
- ジョブ管理
【JP1 CS】はじめてのJP1 Cloud Service: SaaS版ジョブ管理をわかりやすく解説
JP1 CSの概要からジョブ管理の基本操作、注意点を分かりやすく解説しています。JP1 CSに興味がある方や 導入を検討されている方は、本ブログを参考にJP1 CSについて理解を深めてください。
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JP1/AJS3-Managerのエージェント追加時に使用するコマンド「ajsagtadd」は、初期設定のまま実行すると「KNAC1123-E」エラーが出力されてしまいます。
エージェントからジョブを実行する前段階でのエラーは、極力避けたいですよね。そこで本記事では、「KNAC1123-E」エラーが出力される原因と、それを回避するための2つの条件をご紹介します。これでエージェント追加時も安心です!
JP1/AJS3のエージェントサーバ登録時、たとえ、administratorユーザーや rootユーザーでajsagtaddコマンドを実行したとしても、以下のような「KNAC1123-E」エラーが出力されるケースがあります。
※以下は、「ashisuto」という名前のエージェントサーバを追加した場合の例です。
■Windowsの場合
> ajsagtadd -a ashisuto
KNAC1123-E コマンドを実行する権限がありません
■UNIX系の場合
#/opt/jp1ajs2/bin/ajsagtadd -a ashisuto
KNAC1123-E コマンドを実行する権限がありません
このエラーは、ajsagtaddコマンドを実行するOSユーザーが、以下2つの条件を満たすことで回避できます。
(1) OSユーザーがJP1ユーザーとして登録されていること。
(2) (1)のJP1ユーザーに「JP1_JPQ_Admin」の権限が付与されていること。
権限の詳細は以下マニュアルをご参照ください。
【マニュアル】
『JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)』
○6.4.1 アクセス権限についての検討項目
https://itpfdoc.hitachi.co.jp/%E2%80%8Bmanuals/3021/30213B1420/AJSG0072.HTM
ajsagtaddコマンド実行時に出力される「KNAC1123-E」エラーの回避方法をご紹介します。ここでは、administratorユーザー(Windows)とrootユーザー(UNIX系)それぞれでの実行手順を記載しますので、他のユーザーで実施する場合は、ユーザー名を読み替えてください。
以下のコマンドを実行して、OSユーザをJP1ユーザとして登録します。
■Windowsの場合
> jbsadduser -p 任意パスワード administrator
User Name = administrator
正常終了しました
■UNIX系の場合
# /opt/jp1base/bin/jbsadduser -p 任意パスワード root
User Name = root
正常終了しました
以下のファイルに、ユーザー権限を付与するための行を追記します。
■Windowsの場合
ファイル:<JP1フォルダ>\JP1Base\conf\user_acl\JP1_UserLevel
権限付与:administrator:*=JP1_JPQ_Admin
■Linuxの場合
ファイル:/etc/opt/jp1base/conf/user_acl/JP1_UserLevel
権限付与:root:*=JP1_JPQ_Admin
上述した2つの設定が完了したら、以下のコマンドを実行して設定を反映します。
■Windowsの場合
> jbsaclreload
正常終了しました
■UNIX系の場合
# /opt/jp1base/bin/jbsaclreload
正常終了しました
JP1ユーザーの登録が難しい場合は、環境変数に「JP1_JPQ_Admin」権限を持つJP1ユーザーを毎回定義すれば、ajsagtaddコマンド実行時のエラーが回避できます。以下は、デフォルトで作成されるJP1ユーザーであるjp1adminを利用した場合の例です。
■Windowsの場合
set JP1_USERNAME=jp1admin
■UNIX系の場合
JP1_USERNAME=jp1admin
export JP1_USERNAME
本記事では、JP1/AJS3-Managerでエージェントを追加する際のエラー回避方法についてご紹介しました。冒頭でご紹介した2つの回避方法は、ひとたび設定すれば「ajsagtadd」コマンド実行時のエラーが出力されなくなります。
番外編でご紹介した回避方法は、毎回、環境変数をsetコマンドから実行する必要があるため、やや面倒です。JP1ユーザーの登録が難しい場合にのみ試していただくことをお勧めします。
また、「ajsagtadd」コマンド以外でも、「KNAC1123-E」のエラーが出力されるJP1コマンドもあります。本エラーが出力された場合は、本記事の回避方法をお試しください。
JP1/Automatic Job Management System 3 - Manager/JP1/AJS3-Manager
バージョン9以降
2007年アシストに入社し一貫してJP1の顧客サポートを担当。「JP1サポート技術者ブログ」の編集リーダー。「JP1認定シニアコンサルタント」の資格保有者。このブログでは、知って便利な情報を紹介したいと思います。 |
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