュー、またはssoguistartコマンドから起動できるウィンドウでは
 使用できません。

まとめ

SSOコンソールに [ユーザリソース定義作成] 画面が追加されたことで、ユーザリソースの定義から、ユーザリソース設定ファイルの作成までの一連の作業をGUIでまとめて実施可能になりました。

ユーザリソース定義は使いこなすことで様々なサーバやネットワーク機器の監視が行えるようになる便利な機能です。
定義ファイルの作成手順は今回の新機能により簡易化されましたので、JP1/ESAが対応していないサーバや各種機器の監視が必要な場合は、ぜひ一度ユーザリソース定義をお試しください。


製品正式名称(略称表記)および機能対象バージョン

  JP1/SNMP System Observer (JP1/SSO) 12-60以降
  JP1/Extensible SNMP Agent (JP1/ESA) 09-00以降


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執筆者情報

岩井 美由希

2019年入社時よりJP1のサポートセンターにて勤務。2021年よりお客様向けの研修講師も担当しています。お客様からよくいただくご質問等をもとに、JP1のお役立ち情報を発信したいと思います。
大阪在住。日本酒と猫が好きです。

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