Zabbix
10のポイント【2】名づけ方 ~名前を付ける箇所が多い問題~
Zabbixの設定を一通り行ってみると、「名前」をつける箇所が他のツールに比べて多いことに気が付くと思います。
他の監視ツールで、「名前」は最初から決まっていて変更できないようなものでも、Zabbixの場合は任意で設定することができます。逆の意味では、面倒でも設定しなければならない、という現実があります。
Zabbixに登場する「名前」
下記がすべてではありませが、主要な名前だけでもこれだけの名前を付ける必要があります。
しかもこの名前は、設定のしやすさや、運用フェーズの監視画面の見やすさにも関係するため、どんな名前でも良いというわけではありません。ある意味高い「センス」が要求される部分になります。
「名前」が必要な項目例
・ホストグループ名
・ホスト名
・表示名
・グラフ名
・スクリーン名
・トリガー名
・テンプレート名
・アクション名 など
ホスト登録時の設定項目
例えばホストの作成時には「ホスト名」と「表示名」の2つの名前を付ける必要があります。
「ホスト名」は実際の機器のホスト名なので基本的に迷うことはありませんが、「表示名」のつけ方次第で設定のしやすさ、監視画面の見やすさに大きく影響してきます。
・ホスト名(必須)
・表示名(任意)
・インターフェース(必須)
・ホストグループ(必須)
・ホストの説明(任意)
表示名とは?
ホスト名に対して設定する別名で、画面上は表示名で表示されます。日本語も使用可能です。
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名付けのルールが無いケース(良くない例)
「表示名」の名づけ方のルールが無く、ばらばらで構築した場合の悪い例を紹介します。
× 順番が見づらい
× どのマシンかわかり辛い
× 表示名を利用しているホストと利用していないホストが混在
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効果的な名付けのルールを設けた例
悪い例を踏まえて、表示名を以下のようなルールで設定してみたいと思います。
拠点_種別_用途_連番
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表示名のルールをきちんと検討することで以下のようなメリットが生まれます。
〇 順番がわかりやすい
〇 探しやすい
〇 間違えにくい
名付け方のポイント
今回のテーマでもある「表示名」は、ホストの一覧の見やすさだけでなく以下の設定でも利用される、影響範囲の大きい名前だということができます。
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例えば、表示名はメール通知にも利用できるため、障害通知のメールを確認する際に把握したい情報を表示名に含めてしまう(今回で言えば、拠点や機器の種別)ことで、初動の対応時の確認をスムーズにするといった効果もあるわけです。
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まとめ
表示名を例に説明しましたが、それ以外の様々な「名づけ方」についても今回のポイントを押さえて、その名前がどこで利用される名前なのか?という逆向きの視点で検討する、ということが非常に重要です。
技術コラム Zabbixを使いこなす10のポイント
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- コラム執筆者:中村 利一
2002年、株式会社 アシスト入社。
入社以来システム運用管理分野のエンジニアとして第一線でお客様サポートに従事。アシストのZabbixサポートビジネスの立ち上げにも携わり、現在はモニタリングツールチームに所属し、広くシステム監視に関する提案活動を行う。
【執筆実績】
日経ネットワーク
「楽々実践!ネットワーク監視」連載記事