アシストが実践するDX - 経理 -
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HEADLINE
経理が目指す姿
ビジネス環境・働き方・ツールの変化により、経理は事務作業中心の組織から、本来の仕事である「経営管理」に重きを置いた少数精鋭組織への変革が求められています。アシストも、中期経営計画/超サポ-2024の実現に向け、生産性の向上と付加価値の高い仕事をする「攻めの経理」組織を目指す必要がありました。
そこではじめたのが、業務見直しやIT技術などを活用した「ビジネスプロセス改革」です。
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経理が実践するDX
感じた危機感
経理が日々の業務を行う中で抱えていた危機感は、大きく2つありました。
- 実務担当者の作業工数増加
- 契約数や社員数の増加に比例して増える業務量
会社の規模拡大に伴って更なる状況の深刻化が想定されることから、今居る人財で対応を続けるためには、「ビジネスプロセス改革」への着手が急務でした。
そんな中、ある外部コンサルタントとの出会いに改革のヒントを得て、経理DXが動き出します。
ビジネスプロセス改革への第一歩
経理業務の効率化を専門にしている外部コンサルタントの力を得てはじめたのは、経理の業務整理です。その結果、業務時間のおよそ8割が事務処理とマニュアル作成に割かれていることが明らかになりました。日々作業に追われる事務作業中心の組織で、担当者の業務負荷が高く、高ストレスであるという危機感が、数字に表れた瞬間でした。
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その後は、現状の経理業務を評価し、問題点と課題の洗い出しを行いました。
その結果、経理の「ビジネスプロセス改革」のテーマは、やらないことを決める・BPOする・IT化するの3つになりました。
取り組んだこと
1. やらないことを決める
やめても支障がないことを検討する中で、大きく3つが対象になりました。それは、日々の事務作業・多能工化の方針・外注可能な作業です。経営管理部 部長/小牧 健一は言います。
例えば、毎日のチェック、担当の持ち回り、マニュアル作成などです。行っていた理由はそれぞれにきちんとあるのですが、やめても業務がまわるのであればもっと大事なことに時間を使った方が良いですよね。
日々の事務作業をやめる
頻度高く処理する必要がない業務として洗い出した中に、精算・支払・入金消込などの業務集約化があります。従来は発生する都度対応していましたが、特定日に一括で集約処理することで、事務作業を行わない日を確保できるようになりました。
実践にあたっては、やめることによって業務に支障が出ないことを調査・分析しましたが、社員をはじめとした関係者へのサービスレベルを下げないことが重要なポイントでした。
社員の皆さん全員の心までは読めませんが、レベルが下がったといった声は今のところ届いていません。
多能工化の方針をやめる
アシストでは多能工化の方針のもと、一人の担当者が複数業務を担当できることを目指していました。多能工化によって、複数業務を担当できる社員が増えて組織の柔軟性が向上する期待がありましたが、実際はそれが原因で引き継ぎ・マニュアル作成など大きな負荷が発生していました。
そのため、退職者引き継ぎ・管理業務・決算対応などの例外業務を除き、役割を明確化して専任制に切り替える方針に転換しました。マニュアル作成などが必要なくなったことで、負荷軽減はもちろんのことストレス削減への効果も出てきています。
外部委託可能な作業をやめる
現状の業務を整理する中で、担当者の負担を軽減できる対応として外部委託がありました。ここについて詳しくは、「2. BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)する」でご紹介します。
2. BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)する
BPOする対象は、作業ボリュームと付加価値の有無という観点で選定しました。その中から、作業ボリュームが大きく付加価値が低いと判断した「文書スキャンと保管」業務がBPO対象になったのです。当時、契約書や帳簿へ記録が求められる文書管理と保管の作業だけで年間1,080時間、スキャンは年間3,300ファイル・8,000ページにも上り、対応に多くの時間を費やしていました。さらに今後の売上げ拡大とともに比例的に増加することが分かっていました。そのため、文書管理と倉庫が連動するサービスに絞って数社ほど比較した結果、コストのみでなく要件に寄り添って具体的な改善提案があった会社へ依頼することを決めました。
結果として、BPOは高い投資対効果につながりました。そのため、東日本地区では経理だけにとどまらず、営業から経理へ提出する契約書・注文書・納品書などをBPOに追加しました。対象を拡大させたことで、2019年に約2万枚だったスキャンは、2020年には約5万枚に上っています。現在、さらに大きな範囲でBPOができないかを構想検討しています。
3. IT化する
IT技術を活用したシステム化や自動化では、入金消込業務の消込率向上・RPA化・経営レポートのBI化を対象にしました。
IT化は効果が期待できるからこそ、検討前に業務の見直しが重要と小牧は言います。
入金消込業務の消込率向上
アシストでは、基幹システムの入金消込機能の自動消込率が40%と低く、残り60%の入金消込は7名で手作業し、月末の一大業務となっていました。この手作業の自動化を最優先課題として、入金消込ソリューションによるIT化を検討したのです。
「お客様に提案する製品は自社でも活用する」という方針のもと自社の AEDANを含めていくつか検討しましたが、最終的には現基幹システムの入金消込機能を改修することで決着しました。背景には、基幹システムの老朽化があり、今後システム刷新する可能性があることから、一旦影響が少ない対応で効果を出すことを優先しました。
基幹システムの入金消込機能の改修により、自動消込率は40→70%まで引き上げられ、月末の入金消込担当を7名から2名にまで減らすことに成功しました。
経理のお客様からアシストへ頂く自動化に関する相談のほとんどが入金消込という理由も頷けます。
RPA化
数年前、「RPAで生産性を向上できる業務がないか」を全社で検証する取り組みが行われました。経理の業務でも検討を実施しましたが、対象システムとツールの親和性などの観点で、RPA適用は見送られています。一方、人事の業務では効果があった事例を こちらでご紹介していますので、よろしければご参考ください。
経営レポートのBI化
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経営層向けの管理会計レポートは長年、基幹システムからダウンロードしたExcelをもとに、担当者が作成していました。この作業は完全に属人化していて、レポートの完成までに3か月もの期間を要していました。この業務の改善のために採用したのが、 Qlik SenseというBIツールです。Qlik Senseは、データ収集から加工、可視化の自動化を担います。
管理会計レポートは、商品別採算性や経費予実管理、資金レポートなど多岐にわたります。これらをQlik Senseに集約させることで、レポート作成にかかる工数の削減と属人化の解消を実現しました。
DXで大事なこと
これまで取り組んできたことの振返りから、DXを進める上で重要なことは何よりも一歩を踏み出すことと小牧は話します。
ビジネスプロセスを見直すことや、IT化することなどご紹介してきましたが、経理業務は基本的に全て必要だから行われている大事な仕事です。そのため、DXに踏み出すマインドとしては、いきなり大きな変革を目指すのではなく、今後も必要業務を遂行し続けるためにまず余力をつくる方が重要と小牧は続けます。
だからこそ、はじめにこの状況を打破して余力時間を捻出することが大切だと思うんです。
今後の取り組み
DXは終わらない
ビジネスプロセス改革という名のDXで、業務の効率化ができたことは大きな成果です。
予測どおりに増加した業務に対応しながら、監査法人への対応・管理会計分野の強化など、新しい業務についても人員を増やすことなく当初の人財で遂行しています。
ただし、「経営管理として本当にやりたいことを実施できる余力を生み出しているか」という観点では、まだそこにいたっていない現状があります。
経理は決算書作成の最終集計部門、つまりバリューチェーンの最後に位置付けられます。
さらなる余力を生み出すためには、他部門を含めてチェーン全工程でビジネスプロセス改革を考えなければ、真の改革・改善が望めません。
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DXは販売・購買プロセスへ
主要プロセスである販売・購買プロセス改善に向けて、「購買DXプロジェクト」が既に動きはじめています。このプロジェクトは2022年1月の電子帳簿保存法改正への備えでもあり、発注・請求・契約書など年間2万枚超の紙処理を全て電子データで授受する仕組み作りの契機となる取り組みでもあります。
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2021年はメーカーとサプライヤ、アシストを繋ぐ請求書授受、電子契約のシステム化から始めました。
各社との協議の中、様々な制約条件や請求書授受の仕組みが異なることなどから、「統一化」して進めることは難しいといった課題が明らかになりはじめています。
さらにDXを進めながら、キャリア形成を考えることも「攻めの経理」には重要と小牧は言います。
経理の取り組み関連動画のご紹介
2021年7月開催のセミナーを収録した動画のご紹介です。
ぜひご自由にご覧ください。
【収録時間:約20分 再生速度の指定可能】
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