アシストテクニカルフォーラム2017 「開発・テスト」セッション

2016年、スマートフォンとパソコンの世帯保有率はほぼ同率になった。ビジネスシーンにおいてもスマートデバイスの利用は急激に増え、モバイルアプリケーションの開発も近年急増している。一方、モバイルアプリの品質管理は、パソコンと同様にテスト実施が必要にも関わらず、モバイルテスト実施環境が十分に提供されていないことにより、テストが不十分であることが多い。OS、デバイスの数を考えるとテストを全て手動で行うことは不可能である。

本セッションでは、パソコン環境で実績のあるテストツールを使って、モバイル環境においても回帰テストの自動化、手動テストを効率化できるツールを紹介した。またテストの実行状況や不具合が管理できる管理基盤も合わせて紹介。マルチデバイス時代を迎える今、マルチデバイスの品質を支えるテスト基盤整備の重要性を、セッションを通して説明した。

（講師： システム基盤技術統括部　矢野 英也）

ビジネスの差別化が難しくなっている昨今、商品を市場に出すスピード自体が競争優位性につながるようになってきた。各企業では超高速開発の実現に向けた改革が行われ、開発手法がスピードアップしている一方、テストデータ準備の面は改革が追い付かず、超高速開発の足枷となっているのが現状だ。

ここで新たなソリューションDelphixが変革をもたらす。Delphixは本番データをセキュアな状態で高速に複製することができる。さらにDelphixによって本番データをテストの早い段階で使用できるようになるため、データに起因するバグを従来より早期に発見できる可能性が増し、シフトレフトも実現可能。

セッション後半では従来の方法との比較や、実例に基づく活用例を紹介し、Delphixはこれまで膨大な時間・コストをかけていたテストデータ準備の課題全てを解決する製品である、と述べた。

（講師： データベース技術本部　拝島 渚）

日本社会が抱える構造的な諸問題を解決すべく、政府主導の「働き方改革」を推進する一つの手段として、RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）への期待は過熱の一途をたどっている。数多くの企業が急ピッチでRPA検討を進めてはいるものの、検討プロジェクトが道半ばで頓挫している例は少なくない。

本セッションでは、その一因としてRPAで自動化することが困難な「ディシジョン（＝業務上の意思決定）」の存在を挙げ、業務プロセス全体の自動化を図るためには「ディシジョン・オートメーション」が不可欠であることを指摘した。また、推論型AI「Progress Corticon」を中核技術としたAEDANを活用することで、ディシジョン・オートメーションが実現されることを、プロトタイピングによる検証結果として証明した。

（講師：情報基盤技術統括部　神崎 崇）

比較的手軽に業務システムの構築が可能なkintoneやSalesforceなど、クラウドサービスの利用が広まりつつある。一方で、それらファストシステムとは対照となる基幹システムの領域では、インメモリ型ERPパッケージのSAP S/4HANAが注目を集めている。これに伴い、各クラウドサービスやSAPなどオンプレミスのシステムを互いに連携させる必要性が増えている。連携用のAPIによる実装が考えられるが、API連携をプログラミング開発する敷居は高い。

本セッションでは、kintoneやSalesforce、SAPと他システムを簡単に連携することが可能なデータ連携ツールのDataSpider Servistaについて、事例やデモンストレーションを交えて解説した。

（講師： 情報基盤技術統括部　上間 淳尚）