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RPAとは?組織の生産性を高めるために必要な視点

RPAとは?組織の生産性を高めるために必要な視点

日本企業の事業現場では、将来の労働人口減少に備えるため、また、現状の人手不足を解消するために、従来の定型・反復型業務をRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)で自動化し、主にホワイトカラーの労働生産性を高めようと取り組んでいます。背景には市場に様々な「RPA」と呼ばれるツールが乱立し、そのセールス活動も盛んなため「RPAツール」を導入しさえすれば、日々の業務が大幅に効率化されるとともに、以前と比較し事業コスト削減(人件費)につながり、組織の生産性もまた飛躍的に向上し、働き方改革にもつながる。とそのメリットだけが独り歩きしバラ色の世界を夢見がちですが、本当でしょうか?
実際の所、「RPA」ツールで自動化できる業務領域はそれ程多くはないことに、気づき始めています。
その理由は、ツールには得意・不得意分野が存在し、RPAツールが得意なのはシステムやアプリケーション間のデータ登録、転記、ファイルの操作、自動応答など、一定の基準や手順に基づくPC上の定型的・反復的な作業でしかないからです。

そもそもRPAとは何か?

RPAとは、Robotic Process Automation(ロボットによるプロセスの自動化)の略で、担当者のパソコン単純操作を自動化することがRPAではなく、またそれを実現する特定のツール/ソフトウェアを指すものでは本来ありません。
現在多くの方が思われているRPAとは、RDA(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)に属するものです。筆者は手段を問わず、ソフトウェアロボットによるプロセスの自動化を実現し、業務を高度化してゆく取り組みを「RPA」と定義しています(英語版RPA Wiki )。

さて、ここからはRPAツールありきではなく、業務の自動化で組織の生産性を最大化するにはどのような視点が必要なのか?具体例を挙げながら解説します。

RPAの適用業務

定型・反復的な業務(一例)

■定型で反復的な業務とは?
経理部門であれば日々上長承認を経て申請される経費と勘定科目の妥当性を確認したり、入金と債権を突合して消し込む入金消込 のような業務です。
営業部門であれば、作成した見積りや請求の妥当性を検証し、承認を得た上でお客様に提示するような業務です。
人間機能で分類すれば、「手」と「脳」の役目に分類できます。
契約管理部門であれば、申請された加入申込データの不備チェック、内容をチェックし、確認終了後にシステムへ入力するような業務です。

基本的に、このようなバックオフィスでの定型かつ反復的な業務は、最新IT技術で一部または全部を自動化し易い領域であることは間違いありません。
しかし、改めて現在の業務を振り返ってみれば、多くの企業がRPAツールで改善しようと検討している「パソコン上の単純な定型操作」は業務フロー中ほんの一部のタスクに過ぎず、例えこの実行部分のみ自動化できたとしても、結局組織の生産性はあまり向上しないことに気づきます。
その理由は、1つの仕事は複数のプロセスや人の手を経て完結するもので、その各所で定型・反復型の意思決定(判断)を下す属人的な知的作業が存在し、これが業務進行を妨げ、組織の生産性を下げる大きな要因の一つだからです。
わかりやすく単純な例を挙げれば、必要なデータを収集し、成形加工が完了したとしても、確認の上承認を得なければ後続タスクに進めません。
しかし、確認と承認を実施する役割の上級社員は不在のこともまた多く、次に確認できるのは明日の午後。このようなケースが残存する限り、組織の生産性が飛躍的に向上することもまたありません。

▼ 何故RPAツールだけでは不十分なのか? ホワイトペーパーを読む ▼

定型・反復型の判断とは?

■資格判定
受給資格や会員グレードなどで人やデータ等を分類し、適用すべき施策やサービスを決定することなどを指します。

■妥当性確認
請求や注文、入出金などを正しく処理するための仕組みと結果の検証を指します。

■確認と承認
システム入力前のデータチェックなど、次のタスクに移動させるか否かの判定行為を指します。

このような人の判断を自動化し、自動化の範囲をさらに拡大することで生産性の高い組織の実現が可能になりますが、人の介在が必要となる「チェック」等の判断業務の自動化はRPA ツールに任せることができない分野です。

定型・反復型業務に於けるディシジョン

定型・反復型業務に於ける判断業務

例えば、「受注リストを基に、基幹システムから顧客情報を抽出する」、「メールに定型文を付与して送信する」といった典型的なPC上の定型かつ反復的なタスクは、繋がっていないシステムを人力で繋げるために必要な作業で、RPAツールによる自動化がしやすいタスクです。
しかし、自動化の範囲を拡大するために、このようなタスクと連続するディシジョンタスクをRPAツールの拡張開発で実現しようと検討するケースがありますが、これはお薦めできません。この理由は、ディシジョンの自動化はRPAツールの適用限界を超えるもので、その実現のためには「作り込み開発」が必要となります。これはロボット自体の属人化を招くもので、これでは本質的な問題は全く解決しないからです。
また、この問題を利用部門自らRPAツールで解決しようと考えがちですが、社内外のシステムやソフトウェアを熟知しているのはIT部門であり、その解決は本来情報システム部門の役割かもしれません。
もし、利用部門が独自にこの問題をRPAツールで解決しようとすれば、ロボットが参照するシステムやツールのバージョンアップ・機能改修時には、想定以上の対応工数が必要となることを認識しておくべきです。

逆に、分類やチェック、確認のような判断タスクは組織の業務そのものです。これを自動化するためには、「人が考える業務」を自動化することに最適化されている、ルールベースAI が向いています。
そして、業務エキスパートの判断の自動化は、業務を熟知する該当部門がそのオーナーとなり、自ら率先して推進すべきものです。前述例と同様に、この部分をIT化要件としてIT部門が主導してしまえば、制度変更時には都度都度業務説明より実施し、その後改修する今までと同様の変化に弱い自動化システムとなる可能性が大きいからです。
市場には様々なツールが乱立しセールス活動もまた活発ですが、採用するツールの適用限界を見極め損なったり役割が入れ替わってしまうだけで、常に監視が必要なロボットになりかねません。

RPAとは?まとめ

業務自動化にITを導入する時のポイントは、プロセスやフローの見直すことなくそのまま適用させることができるものを選択し、適切な推進部門を定めることです。長らく積み上げてきた方式で自動化すれば、誰もがその効果をまず実感することができるからです。また、自動化実施後にフローや内容の見直しが必要となっても、適切な推進部門がオーナーであれば、迅速に改善し続けることができます。
また、ツールには人間と同様に得意不得意があります。自動化対象業務の軸が「手」なのか「脳」なのかで採用すべきツールは異なり、無茶な実装は後々問題を招きます。

課題をピンポイントで解決するツールの例

RPAツール

RPAツール
システムへのデータ入力やダウンロード、データの転記などの“単純なPC手作業”のロボット化に有効です。
例:Roboware
例:WinActor

データ連携ツール

データ連携ツール
データベースやクラウド、エクセルなどに直接繋ぐ”データを集める作業”のロボット化に有効です。
例:DataSpider Servista

ルールベースAI

ルールベースAI
データの分類、チェックなど、業務に於ける“人が考える作業”、つまり「判断業務」のロボット化に有効です。
例:Corticon

RPAツール、データ連携ツール、ルールベースAIの利活用による業務 Before/after

RPAツール、データ連携ツール、ルールベースAIの利活用による業務 Before/after

このような既存IT技術を組み合わせ、業務自動化の範囲を拡大し、効果を最大化させたお客様のケーススタディをご紹介します。

例えば、見積や発注、審査などは、労働生産性の向上のために既にシステム化されていることが多いですが、長年使われたこのような「基幹システムの機能」は、度重なる改修を経て肥大化・複雑化しており、その迅速な改修が難しくなっています。
以下のケーススタディは、既存システムの変更なくサブシステム化による業務改革を実現されたお客様の事例です。

現状のクレジットカード発行審査プロセスを変更することなく業務効率化を実現

例:現状のクレジットカード発行審査プロセスを変更することなく業務効率化を実現

特定のツールありきで課題解決を検討する前に、「目指すゴール」を正しく設定し、ツールを使い分け、業務自動化の範囲を拡大してゆくことが組織の生産性の大幅な向上に繋がります。



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