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2024.04.03

Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR の新規インストール手順の一例(Citrix Workspace app)

【Citrix Virtual Apps and Desktops】Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR の新規インストール手順の一例(Citrix Workspace app)

こんにちは。Citrix製品のサポートをしている宇津見です。

メーカの長期サービスリリース(LTSR)の最新バージョンとして、Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR がリリースされています。
こちらは、XenApp / XenDesktop 7.15 LTSR、Citrix Virtual Apps and Desktops 7 1912 LTSR の後継バージョンとなります。

今回は6部構成でCitrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR の新規インストールをする際の手順をご紹介します。検証環境構築時の参考にしていただけますと幸いです。

※XenApp / XenDesktop 製品名の変更について、詳細はこちら をご参照ください。


関連記事:構成例とライセンスについては、以下の記事をご参照ください。XenAppの記事となりますが、構成に大きな変更はございません。

XenApp/XenDesktopの構成例(1) ~コンポーネント紹介~
XenApp/XenDesktopの構成例(2) ~3つの構成パターンと構成上の注意点~
Citrixで必要なライセンスについて


以下の6部構成の記事になります。

1.Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR の新規インストール手順の一例(事前準備)
2.Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR の新規インストール手順の一例(管理コンポーネント)
3.Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR の新規インストール手順の一例(StoreFront)
4.Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR の新規インストール手順の一例(Virtual Delivery Agent)
5.Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSRの新規インストール手順の一例(マシンカタログとデリバリグループの作成)
6.Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSRの新規インストール手順の一例(Citrix Workspace app)

今回は、上記「6」のCitrix Workspace appのインストールに関する内容です。

目次


本記事で使用した検証環境のイメージ図

本記事で使用した検証環境のイメージ図は以下になります。

クライアント端末側のOSは Windows 10 22H2 バージョン1904、サーバ側のOSはWindows Server 2022 を使用しています。

Citrix Workspace appは、Citrix Receiverの後継製品となります。機能の追加等ありますが、基本的な動作はCitrix Receiverと同様のものになります。

今回は、Citrix Workspace appから直接公開アプリケーションを起動するWorkspace app接続用の端末と、ブラウザから公開アプリケーションを起動するWeb接続用の端末2台で作業を行います。
※1台のクライアント端末でWorkspace app接続とWeb接続の両方を使用することも可能です。


事前準備

公開アプリケーションの起動には、Citrix Workspace appのインストールの他に下記AからDまでの対応が必要となります。以下の内容を事前に確認してください。

A. 本記事ではLAN環境で動作確認をすることを想定しています。必要に応じて、Windowsインターネットオプションのプロキシ設定にて、StoreFrontサーバとVDAサーバのFQDNとIPアドレスを例外設定に追加してください。

B. SmartScreen をオフにします。以下は参考手順です。

B-1. Windows スタートメニューの赤枠の設定アイコンをクリックします。


B-2. 「更新とセキュリティ」をクリックします。


B-3. 左サイドメニューの「Windowsセキュリティ」を選択し、「アプリとブラウザーの制御」をクリックします。


B-4. 「アプリとフブラウザーコントロール」から「評価ベースの保護設定」をクリックします。


B-5. 「アプリとファイルの確認」、「Microsoft Edge のSmartScreen」をオフにします。


C. Windows インターネットオプションにて、信頼済みサイトにストアのベースURLを登録します。

※ストアのベースURLは、Citrix Studio にて「StoreFront」-「サーバーグループ」を開くと確認できます。StoreFront管理コンソールからも同様に確認できます。こちらのURLを変更したい場合は、右サイドメニューの「ベースURLの変更」にて変更してください。


D. クライアント端末にて、ストアのベースURLのFQDNに対して名前解決ができるようにします。


Citrix Workspace app (Workspace app接続)のインストールと公開アプリケーションの起動/1台目

※ 1台目の手順は、Citrix Workspace appから公開アプリケーションを起動する場合の手順になります。

1. Citrix社のサイト から、Citrix Workspace app 1912 LTSR の最新版をダウンロードします。本記事の作成時点では、Version: 19.12.0.119 (1912)が最新です。青色のDownloadボタンをクリックして、CitixWorkspaceApp.exe をダウンロードします。


2. 「CitrixWorkspaceApp.exe」を実行します。ユーザーアカウント制御の画面が表示された場合は「はい」をクリックします。


3. 「開始」をクリックします。


4. 「ライセンス契約に同意します」にチェックをつけて「次へ」をクリックします。


5. 本記事では「シングル サインオンの有功化」のチェックは入れずに、「インストール」をクリックします。


6. 「アプリ保護を有効にします」のチェックはせずに、「インストール」をクリックします。
※アプリ保護機能は、Citrix Virtual Apps and Desktops 1912 LTSRから追加されたセキュリティ強化機能です。有効化には、製品ライセンスの他に別途追加ライセンスが必要となります。本環境では有効化しないため、チェックを入れずにインストールを行います。


7. 「完了」をクリックします。


8. 本記事の検証環境は、StoreFrontのストアサイトへの接続がHTTPになります。Citrix Workspace appの標準設定の場合、HTTP接続は禁止されているため、HTTP接続をするための設定をします。Citrix Workspace appをインストールした端末にて、レジストリエディタを開き、以下のレジストリを設定します。

・HTTP のストア URL の接続を許可
場所:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Citrix\AuthManager
※32bit OSの場合:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Citrix\AuthManager
名前:ConnectionSecurityMode
種類:REG_SZ
値:Any
※設定後のレジストリエディタの画面


・HTTP のストア URL を追加する
場所:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Citrix\Dazzle
※32bit OSの場合:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Citrix\Dazzle
名前:AllowAddStore
種類:REG_SZ
値:A

・HTTP のストア URL 追加時のパスワード保存をする
※本記事の動作確認をする場合はこちらの設定は不要です。
PNAgentサイトを使用する場合に利用できるレジストリ設定です。

場所:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Citrix\Dazzle
※32bit OSの場合:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Citrix\Dazzle
名前:AllowSavePwd
種類:REG_SZ
値:A
※設定後のレジストリエディタの画面


9. Windows のスタートメニューから「Citrix Workspace」をクリックし、Citrix Workspace appを起動します。


10. ストアのベースURLを入力します。ベースURLの確認方法は本ページ内の「事前準備のC」をご参照ください。


11. マシンカタログとデリバリーグループの作成の記事 で設定したユーザアカウントから、1ユーザのアカウント名とパスワードを入力して「ログオン」をクリックします。
※本記事では kkauser01@admaru.comを入力しています。


12. 画面上部の「アプリ」をクリックします。


13. 「メモ帳」をクリックし、メモ帳が起動することを確認します。


14. OS画面右下からWorkspaceAppのアイコンを右クリックし、「コネクションセンター」を起動します。


15. VDAサーバ側のメモ帳が起動していることを確認します。


Citrix Workspace app (Web接続) のインストールと公開アプリケーションの起動/2台目

※ 2台目の手順は、ブラウザを使用して公開アプリケーションを起動する場合の手順になります。

1. 「CitrixWorkspaceApp.exe」 のインストーラのファイル名を 「CitrixWorkspaceAppWeb.exe」に変更してから起動します。
※ストア接続も行いたい場合は、「CitrixWorkspaceApp.exe」のままインストールしてください。

2. 「Citrix Workspace app(Workspace app接続)のインストールと公開アプリケーションの起動/1台目」 の手順2から6と同様にインストールします。

3. ブラウザを開きます。Receiver for WebサイトのURLに接続します。
※ストアWebサイトのURLは、Citrix Studio にて「Citrix StoreFront」-「ストア」を開き「Receiver for Webサイト」タブ画面にて確認できます。StoreFront管理コンソールからも同様に確認できます。


4. 「Citrix Workspace アプリを検出」ボタンが表示された場合はクリックします。


5. 「このサイトは、Citrix Workspace Launcherを開こうとしています」と表示される場合は、「開く」を選択してください。
※何度も上記メッセージが表示される場合はこちらのサイト を参考に設定してください。


6. ログインアカウントを入力してログインします。本記事は、2台目のPCは、1台目のPCと別のアカウント「kkauser02@admaru.com」 を使用しています。


7. 「アプリ」から「メモ帳」をクリックし、メモ帳が起動することを確認します。


8. OS画面右下からWorkspaceAppのアイコンを右クリックし、「コネクションセンター」を起動します。


9. VDAサーバ側のメモ帳が起動していることを確認します。


【参考1】関連情報

動作テスト中に以下のブログに該当する事象が確認できました際は、ご参考にしていただけますと幸いです。

 Microsoft EdgeにてStoreFrontのWebサイトに接続する際に「このサイトは、 Citrix Workspace Launcherを開こうとしています」が表示される事象の解消方法

 Microsoft Edgeにて公開アプリケーションのアイコンをクリック後に表示されるicaファイルのダウンロ ードメニューを非表示にする方法

 Google Chromeにて公開アプリケーションのアイコンをクリック後に表示されるicaファイルのダウンロ ードメニューを非表示にする方法


【参考2】セッションの負荷分散

本記事で使用している環境は、2台のVDAサーバを使用しています。上記にて2台クライアント端末を使用して公開アプリケーションのメモ帳を起動しましたが、負荷分散機能により、それぞれのVDAサーバにてセッションが起動されていることを確認します。

1. 2台のPCで公開アプリケーション起動後、Citrix Studio の検索ノードをクリックして「セッション」タブを開きます。「名前」列にて、それぞれのVDAサーバ上でセッションが起動していることが確認できます。

※「admaru\administrator」のセッションは、作業にあたり、各サーバにコンソール接続でログインしているために表示されています。


2. 「マルチセッションOSマシン」タブを開きます。任意の列上で右クリック後、「列の選択」をクリックします。


3. 「負荷指数」にチェックをつけて「OK」をクリックします。


4. それぞれのサーバにて「80」と表示されています。実際の環境では負荷指数に大きな偏りが無いこと確認してください。

※標準設定の場合、1セッションごとに「40」ずつ増加します。画像ではコンソール接続1セッションと公開アプリケーション接続1セッションの合計2セッションの接続があるため「80」となります。10000が表示される場合、そのサーバーが負荷限界状態(新規セッションを受け付けない状態)になっています。


Citrix Virtual Apps and Desktops の公開アプリケーションを起動するための検証環境構築手順を6回に分けてご紹介しましたが、起動できましたでしょうか。

製品名称が「XenAppからVirtual Apps and Desktops」「ReceiverからWorkspace app」と変更されていますが、XenAppのインストールを経験済みの方は、インストール手順に大きな変更はなく後継製品であることがお分かりいただけたかと存じます。

まとめ

Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR の新規インストール手順の一例をご紹介させていただきました。今回は、Citrix Workspace appのインストール手順に関する内容です。お客様の動作検証時の参考にしていただけますと幸いです。



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2020年より仮想化製品のサポートを担当し、現在はCitrix製品のサポートを兼任しています。わかりやすい言葉と画像で皆様に役立つ情報をご紹介できるよう、日々努力してまいります。

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