クラウドサービスの活用に「データ連携」が必要な理由とは? ~ データ連携方法やポイントを解説 ~
2022.10.6
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DX推進技術本部 デジタル推進技術統括部
中西日本DI技術部 兼 ナレッジ・プラットフォーム技術部 部長
2001年、新卒でアシストに入社。
Oracleの技術者として10年従事した後、新規ビジネス開発や新製品立ち上げを経て、現在はデータ連携分野と動画やガイド、
Webコンテンツ管理製品などのナレッジ・プラットフォーム分野を担当。
最近は家族で出かけた際に、ミラーレス一眼で写真や動画を撮りまくって楽しんでいる。
はじめに
昨今、ビジネスをとりまく環境の変化が速く、企業のITシステムも外部環境の変化に追随するために「スピード」や「柔軟性」が求められるようになっています。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進においても、従来のレガシーシステムを
クラウド環境へリフト&シフト(Lift & Shift)
し、ITシステムを競争優位性の源泉にする流れが加速しています。ファイルサーバやメール、ポータル、ERP、CRM、さらには生産管理や購買など、今や企業のITシステムの多くを、クラウドサービスが担うようになっています。
総務省の「情報通信白書 令和3年版
」を見ても、企業におけるクラウドサービスの利用は年々拡大傾向にあり、2020年には68.7%の企業がクラウドサービスを利用していることが確認できます。
企業におけるクラウドサービスの利用動向
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出典:総務省ホームページ「企業におけるクラウドサービスの利用動向 」(2022年10月6日時点の情報)
クラウドサービスは、特定の業務から汎用的な業務まで、様々な機能が提供されていますが、1つのクラウドサービスで企業のIT業務の全てを担うことはできません。クラウドサービスやオンプレミスのシステムなど、複数のシステムを組み合わせて利用しているケースがほとんどではないでしょうか。
そして、複数システムを組み合わせてクラウドサービスを活用する際に、必ず必要となるのが
「データ連携」
です。
本コラムでは、クラウドサービスを活用する時になぜデータ連携が必要となるのか、どのようにデータ連携すれば良いのか、などをご紹介したいと思います。
クラウドサービス活用にデータ連携が必要な理由
クラウドサービスの活用にデータ連携が必要となるケースはたくさんあります。
その中から、よくある4つのパターンを見てみましょう。
1. マスタデータの連携をする場合
顧客との商談管理を行うクラウドサービスを導入した場合、担当営業は商談ログを登録します。
この時、マスタデータの連携がされていないと、
……………………………………………………………………
・顧客データ:お客様の社名、氏名、部署、役職 など
・社員データ:担当営業の氏名、部署、役職 など
・商品データ:販売する商品の商品名、価格 など
……………………………………………………………………
を営業が手入力する必要があります。
そんな手間や、手入力による間違いをなくすためにも、これら「マスタデータ」をクラウドサービスに連携する必要があります。
2. 業務プロセスの自動化をする場合
見積作成を行うクラウドサービスを導入した場合、そのサービスで見積を作成した後、別システムで「お客様に見積を送る」「案件管理のためのデータを登録する」こともあるでしょう。
このように、特定のイベントの後に後続のイベントが発生する業務は多いです。
そんな「業務プロセスを自動化」する方法として、RPAツールを使うこともありますが、データ連携をベースに実現することも可能です。
3. データ活用、データ分析を行う場合
クラウドサービスのデータを活用/分析したい場合、クラウドサービスにレポート機能がなかったり、レポート機能があっても見たい切り口で分析できないことがあります。
そんな時は、クラウドサービスのデータを何らかの手段で取り出し、データウェアハウスやBIツールなどに連携する必要があります。
4. 障害やサービス停止などの不測の事態に備える場合
たとえ大手クラウドサービスであっても、障害が発生する可能性はあります。
そんな不測の事態や、別のクラウドサービスへの乗り換えに備えて、クラウドサービス上のデータをオンプレミス環境や別環境へ保存しておく時にもデータ連携が必要です。
ここに挙げた例をみるだけでも、クラウドサービス活用にはデータ連携が必要だと認識いただけるかと思います。
クラウドサービスとデータ連携する方法
では、実際にクラウドサービスとデータ連携するには、どのような方法があるでしょうか?
大きく3つの方法が考えられます。
1. 手動で連携する
クラウドサービスに備わっているエクスポート/インポート機能などを使って、随時手動で連携する方法です。
新たなツールやプログラミングは不要ですが、
……………………………………………………………………
・都度、工数がかかる
・人手が空いていないと作業できない
・エクスポート/インポートできるデータに制約がある
……………………………………………………………………
などの懸念が残ります。
2. RPAツールで自動化する
RPAツールを使って、人手で行う画面操作を自動化することができます。
工数削減には繋がりますが、
……………………………………………………………………
・画面変更時に改修が必要である
・停止時のエラー検知などの運用を考える必要がある
……………………………………………………………………
などの懸念が残ります。
3. WebAPIで自動化する
WebAPIは、Webの通信方法であるHTTPを使用して、外部プログラムからアプリケーションを操作するための仕組みです。
(詳しくは こちらのブログ
をご確認ください。)
WebAPIを使えば、人手を介さずにシステム同士のデータ連携を自動化することができます。
工数や制約の削減に繋がりますが、
……………………………………………………………………
・APIの仕様を解読する必要がある
・プログラム開発が必要
……………………………………………………………………
な点が懸念されます。
クラウドサービスにおいてデータ連携が必要となる場面は多いため、手動で連携する方法は現実的ではありません。
RPAツールを使うパターンも、様々な制約があるため、万能ではありません。
結果、
「Web APIで自動化する」方法が最も一般的なパターン
となります。
クラウドサービスとデータ連携する時のポイント
「Web APIでデータ連携を自動化する」といっても、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
Web APIは一般的な用語ではありますが、決まった仕様があるものではなく、クラウドサービスによっても連携する方法が異なります。
プログラミング言語で開発する場合は、クラウドサービスの特徴や癖を踏まえて開発を進める必要があったり、Web APIの仕様変更時に対応が必要になったりと、開発者には高いスキルが求められます。
そのため、クラウドサービスとのデータ連携には、Web APIでのデータ連携をノンプログラミングで開発できる
「データ連携ツールを使う」ことが一番の近道
になります。
データ連携ツールには様々なものがありますが、「データ連携量」や「データ形式」によって、どのツールを使うべきか切り分けをすると良いでしょう。
1. 1回のデータ連携量が少量~中量の場合
EAIツール
がおすすめです。
EAI(Enterprise Application Integration)は、直訳すると「企業内アプリケーション統合」で「データをつなぐ」ことが得意です。
1回のデータ連携量は限られますが、Web API連携処理を簡単に開発して、データ連携することができます。
| ツールの種類 | EAI(Enterprise Application Integration)ツール |
|---|---|
| 向いている処理 |
・マスター連携
・受注処理や在庫の引き当て
・ExcelやAccessでのマクロ処理の置き換え など
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| おすすめツール |
DataSpider Servista
(データスパイダー サービスタ) 異なるシステムのデータやアプリケーションをつなぐ処理を、ノンプログラミングで開発できます。 Salesforceやkintone、AWSのRDSやS3など、多くのクラウドサービスとの連携が可能です。 |
2. 1回のデータ連携量が多い場合
ETLツール
がおすすめです。
ETL(Extract、Transform、Load)は、直訳すると「データ抽出、データ変換、データロード」となり「データの連携や加工」が得意です。
リアルタイム処理ではなくバッチ処理を得意としており、大量データの処理が可能です。
| ツールの種類 | ETL(Extract、Transform、Load)ツール |
|---|---|
| 向いている処理 |
・請求データなどの締め処理
・データウェアハウスやデータレイクへのデータ統合処理 など |
| おすすめツール |
Precisely Connect
(プリサイスリー コネクト) 高性能なデータ統合処理、バッチ処理を簡単に開発できます。 「最も賢い超高速ETLツール」と言われており、他のETLツールにはない独自の自動チューニング機構を使って、 効率よく高速な処理を実現します。Amazon S3やRedshiftなどと連携が可能です。 |
3. ファイル形式でデータ連携したい場合
MFTツール
がおすすめです。
MFT(Managed File Transfer)は、直訳すると「管理されたファイル転送」となり「ファイル形式での送受信」が得意です。
| ツールの種類 | MFT(Managed File Transfer)ツール |
|---|---|
| 向いている処理 | ・精算システムに請求書/領収書をアップロード ・現場が作成するExcelファイルの連携 など |
| おすすめツール |
HULFT
(ハルフト) 安全・安心・確実なファイル転送ができます。 企業の情報システム内に混在するWindows、Linux、UNIXの連携はもちろん、 AWSやAzureなどのクラウドストレージへ、データをファイル単位で転送します。 |
世の中には様々なデータ連携ツールがありますが、要件に合わせて最適なツールを使うことで、クラウドサービスのデータ活用の幅が広がるはずです。
クラウドサービスとデータ連携した事例
クラウドサービスとデータ連携している事例はたくさんありますが、弊社アシストでも、クラウドサービスの顧客管理システム「Salesforce(セールスフォース)」とデータ連携しています。
Salesforce導入時に「マスタデータの連携」「データ分析」についても見直しが入り、今では以下のような連携を行っています。
アシストの主なデータ連携
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名刺管理システム(クラウドサービス)に名刺を登録してデータ化
↓
DataSpiderで名刺管理システムのAPIを呼び出して名刺情報を取得
↓
名刺情報と企業辞書(uSonar)をマッチング
↓
Salesforceに登録
↓
DataSpiderでデータウェアハウス(Vertica)に連携
↓
BIツール(WebFOCUS、Qlik)で分析
このように、クラウドサービスや社内システムにデータ連携することで、最大限データ活用ができる基盤を構築しています。
(詳しくは こちらの事例記事
をご確認ください。)
さいごに
今回はクラウドサービスを活用するために必要な「データ連携」について紹介しました。
「データ連携の手法」や「データ連携ツールの使い分け」については、自社に置き換えた時にどれが最適か判断に迷うことが多いかと思います。
そんな時は、ぜひお気軽にご相談ください。コラム内で紹介したアシスト事例以外にも、多くのお客様でクラウドサービスとのデータ連携をご支援していますので、その辺りも踏まえてお話しできればと思います。
参考
本ページの内容やアシスト西日本について何かございましたら、お気軽にお問い合わせください。










