
- ネットワーク管理
【JP1/NNMi】入門編!JP1の基本用語を理解しよう!
JP1/NNMiのヘルプやマニュアルを読む上で理解しておきたい、JP1の基本用語について解説します。
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ネットワーク機器から正常にSNMPトラップが発信されているにも関わらず、JP1/Network Node Manager i(以下、JP1/NNMi)で、そのトラップが受信できないことがありませんか?SNMPトラップが受信できないと、ネットワーク機器の故障メッセージを把握することができません。
そこで今回は、JP1/NNMiのSNMPトラップを受信するために必要な下記4つの条件と、それぞれが正しく設定されているか確認する手順をご紹介します。
(1)JP1/NNMiに、SNMPトラップを発行するノードが登録されていること。
(2)JP1/NNMiのサーバに、SNMPトラップが到着していること。
(3)JP1/NNMiのSNMPトラップフィルタに、登録されていないこと。
(4)JP1/NNMiに、SNMPトラップ定義が登録されていること。
ノードが正しく登録されていることを確認するには、JP1/NNMiの画面から[トポロジマップ]-[ネットワークの概要]を開いて、対象のノードが登録されていることを確認します。
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対象のノードが登録されていない場合は、[設定]-[検出]-[シード]から登録してください。
JP1/NNMiの画面からでは、サーバにSNMPトラップが到着しているか判断できません。そこで、以下のコマンドを実行します。ここでは例として、10.1.10.1 のIPアドレスから、SNMPLinkUpのSNMPトラップが上がっているかを確認する手順を紹介します。
コマンドを実行した結果、「trapid」の値が正常に表示される場合は、SNMPトラップがJP1/NNMiのサーバへ正常に届いていると判断できます。
●コマンド実行例
> nnmtrapdump.ovpl -nodns -trapid .1.3.6.1.6.3.1.1.5.4.1.3.6.1.4.1.311.1.1.3.1.1 -source 10.1.10.1
●コマンド実行結果
10.1.10.1 からの 2017/12/19 14:45:50 JST でのトラップ SNMPLinkUp (.1.3.6.1.6.3.1.1.5.4.1.3.6.1.4.1.311.1.1.3.1.1)
バージョン: SNMPv1
エンタープライズOID: .1.3.6.1.4.1.311.1.1.3.1.1
エージェントアドレス: 10.1.10.1
汎用トラップ: 3
特定のトラップ: 0
Timeticks: 1568
Varbinds:
state=HAS_VALUE type=INTEGER oid=.1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.48 value=48
「trapid」の値が正常に表示されない場合は、SNMPトラップを上げる機器側の設定を見直す必要があります。例えば、SNMPトラップ送信先がJP1/NNMiサーバを正しく指定しているかどうか、ファイアウォールの制限で通信できない状態になっていないかなど確認してください。
JP1/NNMiには、SNMPトラップをフィルタする機能があります。このフィルタに登録されているOIDは、JP1/NNMiの画面に表示されません。そのため、下記フィルタを開いて、受信したいSNMPトラップが登録されていないことを確認します。
●trapFilter.conf、nnmtrapd.confの記載例
#10.1.10.1のIPアドレスからのSNMPLinkUPを表示させたくない場合
#<IPアドレス, OID> の形式で記載
<10.1.10.1, .1.3.6.1.6.3.1.1.5.4>
OIDが記載されているフィルタは、以下の場所に保存されています(デフォルト時)。フィルタ定義が不要な場合はOIDを削除してください。
<Windows系>
C:\ProgramData\Hitachi\Cm2NNMi\shared\nnm\conf\trapFilter.conf
C:\ProgramData\Hitachi\Cm2NNMi\shared\nnm\conf\nnmtrapd.conf
<UNIX系>
/var/opt/OV/shared/nnm/conf/trapFilter.conf
/var/opt/OV/shared/nnm/conf/nnmtrapd.conf
対象のSNMPトラップ定義がJP1/NNMiに登録されていなければ、SNMPトラップは表示できません。[設定]-[インシデント]-[SNMPトラップの設定]を開いて、SNMPトラップが登録されており、かつ「有効にする」にチェックが入っていることを確認してください。
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定義が登録されていない場合は、SNMPトラップが定義されているMIBファイルを提供ベンダーから取り寄せて、JP1/NNMiにMIBファイルをロードした上で、インシデント定義(SNMPトラップ定義)のロードを行ってください。
ネットワーク機器からは正常にSNMPトラップが発信されているにも関わらず、JP1/NNMiでSNMPトラップが受信できない場合、本ブログで紹介した4つの条件が満たされているか確認してください。
正常にSNMPトラップが受信できれば、ネットワーク機器が故障した場合のメッセージなどを迅速に把握することができ、問題の早期発見と適切な対処が可能です。
JP1/Network Node Manager i Version10.0以降
2007年アシストに入社し一貫してJP1の顧客サポートを担当。「JP1サポート技術者ブログ」の編集リーダー。「JP1認定シニアコンサルタント」の資格保有者。このブログでは、知って便利な情報を紹介したいと思います。 |
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