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2020.10.29

【JP1全般】徹底検証! 迫るAdobe Flash Playerのサポート終了で、JP1はどうなる?

【JP1全般】徹底検証! 迫るAdobe Flash Playerのサポート終了で、JP1はどうなる?

2020年度末をもって、Adobe Flash Playerのサポートが終了します。Adobe Flash Playerは、主要ブラウザで自動OFFになるなど、数年前から利用シーンも減ってきましたが、JP1製品を含め、まだまだ一部のサービスやWebページでは利用されています。

そこで本記事では、影響が出るJP1製品に関するご案内に加え、2021年以降にAdobe Flash Playerを使おうとした場合の動作を検証した結果をご紹介します。


Adobe Flash Playerを利用中のJP1製品

JP1でも一部製品でAdobe Flash Playerが利用されており、サポート終了に伴い影響が出る製品があります。主要な製品と影響範囲は下記のとおりです。
なお、Adobe Flash Playerを使用しているJP1製品については、Adobe Flash Playerのサポート終了後も製品サポート自体は継続されます。ただ、Adobe Flash Playerが起因となる障害については対応出来ない可能性がありますので、ご注意ください。

管理画面全体でAdobe Flash Playerが使用されている製品/対象バージョン

製品名 影響がでる対象バージョン※ 影響範囲
JP1/IT Desktop Management - Manager V9~V10 リモートコントロール、コマンドを除く機能が使用不可となります。 具体的には、管理用サーバの操作画面(管理コンソール)が使用できません。 エージェントは、Adobe Flash Player提供終了に伴う影響はありません。
JP1/IT Desktop Management 2 - Manager V11~V12(12.0) リモートコントロール、コマンド、Asset Console、リモートインストールマネージャを除く機能が使用できなくなります。具体的には、管理用サーバの操作画面(管理コンソール)が使用できません。 エージェントに関しては、Adobe Flash Player提供終了に伴う影響はありません。
JP1/IT Desktop Management 2 - Operations Director V11~V12(12.0) リモートコントロール、コマンドを除く機能が使用できなくなります。 具体的には、管理用サーバの操作画面(管理コンソール)が使用できません。 エージェントに関しては、Adobe Flash Player提供終了に伴う影響はありません。
JP1/Automatic Operation V10~V11(11.0) GUIが使用できなくなり、新たなコンテンツが作成できなくなります。

※JP1/IT Desktop Management - Managerは開発が終了しているため、対策版のリリースはございません。後続製品のJP1/IT Desktop Management 2 - Managerへバージョンアップをお願いいたします。
また、()に記載のバージョンよりも1つでもリビジョンが上のバージョンに関しては、対策済です。表記が(12.0)の場合、12.1であれば対策済のためAdobe Flash Playerによる影響はでません。

画面の一部でAdobe Flash Playerが使用されている製品

製品名 影響がでる対象バージョン 影響範囲
JP1/Network Node Manager i V9~V11(11.1) V11:NNMiの性能監視データのグラフ表示機能のみ使用できなくなります。
V9・10:NNMiのMIBブラウザおよび性能監視データのグラフ表示機能のみ使用できなくなります。

上記以外にも影響が発生する製品がございます。詳細はコチラ のメーカー案内をご確認ください。

サポート終了後、Adobe Flash Playerコンテンツを開いた場合の動作

Adobe Flash Playerサポート終了情報ページ によると、2021年以降は、Adobe社からAdobe Flash Playerがダウンロードできなくなる、と記載があります。(2020年10月現在ではダウンロード可能であることを確認しています。)

そのため、2021年以降は新規にAdobe Flash Playerを入手、インストールすることはできませんが、これまでAdobe Flash Playerを利用していた環境ではしばらく利用できると想定されます。

そこで、OSのシステム日時を2021年以降に変更し、各ブラウザでの動作を検証しました。

※検証結果は本記事作成時点(2020年10月21日)で、インターネットから入手可能な最新バージョンで確認した動作結果となります。今後、各ブラウザやマイクロソフト社から提供されるアップデートの内容や、Adobe Flash Playerのバージョン、仕様変更により異なる動作となる可能性がありますので、ご了承ください。

検証方法

1.Windows10 Professionalの環境へ、下記製品をインストール
 ※Internet Explorer 11については機能アップデートごとのバージョンで確認

製品名 バージョン
Adobe Flash Player 32 32.0.0.445
FireFox 82.0
Google Chrome 86.0.4240.111
Microsoft Edge(旧) 各バージョンでインストール済みのものを使用
Microsoft Edge(新) 86.0.622.48
Internet Explorer 11 11.379.17763.0
更新バージョン:11.0.115(KB4489873)
インストール先:Windows10 1809
11.535.18362.0
更新バージョン:11.0.165(KB4530677)
インストール先:Windows10 1903
11.535.18362.0
更新バージョン:11.0.165(KB4530677)
インストール先:Windows10 1909
11.572.19041.0
更新バージョン:11.0.210(KB4577010)
インストール先:Windows10 2004

2.OSの[日付と時刻]を、2020年10月21日から2021年10月21日に変更

3.管理コンソールにAdobe Flash Playerを利用しているJP1/IT Desktop Management 2 - Manager V11のログイン画面へアクセスし、画面が表示されるかを確認

検証結果

Internet Explorer 11

<KB4561600※未適用の場合>
Windows10 1809、1903、1909は問題なく表示できましたが、Windows10 2004の場合は表示できませんでした。
※Microsoft社提供のAdobe Flash Player のセキュリティ更新プログラム

【Windows10 1909×Internet Explorer 11】

【Win10 2004×Internet Explorer 11】

※表示されたアイコンをクリックすると、Adobe Flash Player終了アナウンスのページが表示されます。

<KB4561600適用済みの場合>
すべてのバージョンで表示できませんでした。

Google Chrome 86.0.4240.111

Google ChromeではAdobe Flash Playerの画面が表示が出来ませんでした。

Firefox 82.0

FireFoxでも同様の画面になり、表示出来ませんでした。

Microsoft Edge(旧)

Microsoft Edge(旧)ではKB4561600が未適用の場合、管理画面を表示することができましたが、KB4561600を適用している場合は表示が出来ませんでした。

【KB4561600未適用×Microsoft Edge(旧)】

【KB4561600適用×Microsoft Edge(旧)】

Microsoft Edge(新) 86.0.622.48

アイコンが変わった新しいMicrosoft Edgeでは、KB4561600の適用の有無にかかわらず、管理画面を使用することができませんでした。

まとめ

2021年以降もAdobe Flash Playerが動作することを確認できたのは、「Windows10 1909以下」の「KB4561600」を適用していないInternet Explorer 11およびMicrosoft Egde(旧)でした。

製品名 バージョン KB4561600未適用 KB4561600適用
FireFox 82.0 × ×
Google Chrome 86.0.4240.111 × ×
Microsoft Edge(旧) 各バージョンでインストール済みのものを使用 ×
Microsoft Edge(新) 86.0.622.48 × ×
Internet Explorer 11 11.379.17763.0
更新バージョン:11.0.115(KB4489873)
インストール先:Windows10 1809
×
11.535.18362.0
更新バージョン:11.0.165(KB4530677)
インストール先:Windows10 1903
×
11.535.18362.0
更新バージョン:11.0.165(KB4530677)
インストール先:Windows10 1909
×
11.572.19041.0
更新バージョン:11.0.210(KB4577010)
インストール先:Windows10 2004
× ×

本検証結果がお客様運用の一助となれば幸いです。

検証の中で、動作確認のためGoogle ChromeおよびMicrosoft EdgeでJP1画面を開いていますが、JP1製品では未サポートのブラウザとなります。JP1製品でAdobe Flash Playerをお使いの場合、各製品のサポート対象ブラウザにてご利用いただきますようお願いいたします。

なお、Adobe Flash Playerを使用するバージョンのJP1製品をお使いのお客様で、バージョンアップをご希望の場合、アシストサポートセンター にて最新バージョンメディアの手配やバージョンアップに関するお問い合わせを受け付けております。Adobe Flash Playerのサポート終了に合わせ、計画的なバージョンアップをご検討いただければと思います。
その他、JP1以外でもアシスト取り扱い製品でAdobe Flash Playerの終了に伴い影響が発生する製品がございます。詳細はコチラ をご覧ください。

JP1は、株式会社日立製作所の商標または登録商標です。そのほか記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


ー補足ー Adobe Flash Playerについて

Adobe Flash Playerは、1996年にMacroMedia Flashとして登場後、当時の単純なHTML企画では表現出来ない画像や音声を使ったコンテンツのプラットフォームとして1999年頃から一般にも広く認知されるようになりました。2005年に開発元のMicroMedia社からAdobeに買収され、現在のAdobe Flash Playerという名前になり年々進化してきました。

しかし、セキュリティ上の脆弱性となることも多く、Internet Explorer10やGoogle Chrome5以降では自動的にアップデートが行われるようになっています。

直近のWindowsの対応としては、Flashの脆弱性を解決するための更新プログラムとして、2020年6月に「Adobe Flash Player のセキュリティ更新プログラム」という名称で更新プログラムがリリースされています。本プログラム(KB4561600)を適用すると、Adobe Flash Playerの既知の脆弱性が解決されますが、2021年以降の動作にも影響を与えるようです。(こちらについては上記検証結果のとおりです)

Microsoft社のアナウンス によると、上記とは別に「Update for Removal of Adobe Flash Player」という更新プログラムが2020年秋以降、Microsoft Updateで提供されるとのことです。(Windows UpdateおよびWSUSでは2021年初頭)この更新プログラムをインストールすることで、Adobe Flash PlayerがWindowsから永続的に削除され、二度とAdobe Flash Playerが使えなくなる予定です。


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執筆者情報

2003年入社。JP1のフィールドエンジニアを経て2015年よりJP1サポートセンターにて勤務。
2020年9月より本ブログ記事を担当することになりました。JP1を利用されている方に少しでもお役に立てる情報を提供したいと思います。

奈良在住。最近は家庭菜園にハマっています。

西尾 高治

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