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2024.12.13

全オラクルユーザー待望のあのサービス!Oracle Database@AWS解析白書①

Oracle Database@AWS

今年9月にラスベガスで開催された「Oracle CloudWorld 2024」。その中で発表されたニュースの中でも一番の注目を集めたのが「Oracle Database@AWS」ではないでしょうか?アシストからもOracle Database、Oracle Cloudの技術者など10名が参加し、様々な最新情報をキャッチアップしてきましたので、以下の記事をご参照ください。

2024年9月8日から12日にわたり、オラクル社の年次イベントである「Oracle CloudWorld」がラスベガスにて開催されました。

アシストからもOracle Database、Oracle Cloudの技術者など10名が参加し、様々な最新情報をキャッチアップしてきました。本記事では、「Oracle CloudWorld 2024 のハイライト」と「アシストの注目ポイント」をOracle CloudWorld全体の雰囲気とともにお伝えします。

『Oracle Database@AWS』が提供されることにより、AWS上で『Oracle Autonomous Database』および『Oracle Exadata Database Service』、『Exadata Exascale』が利用できるようになります。これらのサービスはこれまでOracle Cloudでしか利用ができませんでしたが、Oracle Cloudと同じ価格帯/機能でAWS上で利用ができるようになることでユーザーの選択肢が非常に広がります。

オラクルとAmazon Web Services、戦略的パートナーシップを発表(AWS社プレスリリース)
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2024/09/oracle-and-amazon-web-services-announce-strategic-partnership/

オラクルとAmazon Web Services、戦略的パートナーシップを発表(オラクル社プレスリリース)
https://www.oracle.com/jp/news/announcement/ocw24-oracle-and-amazon-web-services-announce-strategic-partnership-2024-09-09/

本記事では、今後大注目の『Oracle Database@AWS』に関して、これまでのオラクル社のマルチクラウド対応の歴史なども踏まえてご紹介します。

※一部、2024年11月末時点の発表情報をもとにした考察が含まれます。閲覧いただいている時期によっては、サービス内容がアップデートされている場合がありますのでご了承ください。



「オラクル社」と「マルチクラウド」の歴史

このニュースを見て「1つのクラウドサービス・プロバイダ(CSP)が他のCSPと手を組むことがあるの?」と疑問を抱いた方がいるかもしれません。

実はオラクル社は、他CSPとの連携/パートナーシップを多く実施してきました。まずはその歴史を以下にまとめてみました。


オラクル社は長年マルチクラウドの促進に向けて多くの取り組みを実施してきました。筆者が2022年に参加した「Oracle CloudWorld 2022」の基調講演でも、CTOであるラリー・エリソン氏もマルチクラウドについて言及していました。当時の発表の中でも「オラクルは分散型クラウドの実現を目指す」というメッセージが打ち出されており、今回の発表はオラクル社を中心に4大クラウド(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、Oracle Cloud)がつながったという歴史的な瞬間だったのではと考えています。

オラクルの年次イベントOracle OpenWorldがOracle CloudWorldに生まれ変わり、オンサイトイベントとしては3年ぶりに米国ラスベガスで開催。アシストからもOracle DB、OCIの技術者が参加し、様々な最新情報をキャッチアップ。Oracle CloudWorld全体の雰囲気をお伝えします。

Oracle Database@AWSで利用できる機能は?

さて、これまでAWSを利用してきた方の中で、冒頭に記載したプレスリリースを見た際に「Oracle Database@AWSで利用できるサービスがよくわからない」「各サービス、どんな特長があるの?」などの疑問を抱いた方がいらっしゃるのではないかと考えています。

そのため、ここからはプレスリリース等から判明している、利用可能となる予定サービス群を紹介します。

Oracle Exadata Database Service

Oracle Exadata Database Serviceは、Oracle Databaseを利用する際の最上位のパフォーマンスを発揮可能なソリューションであるOracle Exadataをクラウド上で利用できるサービスです。


Oracle ExadataはOracle Databaseに最適化された「エンジニアドシステム」であり、Oracle Databaseソフトウェアとハードウェアを組み合わせたデータベース基盤として提供されています。ハードウェアを含めて最適化設計されており、まさにOracle Databaseに特化した最高のデータベースマシンに仕上がっています。


そんなOracle Databaseに特化したデータベースマシンをクラウド上で利用できるのが「Oracle Exadata Database Service」であり、クラウド化のメリットである「コスト最適化」「拡張性」「運用負荷の軽減」などの恩恵を受けながら、最高のデータベース環境を利用できます。

アシストではこれまでも以下ブログにてOracle Exadata Database Service採用のメリットやOracle Exadataの最新情報を紹介してきました。詳細については、以下ブログをご確認ください。


タイトル URL
「Exadata Cloudとは」最高のパフォーマンスとセキュリティを最少のコストで手に入れる! https://www.ashisuto.co.jp/db_blog/article/exadata-cloud.html
Exadataをオンプレミスからクラウドへ。得られるメリットと導入のポイント https://www.ashisuto.co.jp/db_blog/article/exadata-on-premises-to-cloud.html
Exadata最新モデル「X10M」登場!圧倒的な拡張性を備えたOracle Databaseプラットフォームを徹底解説! https://www.ashisuto.co.jp/db_blog/article/exadata-x10m.html
Exadata X10Mの処理性能を徹底検証:X8M-2との比較で明らかに! https://www.ashisuto.co.jp/db_blog/article/exadata-x10m-performance.html


Oracle Autonomous Database

皆様の中でもデータベースに関する「バックアップ」や「チューニング」「パッチ適用」「バージョンアップ対応」「セキュリティ対策」などの各種運用管理に頭を悩ませている方々がいるかと思います。

上記の悩みを解決すべく、2018年にオラクル社から提供されたサービスが「Oracle Autonomous Database」です。「Autonomous = 自律型」をコンセプトにしており、これまで人手で管理してきたDB管理業務を、Oracle Autonomous Databaseが管理してくれます。

また、「Oracle Autonomous Database」のインフラ基盤として採用されているのが、前述した「Oracle Exadata」であり、各種運用の自律化だけではなくOracle Exadata特有の機能を利用した高速処理の恩恵を受けられる点も大きな特長です。

アシストはリリース前のプレビュー環境からOracle Autonomous Databaseに携わっており、各種セミナーや以下ブログなどで情報展開をしています。

本記事では、前編、後編の2回に分けて、Autonomous Databaseの検討段階でお客様がぶつかる「二つの壁」を乗り越えるためのヒント、そして、先行して採用を決断したお客様がどのように検討を進められたかをご紹介します。
本記事では、前編、後編の2回に分けて、Autonomous Databaseの検討段階でお客様がぶつかる「二つの壁」を乗り越えるためのヒント、そして、先行して採用を決断したお客様がどのように検討を進められたかをご紹介します。

「Autonomous」という言葉のごとく「Oracle Autonomous Database」は日々進化を続けており、オラクル社が提供するサービスの中でも、特に注目すべきサービスの一つです。

ただし、Oracle Database@AWSのOracle Autonomous Databaseに関しては現時点で1点押さえておくべきポイントがあります。ニュースリリースにおいて発表されていた提供されるサービスは「専有インフラストラクチャ上の「Oracle Autonomous Database」と「Oracle Exadata Database Service」という表現でした。

そのため、Oracle Autonomous Databaseに関しても、「Autonomous Database Dedicated」という専有型の環境であり、事例などで多く紹介されている「Autonomous Database Serverless」ではない可能性があります。

こちらについては、アシストとしてもオラクル社およびAWS社からの正式なリリースを待ちたいと考えています。


Exadata Exascale

冒頭のプレスリリースには言及がありませんが、「Oracle CloudWorld 2024」でのラリー・エリソン氏の発表において、Exadata Exascaleの提供についても言及されていました。

このExascale Databaseは「Oracle CloudWorld 2023」にて名称及びコンセプトが発表され、「Oracle CloudWorld 2024」にてリリースされた新サービスであり、以下のような特長があります。

このサービスが発表された際、筆者は「Oracle Exadata Database ServiceとOracle Base Database Service(Oracle Cloudで提供されている通常のDBサービス)の中間ポジションであり、いいとこ取りができているサービスではないか?」と感じ、非常に注目しています。

現在、アシスト社内でお客様に提供するための検証や支援対応を進めています。Exascale Databaseの最新情報とあわせて、皆様にご紹介できればと考えています。


Oracle Cloud採用事例のご紹介

さて、ここまでOracle Database@AWSに関してご紹介してきましたが、最後に本記事でご紹介したサービスである「Oracle Exadata Cloud Service」および「Oracle Autonomous Database」の採用事例を以下にてご紹介します。


Oracle Cloudを採用した理由や採用メリットについて、お客様の声がまとまっていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。


おわりに

いかがでしたでしょうか?本ブログ記事で「Oracle Database@AWS」について少しでもお伝えできていれば幸いです。

「Oracle Database@AWS」の正式リリースは来年以降を予定しています。それに向けて、今後も様々な情報を発信していきますので、ぜひご期待ください!


では、次のブログ記事でお会いしましょう!


執筆者情報

はらだ たくろう プロフィール画像

2015年にアシストに入社後、Oracle DatabaseやOracle Cloudを中心としたフィールド技術を担当。
導入支援だけではなく、最新機能の技術検証も積極的に実施。社内外のイベントにて発表も行っている。...show more


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