ナレッジが循環して社員が成長する!アシストが実践する、ナレッジ中心のデジタルワークスタイル変革
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公開日:2025年7月15日
「働き方改革」や「DX推進」が叫ばれて久しい昨今。多くの企業ではリモートワーク環境やデジタルツールを導入したものの、「思うように生産性が上がらない」「社内のコミュニケーションが希薄になった」「優秀な人材が定着しない」といった新たな課題に直面しているのではないでしょうか?
業務を行う「場所」のデジタル化だけでは、企業の成長は加速しません。
私たちが本当に目指すべきは、単なる「デジタルワークプレイス」の構築ではなく、その先にある「デジタルワークスタイル変革」です。
それは、デジタル化された環境を土台に、社員一人ひとりの知識や経験、すなわち「ナレッジ」が組織の壁を越えて循環し、誰もが会社の財産にアクセスできる状態を指します。そして、そのプロセスを通じて社員が成長を実感し、エンゲージメントが高まることで、企業全体の価値が向上していくのです。
本記事では、私たち株式会社アシストが全社で取り組み、大きな成果を上げた「デジタルワークスタイル変革」の具体的な道のりと成功の秘訣を、現場社員の声と共にご紹介します。
「ワークプレイス」から「ワークスタイル」へ。変革の本質とは
まず、「デジタルワークプレイス」と「デジタルワークスタイル」、それぞれの変革の違いを明確にしておきましょう。
デジタルワークプレイス変革
リモートワークの進展に伴い、いつでもどこでも業務ができる環境のことです。これは業務プロセスのデジタル化によって実現される、「働く場所」の変革を指します。
デジタルワークスタイル変革
デジタル化された環境の上で、誰もが組織のナレッジに容易にアクセスし、双方向のコミュニケーションを通じて新たな知恵を生み出すことを目指します。社員一人ひとりの知恵が会社全体で循環し、個人の成長が組織力の最大化、ひいては企業価値の向上へと繋がる。この好循環を文化として根付かせることこそ、アシストが考える「働き方」そのものの変革です。
しかし、多くの日本企業では、こうした理想的なナレッジ共有が実現していません。IPAの調査によれば、「社内の風通しがよく、情報共有がうまくいっている」と回答した企業は、わずか19.2%に留まっています(※1)。
- ※1
- IPA「DX動向2024 進む取組、求められる成果と変革」による
デジタル化の先にある「真の価値」
アシストが考える「デジタルワークスタイル変革」は、クラウドやSaaSを活用して、いつでもどこでも働ける環境を整える
「デジタルワークプレイス」から、さらに一歩踏み込んだものです。
真の価値は、整備された基盤の上で、
「人とナレッジがいかにして結びつくか」
「そして、それがいかに個人の、ひいては企業の成長に貢献できるか」
にあると考えています。
- 一人ひとりのノウハウが、個人の引き出しから組織全体の共有財産へと変わる
- 情報発信が一部の社員に偏らず、誰もが発信者・受信者となる双方向のコミュニケーションが生まれる
- ナレッジの循環によって社員が成長を実感し、エンゲージメントが高まる
- その結果、組織力が最大化され、お客様への提供価値が向上する
この好循環を持続的に生み出す文化こそ、予測困難なVUCA(※2)の時代を勝ち抜く鍵なのです。
- ※2
- VUCA:Volatility (変動性)、Uncertainty (不確実性)、Complexity (複雑性)、Ambiguity (曖昧性)の頭文字をとった造語
関連記事 VUCA時代に求められる知識をベースにした組織を超えた人のつながり「Internet of Knowledge」
多くの企業が直面する「5つの壁」と、
乗り越えるための「3つの要素」
しかし、理想の実現は容易ではありません。多くの企業には、ナレッジの共有を阻む「壁」が存在します。
文化の壁 | ナレッジは個人のものという意識が強く、共有文化が根付いていない |
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組織の壁 | 事業部や部門間の縦割り意識が、横断的な連携を阻害している |
コミュニケーションの壁 | 社内の対話が不足し、情報が円滑に伝わらない |
情報過多の壁 | 情報が溢れすぎ、本当に価値あるナレッジが埋もれてしまう |
共有手段の壁 | 適切なツールがない、または使い勝手が悪く、情報が散逸している |
これらの壁を乗り越えるには、3つの要素が不可欠だとアシストは考えます。
1. 変革への意志 | 経営層から現場まで、ナレッジの循環が会社の成長に繋がるという強いマインドを持つこと |
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2. ツールの活用 | 誰もが「使いたい」と思える、直感的で効果的なツールを導入すること |
3. 推進施策 | 部門横断の推進チームが中心となり、ツールの定着や成功事例の横展開を継続的に行うこと |
この三位一体の取り組みが、アシストの働き方を劇的に変えました。
アシスト社員が体感した「働き方のリアルな変化」
理屈だけでは、変革のイメージは掴みにくいかもしれません。ここでは、アシストが導入したナレッジプラットフォーム「Panopto(社内版YouTube)※3」と「Glean(社内版Google、生成AI搭載の横断検索エンジン)※4」によって、社員の働き方がどう変わったのか、具体的な事例をご紹介します。
Case 1
育休からの復帰もスムーズに。動画が情報格差を解消
(インサイドセールス・西木 入社13年目)

「1人目と2人目の育休から復帰した時とでは、立ち上がりのスムーズさが全く違いました。その差は、社内に動画のナレッジ基盤(Panopto)が浸透していたかどうかです。復帰後は、通勤時間や業務の合間に、製品知識や業界動向に関する短い動画を倍速で視聴してキャッチアップできました。おかげで、情報から取り残される不安もなく、わずか3日でスムーズに業務へ戻れたのです。」

動画は、時間や場所の制約なく情報を得られるだけでなく、「誰が」「どんな想いで」話しているかというニュアンスまで伝えます。これにより、育児や介護などで時間に制約のある社員も、情報格差を感じることなく安心して働き続けられます。
Case 2
生成AIがOJT担当に?若手営業を加速させる新しい武器
(アカウント営業・高木 入社2年目)

「お客様から『DX人材の育成』という難しいテーマをいただいた時、以前なら先輩を捕まえて質問攻めにしていたでしょう。しかし今は、まず生成AI搭載の横断検索エンジン(Glean)に相談します。『お客様の業種や課題を伝え、アシストとしてどんな提案ができますか?』と問いかけると、社内の過去の提案書や活動報告などを瞬時に要約し、具体的な提案の切り口や想定問答まで示してくれます。おかげで、経験の浅い私でも、質の高い仮説を持ってお客様に臨めるようになりました。」





Gleanは、社内のあらゆるシステムを横断検索し、必要な情報を個人に合わせて提示します。さらに、生成AIとの対話を通じて思考を整理し、次のアクションを具体化できる、まさにいつでも相談できる「AIのOJT担当」です。これが若手社員の立ち上がりを早め、営業全体の提案の質を底上げしています。
Case 3
若手育成の常識を変えた、マネージャーの挑戦
(営業マネージャー・安田 入社10年目)

「私が入社した10年前、複雑な製品ルールを覚えるには分厚い資料を読むしかなく、多くの人の時間を奪ってしまったと感じます。今では、新人や中途社員向けの育成プログラム『アシスト独自の大学院』のコンテンツが動画で整備され、自律的に学習を進められる環境があります。最近入社したIT未経験の中途社員が、わずか数ヵ月で即戦力として活躍している姿を見ると、環境の変化を実感しますね。」



安田が推進する「大学院」では、ナレッジプラットフォームが教育の仕組みに組み込まれています。例えば、ロールプレイング試験を録画し、受講生自身が客観的に自分の癖を把握したり、複数の先輩が多角的に評価したりすることで、公平で質の高いフィードバックを可能にしています。ナレッジプラットフォームは、個人の業務効率化だけでなく、組織的な人材育成のあり方も変革しているのです。
Case 4
経営層が語る「工夫の横展開」こそ企業価値の源泉
(執行役員 営業本部長・池松)

「アシストの財産は『人』であり、社員一人ひとりがお客様のために凝らす『工夫』こそが私たちの価値の源泉です。以前は、そうした貴重な工夫が個人の経験談で終わることも少なくありませんでした。しかし今、共通のプラットフォームができたことで、ある営業の成功体験が、瞬く間に全社のナレッジとして横展開されるようになりました。この『工夫の横展開』が社員の成長を促し、会社の持続的な成長に繋がっていると強く実感しています。」

全社に広がる変革の効果は、年間1.7億円!?
こうした取り組みは、一部の社員だけのものではありません。アシストでは全社的にナレッジ活用の文化が根付き、具体的な成果に表れています。
動画プラットフォーム (Panopto) |
総登録動画数約4.8万本、総視聴時間は約217万時間(※5)に達し、 あらゆるナレッジが動画で流通しています。 ※5 2025年4月現在 |
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生成AI搭載の横断検索エンジン (Glean) |
6割の社員が1日に5回以上利用しており、情報検索時間を大幅に短縮。 その効果は年間約1.7億円と試算されています。 |




しかし、本当の価値は数字だけでは測れません。従業員アンケートでは、「本来やるべき本質的な業務に集中できるようになった」「部署や役職に関係なく、気軽に質問できるようになった」といった声が多数寄せられており、定量的な効果以上に、働きがいの向上という定性的な効果を多くの社員が実感しています。
まとめ:変革への一歩を踏み出すために
ここまで、アシストが実践してきた「デジタルワークスタイル変革」の道のりをご紹介しました。育児と仕事を両立する社員、成長途上の若手、彼らを育てるマネージャー、そして経営層。それぞれの立場で、ナレッジの循環がいかに働き方と意識を、ひいては企業文化そのものを変えてきたか、その一端を感じていただけたのではないでしょうか。
皆様の組織では、いかがでしょうか。
- 貴重なノウハウや成功体験が、特定の個人の引き出しに眠っていませんか?
- 若手社員が、「誰に何を聞けばいいか分からない」と立ち上がりに苦労していませんか?
- 繰り返される社内からの問い合わせ対応に、貴重なリソースが割かれていませんか?
もし一つでも当てはまるなら、それは変革の好機です。人材不足が深刻化し、変化への俊敏性が求められる今、デジタルワークスタイル変革はすべての企業にとって不可欠な経営戦略と言えます。
「そうは言っても、何から始めれば…」「アシストのようなIT企業だからできたのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、成功の鍵は高度なITスキルではなく、「変革への強い意志」と、それを支える「適切なツール」、そして文化として根付かせる「継続的な推進施策」、この3つを揃えることです。
アシストでは、ツールを提供するだけでなく、各部門に推進役となるアンバサダーを置き、成功事例の共有コンテストを開催するなど、全社を巻き込む「仕掛け」を数多く実践してきました。

あなたの組織にも、まだ光の当たっていない素晴らしいナレッジが眠っているはずです。それを掘り起こし、磨き上げ、みんなの財産に変えていく。アシストは、皆様の変革における「伴走者」でありたいと考えています。自社での成功体験と多くのお客様をご支援してきた経験を基に、皆様の組織文化や課題に合わせた最適な一歩をご提案します。
未来を創るのは、循環するナレッジと、そこで成長する「人」の力です。
この記事が、皆様にとって新たな挑戦へのきっかけとなれば幸いです。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお声がけください。
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