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2023.05.16

【JP1/IM】JP1初心者向け!ログファイル監視の設定方法を解説(後編)

【JP1/IM】JP1初心者向け!ログファイル監視の設定方法を解説(後編)

本記事では、前編・後編に分けてJP1でのログファイルトラップ設定方法について解説します。前編では、JP1/Baseのコマンドを使用した設定方法について解説しました。後編では、JP1/Integrated Management(JP1/IM)のIM構成管理を使用した設定方法について解説します。

JP1/Baseによるログファイルトラップの設定方法(前編)を確認する

なお、JP1/IM と JP1/Baseのバージョンは11-10以降の画面を例示しています。
バージョン11-01以前の場合、プロファイル管理の挙動に違いがありますので、ご注意ください。

【参考マニュアル】プロファイル管理の詳細

JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド
 7. IM構成管理によるシステムの階層構成の管理
   7.5 プロファイルの管理

目次


【IM構成管理】ログファイルトラップの設定

ここでは、IM構成管理を使用した設定手順を説明します。前提として、次の条件を満たす必要があります。

 ・IM構成管理をセットアップしている。
 ・IM構成管理への監視対象となるホストの登録と、システム階層構成の定義がされている。
 ・IM構成管理でホスト情報が収集済みである。
 ・監視対象のホスト側に、ログファイルが存在している。

​【参考マニュアル】IM構成管理セットアップの詳細

JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド
 1. インストールとセットアップ(Windowsの場合)
  - 1.4 IMデータベースの構築(Windowsの場合)

 2. インストールとセットアップ(UNIXの場合)
  - 2.4 IMデータベースの構築(UNIXの場合)

<ログファイルトラップ設定手順>
1.スタートメニューから[JP1_Integrated Management2 - View]-[構成管理]を選択して、『IM構成管理』画面を開きます。

2.『IM構成管理』画面で[IM構成]タブをクリックします。監視対象のサーバを右クリックして、[プロファイル表示]を選択します。

3.『プロファイル表示/編集』画面で[JP1/Base]を右クリックして、[排他編集設定]を選択します。

4.[ログファイルトラップ情報]を右クリックして[プロファイル追加]を選択します。

5.『プロファイル追加』画面で、任意の監視名を設定し、[OK]ボタンをクリックします。ここでは例として監視名に「ERROR_LOG」を設定します。

6.[起動オプション]と[設定内容]を設定します。

編集例
SEQ形式のシーケンシャルファイルを対象とし、文字列「E-APP」を含むメッセージが出力されたとき、重大度をエラー、イベントIDを「00000999」のイベントに変換

設定項目 内容 編集例
起動オプション 監視ログファイル名 監視対象ログファイル名を指定します C:\log\test.log
追加オプション jevlogstart(監視開始コマンド)の
オプションを指定します
-
設定内容 パラメータを使って
監視条件を指定します
FILETYPE=SEQ
ACTDEF=<Error>999 "E-APP"

代表的な設定パラメータ

パラメータ 説明 構文
FILETYPE 読み込むログファイルの形式を指定します FILETYPE={ SEQ | SEQ2 | SEQ3 | WRAP1 | WRAP2 | HTRACE | UPD }
RECTYPE ログファイルのログの区切りを指定します。省略した場合は、可変長で「\n」が1行の区切りとなります RECTYPE={ VAR { ’\n’| ’1行の終了文字’ | ’1行の終了記号’} | FIX レコード長 }
MARKSTR 監視の対象外にしたい文字列を指定します MARKSTR="文字列"
ACTDEF 発行するJP1イベントの重大度およびイベントID、監視対象の文字列を指定します ACTDEF=<重大度>イベントID "文字列"

【参考マニュアル】jevlogstartコマンドのオプション詳細

JP1 Version 12 JP1/Base 運用ガイド
 15. コマンド
   - jevlogstart

【参考マニュアル】設定パラメータの詳細

JP1 Version 12 JP1/Base 運用ガイド
 16. 定義ファイル
   - ログファイルトラップ動作定義ファイル

7.[設定内容の保存/反映]項目の、[反映内容]が[反映する]に選択されていることを確認し、[実行]で設定を反映します。

[反映する]を選択した場合は以下の確認メッセージが表示されるので、[はい]をクリックすると、監視対象のサーバに設定内容が反映されます。

ポイント

[保存する]を選択した場合は、設定内容はJP1/IMサーバにのみ保存され、監視対象のサーバには反映されません。

IM構成管理でのログファイルトラップ設定手順は以上です。設定後は、ログファイルトラップを起動してください。

【IM構成管理】ログファイルトラップ起動・停止・自動起動設定

​IM構成管理の画面から、ログファイルトラップを起動・停止・自動起動する設定について説明します。本設定には、「監視対象のサーバでJP1/Base LogTrapサービスが起動している」という前提条件があります。

<起動・停止手順>
1.スタートメニューから[JP1_Integrated Management2 - View]-[構成管理]を選択して、『IM構成管理』画面を開きます。

2.『IM構成管理』画面で[IM構成]タブをクリックします。監視対象のサーバを右クリックして、[プロファイル表示]を選択します。

3.『プロファイル表示/編集』画面で[JP1/Base]を右クリックして、[排他編集設定]を選択します。

4.『プロファイル表示/編集』画面でログファイルトラップの監視名を右クリックし、監視を開始したい場合は[プロセス起動]、停止したい場合は[プロセス停止]を選択します。

ポイント

プロセス起動をすると、監視名が活性化します。

プロセス停止をすると、監視名がグレーアウトします。

​<自動起動設定手順>
監視対象サーバが再起動したとき、または監視対象サーバのログファイルトラップサービスが再起動したときに、ログファイルトラップを自動で起動するかどうかを設定できます。

1.スタートメニューから[JP1_Integrated Management2 - View]-[構成管理]を選択して、『IM構成管理』画面を開きます。

2.『IM構成管理』画面で[IM構成]タブをクリックします。監視対象のサーバを右クリックして、[プロファイル表示]を選択します。

3.『プロファイル表示/編集』画面で[JP1/Base]を右クリックして、[排他編集設定]を選択します。

4.[プロファイル表示/編集]画面の[起動オプション]の[ログファイルトラップサービスが起動したときに自動でプロセス起動する]チェックボックスで指定します。

※[ログファイルトラップサービスが起動したときに自動でプロセス起動する]チェックボックスは、JP1/IM - Managerサーバのバージョンが11-10以降かつ監視対象サーバのJP1/Baseのバージョンが11-10以降の場合で、共通定義情報のLOGFILETRAP_AUTO_START_CONTROLが00000001(有効)のときだけ表示されます。

5.[設定内容の保存/反映]項目で、[反映する]を指定し[リロード]もしくは[再起動]を選択したうえで[実行]を選択します。

【IM構成管理】ログファイルトラップの設定変更

​既に設定されている内容を変更する場合の手順を説明します。

<設定変更手順>
1.スタートメニューから[JP1_Integrated Management2 - View]-[構成管理]を選択して、『IM構成管理』画面を開きます。

2.『IM構成管理』画面で[IM構成]タブをクリックします。監視対象のサーバを右クリックして、[プロファイル表示]を選択します。

3.『プロファイル表示/編集』画面で[JP1/Base]を右クリックして、[排他編集設定]を選択します。

4.[ログファイルトラップ情報]を展開して監視名を選択します。

5.変更した項目により、反映方法が異なります。

・MARKSTRまたはACTDEFパラメータを変更した場合、[反映する]を指定し[リロード]または[再起動]を選択したうえで[実行]を選択します。
・MARKSTRまたはACTDEFパラメータ以外を変更した場合、[反映する]を指定し[再起動]を選択したうえで[実行]を選択します。

ポイント

[保存する]を選択した場合は、設定内容はJP1/IMサーバにのみ保存され、監視対象のサーバには反映されません。プロセスが停止している場合は、[ファイルの送付]を選択します。

[設定内容の保存/反映]項目の内容
反映内容 反映する 変更内容を監視対象のサーバに反映する場合に指定
保存する 変更内容をJP1/IMサーバに保存する場合に指定
反映方法 リロード MARKSTR、ACTDEFパラメータを変更した場合に指定
再起動 MARKSTR、ACTDEF以外のパラメータを変更した場合に指定

【参考マニュアル】設定ファイル反映の詳細

JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド
 3. IM構成管理によるシステムの階層構成の設定

【参考マニュアル】反映操作の詳細

JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 画面リファレンス
 5. IM構成管理の画面

設定したログファイルトラップをJP1イベントで確認する

監視対象のログファイルにログが書き込まれた後、設定した文字列でトラップされ、JP1/IMに通知されることをご確認ください。

よくあるお問い合わせ

Q:どのような形式のログファイルを監視できますか?

A:監視できるログファイルの形式は以下の7つです。

・シーケンシャルファイル(SEQ)
・シーケンシャルファイル(SEQ2)
・シーケンシャルファイル(SEQ3)
・ラップアラウンドファイル(WRAP1)
・ラップアラウンドファイル(WRAP2)
・マルチプロセス対応トレースファイル(HTRACE)
・UPDタイプのログファイル(UPD)

※シーケンシャルファイル(SEQ3)、UPDタイプのログファイル(UPD)はバージョン10以降で対応しています。

【参考マニュアル】

JP1 Version 12 JP1/Base 運用ガイド

Q:監視できない形式のログファイルはありますか?

A:以下のようなファイルはログファイルトラップで監視できません。

・ネットワークファイル
共有フォルダなどのファイルを対象とした場合、ネットワークの障害や遅延の際に動作を保証できません。

・排他制御されるファイル
ログファイルトラップは、ログファイルを読み込みモードで開きます。読み込みモードでログファイルへアクセスできない場合は監視できません。

Q:IM構成管理とJP1/Baseのコマンドでの設定は、どちらを使った方が良いでしょうか?

A:それぞれの方法で管理できるログトラップの最大件数が異なるため、環境に応じて選択してください。

IM構成管理では、一つのホストで管理できるログファイルトラップの最大件数が100件。JP1/Baseの設定では、ログファイルトラップ起動定義ファイルで指定できるログファイルトラップの最大件数が200件となっています。
もし監視対象のログファイルが100件より多くなる場合は、JP1/Baseで設定してください。
また、IM構成管理の場合、マネージャーからGUI画面上で設定・反映することができます。JP1/Baseのコマンドから設定する際は、監視対象のホストにログインして設定する必要があり、設定後にはリロードコマンドなどの実行が必要になります。操作面としては、IM構成管理を使用した方が、管理しやすいと言えます。

まとめ

JP1/IMのIM構成管理を使用したログファイルトラップの設定方法をご紹介しました。従来はJP1/Baseコマンドのみで設定可能でしたが、IM構成管理のGUI画面を使用できるため、コマンドを知らなくても簡単に設定できるようになりました。JP1/Baseコマンドを使用して設定している環境の場合は、どちらを使うか改めて見直してみても良いかもしれません。もし見直しを検討される場合は、運用が複雑になるのを防ぐために、併用せずにどちらかの方法に統一することをお勧めします。

製品正式名称(略称表記) および機能対象バージョン

JP1/Integrated Management (JP1/IM) 09-00以降
※本記事ではJP1/IM2 (バージョン12以降) もJP1/IMと表記しています。


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執筆者情報

2022年7月に中途入社。JP1のサポートセンターにて勤務。分かりやすい回答をご案内できるように心掛けています。2023年4月より本ブログ記事を担当することになりました。
趣味は旅行です。特に京都が好きで、よく行きます。

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