事例

リソース不足に悩まされていたデータ連携システムをAWSに移行し安定稼働と運用効率化を実現。深夜時間帯の障害時対応も強化。

株式会社アルペン

スポーツ小売業界のトップランナーとして国内のスポーツ用品販売を牽引するアルペンでは、「スポーツをもっと身近に」というパーパスの下、中期IT戦略に基づいて情報系システムの内製化とマルチクラウド化を進めています。

各種スポーツ用品、ゴルフ用品、アウトドア商品等の販売を手がけ、スポーツデポ、ゴルフ５、アルペンアウトドアーズなど全国で約400店舗を展開する同社では、2019年に策定した中期IT戦略に基づき、2023年を目標としてITシステムのコスト最適化や柔軟性の高いシステム基盤構築の実現に向けて取り組んでいます。

近年、EC事業でも飛躍的な成長を遂げており、中でもこれまで外注化していた情報系システムを内製化へと舵を切り、データの集約とデータの利活用によるEC事業のさらなる展開やデジタル・マーケティング分野の強化を図ることになりました。

導入背景

これまでプライベートクラウドを利用していた同社では、一部サービスの終了に伴いDataSpider Servista（以下、DataSpider）を存続させるか別クラウドに移行するかを検討することになりました。このシステムは、他の社内サービスとの連携も兼ねていたため、このタイミングでDataSpiderサーバだけプライベートクラウド上に残す構成にすると、連携面で影響が出ることも考えられたため、運用の見直しも含めて他社クラウドへの移行を実施するという判断をしました。

また、インフラ環境の性能面で、特にメモリ不足の問題から社内システムの処理遅延や性能劣化などの問題が発生していました。さらにはネットワークの帯域不足にも悩まされていたこともあり、他社クラウドに移行することでこれらの問題解決を図りたいと考えていました。

お客様のご要望

従来のクラウド環境だと難しかったインフラの調整や、インフラそのものの最新化を効率よく実施して運用改善を図りたい
インフラのメモリ不足やNWの帯域不足などにも悩んでおり、AWSに移行することでリソース不足解消を実現したい
NWの帯域向上により、従来以上のデータ連携処理を実現できるようにしたい
これまで外注していたデータ連携処理の開発を、クラウド移行をきっかけに内製化していきたい
万一、深夜時間帯にシステム障害が発生した場合にも、確実に対応できるようにしたい

提案したソリューション

サービス名	詳細
AWS環境構築支援	AWSアカウントの開設から、ネットワークの設定、ユーザーの作成、サーバ構築といったAWSをご利用いただくために必要な構築を実施します。
DataSpiderサーバ移行支援	既存のDataSpiderサーバをAWS環境に移行するための支援を実施します。
DataSpider冗長化支援	DataSpiderサーバの冗長化構成を実装するための支援を実施します。
電話通報システムの導入支援	DataSpiderなど重要システムのトラブル時にサポートメンバーの連絡網に則って携帯電話で通報するシステムを構築します。

対象システム概要図

アルペン　AWS

アシストの提案や支援に対するお言葉

■AWS技術支援について
「NW帯域が改善されたことで、インターネット向けの経路を一部開放することができ、外部との大量データのやり取りが可能になりました。システムの切り替えや移行作業もスムーズに実施することができました。既に本番稼働しているシステムの移行作業では、『停止できない』という制約もあったのですが、問題なく移行作業を完了していただけたのでとても助かりました。

心配していた性能問題についても明らかに処理パフォーマンスが改善されたことを実感できました。これまでメモリ不足に悩まされていたシステムの性能問題も、運用切り替え後は一切メモリ不足に陥らず、安定稼働するようになりました。切り替え後の本番環境が安定稼働し、また万一の深夜時間帯の障害時にも迅速な対応が可能になったことで、これまで悩まされていた運用面の課題も改善することができました。」

今後の展望

「現在、小売業としてのスピード感を加速するため、レガシーシステムの撤廃と内製化での対応を進めています。その中でもDataSpiderは各種社内データをつなぐシステムとして活用しており、今後はマルチクラウド、マルチアカウントによる運用下での全体監視やデータ連携ならびにデータ利活用など、システムと運用の橋渡しとして多方面からご支援いただけたら幸いです。」