Citrixサポートブログ

  • トラブルシューティング
2018.12.28

Citrix XenAppに管理者権限のないユーザでリモートデスクトップ接続に失敗する場合の対処方法

Citrix XenAppに管理者権限のないユーザでリモートデスクトップ接続に失敗する場合の対処方法

こんにちは。Citrix製品のサポートを担当している川東(かわひがし)です。

Citrix XenApp(※現在の製品名はCitrix Virtual Apps)で以下の問題が発生した場合、リモートデスクトップ接続で再現するかどうかを確認したい場合があると思います。

  • 製品名の変更の詳細はこちら をご参照ください。

  • ローカル上で実行した場合は問題ないが、公開アプリケーションで実行した場合問題がある
  • 公開アプリケーションのNotepadは起動ができるのに、業務アプリケーションは起動に失敗する
確認方法のイメージ

そこで、再現するかどうかを確認するために公開アプリケーションを起動したユーザーアカウントでXenAppサーバにリモートデスクトップ接続をしてみると接続が出来ません。これは、XenAppをインストールした場合の正常な動作です。本記事はこちらの対応方法をご紹介します。

<備考>
リモートデスクトップ接続の再現性を確認することは、「公開アプリケーションの画面表示がおかしい場合の問題切り分け方法」の記事や「Citrix XenApp/XenDesktopの問題発生時に原因を絞る5つの方法」の記事でも簡単に紹介していましたが、確認するために必要な設定を画面ショット付きの手順でご紹介します。


ご紹介:ブログ記事のカテゴリ別一覧ページ

公開済みの記事をカテゴリ別に一覧したページを作成しました。公開されている記事を探す際のご参考にして頂けますと幸いです。
【Citrixサポートブログ】カテゴリ別の記事一覧


目次

リモートデスクトップ接続の再現性確認が必要な理由
管理者権限がないアカウントでXenAppサーバにリモートデスクトップ接続をするための設定
 ・XenApp 7.xの設定手順 
 ・XenApp 6.5 の設定手順


リモートデスクトップ接続の再現性確認が必要な理由

XenAppは、Windowsのリモートデスクトップサービスのアドオンソフトになります。

  • 公開アプリケーションを起動する場合は、Citrix のライセンスとリモートデスクトップサービスのライセンス(RDSCAL)が消費されます。
レイヤーイメージ

リモートデスクトップ接続のセッション上でアプリケーションの起動ができない場合は、XenAppの公開アプリケーションの起動もできません。そのため、リモートデスクトップ接続で問題の再現性を確認することで、リモートデスクトップサービス側に問題があるか、XenApp側に問題があるかを切り分けることができます。リモートデスクトップ接続でも再現する場合は、問題が発生するアプリケーションがリモートデスクトップ環境
に対応しているかどうか等の確認が必要になります。


管理者権限がないアカウントでXenAppサーバにリモートデスクトップ接続をするための設定

リモートデスクトップ接続で動作確認する際に特に注意して頂きたことは、公開アプリケーションの起動に失敗したユーザーアカウントと同じアカウントでリモートデスクトップ接続をすることです。しかし、XenAppをインストールすると、管理者権限がないユーザーアカウントでリモートデスクトップ接続してもログインができないように制御されます。管理者権限がないアカウントで確認する場合は、次項で紹介する設定変更が必要です。XenApp7.x の設定と、XenApp6.5の設定をそれぞれご紹介します。


XenApp 7.xの設定手順

以下は、Windows Server 2016 にインストールしたXenApp 7.15 LTSR CU3 の環境で採取した画面になります。XenApp7.x の他のバージョンも同様の手順になります。


※2020/03/30に手順を更新しました。こちらの手順1にて、クライアント端末からリモートデスクトップ接続ができない場合は、手順2以降をお試しください。

1.Virtual Delivery Agent がインストールされているサーバ上で、Windows の「管理ツール」-「コンピュータの管理」を開きます。「ローカルユーザとグループ」-「グループ」から「Direct Access Users」のプロパティ画面を開き、動作確認をするユーザーアカウントを追加してください。

XenApp7.x_手順9

手順1にてクライアント端末からリモートデスクトップ接続ができない場合は、手順2以降をお試しください。

2.Citrix Studio を開きます。ポリシーの編集をクリックします。

XenApp7.x_手順1

3.検索ボックスに「デスクトップの起動」と入力すると「デスクトップの起動」が表示されます。「選択」をクリックします。

XenApp7.x_手順2

4.「許可」を選択後、「OK」をクリックします。

XenApp7.x_手順3

5.次へをクリックします。

XenApp7.x_手順4

6.任意の割り当て先を設定します。以下は、動作確認するユーザーアカウントに対してポリシー設定の割り当てをしています。

XenApp7.x_手順5

7.任意のポリシー名を設定して「完了」をクリックします。

XenApp7.x_手順6

8.こちらは必須の作業ではございませんが、必要に応じて作成したポリシーの優先度を上げてください。

XenApp7.x_手順7

9.作成したポリシーを有効化します。

XenApp7.x_手順8

10.Virtual Delivery Agent がインストールされているサーバ上で、Windows の「管理ツール」-「コンピュータの管理」を開きます。「ローカルユーザとグループ」-「グループ」から「Direct Access Users」のプロパティ画面を開き、動作確認をするユーザーアカウントを追加してください。

XenApp7.x_手順9

11.コマンドプロンプトを開き、”gpupdate /force” を実行します。

こちらの手順を実施後もリモートデスクトップ接続に失敗する場合は、Notepadを公開アプリケーションとして登録して頂き、こちらの公開アプリケーションを起動した後、再度、リモートデスクトップ接続を試してください。


XenApp 6.5 の設定手順

1.AppCenter にて、画面左枠の「ポリシー」ノードをクリックします。画面中央の[ポリシー]画面にて「ユーザー」タブを開き「新規」ボタンをクリックします。

XenApp6.5_手順1

2.任意の名前を設定後、「次へ」をクリックします。

XenApp6.5_手順2

3.検索ボックスに「デスクトップの起動」と入力すると、「デスクトップの起動」が表示されます。こちらの「追加」をクリックします。

XenApp6.5_手順3

4.「許可」を選択後、「OK」をクリックします。

XenApp6.5_手順4

5.「次へ」をクリックします。

XenApp6.5_手順5

6.任意の割り当て先を設定します。以下は、動作確認するユーザーアカウントに対してポリシー設定の割り当てをしています。「次へ」をクリックします。

XenApp6.5_手順6

7.「作成」をクリックします。

XenApp6.5_手順7

8.こちらは必須の作業ではございません。必要に応じて作成したポリシーの優先度を上げてください。

XenApp6.5_手順8

9.リモートデスクトップ接続をするXenAppサーバ上でコマンドプロンプトを開き、”gpupdate /force”
を実行します。


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まとめ


  • XenAppはリモートデスクトップサービスのアドオンソフトのため、特定の公開アプリケーションのみ起動しない場合は、リモートデスクトップ接続のセッション上で起動できるかどうかの確認が問題切り分けに効果的です。
  • XenAppをインストールすると、管理者権限のないユーザーアカウントでリモートデスクトップ接続してもログインができないため、設定変更が必要です。

いかがでしたか?原因がどこにあるか切り分けることで、早く問題を解決できるようになります。
公開アプリケーションの起動に失敗する場合、まずは、リモートデスクトップ接続でログイン後に該当のアプリケーションが起動できるかどうかを試してみてください!
次回は、特定のクライアント端末で、Citrix Receiver for Windowsのエラーが出る場合に試していただきたいクリーンアンインストールの方法をご紹介します。


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筆者情報:川東健吾

アシストに入社し、テスト系製品のカスタマーサポートを担当後、現在はCitrix製品を担当しています。XenAppとXenDesktopのトラブルシューティングや運用に役立つ情報を、長年のサポート対応の視点で分かりやすくお伝えしていきます。
学生時代から続けている映像制作の趣味の延長で、Citrixトラブシューティング入門動画も制作しました。こちらからご視聴頂けます。

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