SAP S/4HANAのデータ活用基盤を短期間で構築する手法とは?

このコラムでは、SAPを対象としたデータ活用基盤を短期間で構築(例えば、1モジュールを対象に4ヵ月で構築)する方法について記載します。
SAP S/4HANA データ活用に関する課題
SAP S/4HANAや基幹システムを対象とするデータ活用に関して、それぞれの立場の方から以下のような声を伺うことがあります。

各業務(FI/CO/SD/MM)のデータを俯瞰して見たい
データドリブン経営/リアルタイムマネジメントを実現したい

SAPや非SAPのデータをクラウドDWHに統合したい
SAPのデータを対象としたDWH設計の進め方を知りたい

SAPや基幹システムのデータを活用しやすい形で提供してほしい
シンプルなデータ活用基盤で分析や予測をしたい
アシストではデータ活用基盤を「aebis」として大きく3つの領域で捉えています。
※aebisの詳細はコチラをご参照ください。
データ活用基盤 aebis

当コラムでは、SAPデータ活用基盤として、Qlik CloudとSnowflakeを利用した構成を例に、「つなぐ~ためる~いかす」の領域でSAPデータの統合や活用を考えてみます。
<SAPデータ活用基盤のパターン> ※Qlik Cloud+Snowflakeの構成で考える
SAPデータ活用における課題として以下が挙げられます。
バッチ(ETL)処理でデータ抽出加工しておりデータの鮮度やデータ整合性に問題がある
ユーザー自身がデータを活用して意思決定していくための基盤が必要とされている

必要な要素を「つなぐ~ためる~いかす」の領域で考えてみます。

SAPデータをDWHに統合する方法として、レプリケーション&差分更新の仕組みを利用
データを簡単に(リアルタイムに)DWHへ連携できる
DWH上で必要なデータマートを構築できる

大量データに対応するスケーラビリティやパフォーマンスを確保するクラウドDWHを利用

DWHのデータをユーザー主体で活用する方法としてセルフサービスBIを利用(データ分析だけでなく、機械学習やアラート、レポート配信などでアクションにつなげる)
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SAPのデータ活用基盤を構築するポイント
SAPデータ活用基盤を構築するポイントは以下の3点であると考えています。
① SAPデータをSAPの世界から解放して統合する
② データドリブンを実現するためのデータ活用基盤の構築
③ SAPデータ統合&活用のテンプレートを提供(Qlik SAP アクセラレーター)
それぞれポイントを確認します。
① SAPデータをSAPの世界から解放して統合する
1点目は、SAPデータをSAPの世界から解放する方法です。
SAPデータのDWHへの連携、データマート化において、以下のような課題をお聞きします。

これらの課題に対して、下記の3つの技術が有効であると考えます。
SAPデータをDWHに届けるためのレプリケート技術(Copy)
SAPデータの変更をDWHにリアルタイムに反映する差分更新技術(CDC)
SAPデータからDWHへのデータパイプラインを構築する自動化技術(ELT)
これらによって、どのぐらい簡単にSAPデータをDWHに持っていくことができるか?をデモ動画でご覧ください。
SAPデータをSnowflakeへ届ける実現イメージ
動画 or 静止画でご確認いただけます。
動画で視聴
静止画で確認
(1) SAP GUIでデータソースを確認
・SAPにて対象データを確認します(RSA5、RSA3)
ここでは「0COSTELMNT_ATTR」を例にしています

(2) Qlik Cloud データ統合でデータプロジェクトを作成
・ターゲット(=移動先)に「Snowflake」を指定します

・ソース(=移動元)に「SAP」を指定します

・SAPのデータソースを指定します(0COSTELMNT_ATTR)

・指定したSAP上のデータからSnowflakeへのデータパイプラインを定義します

(3)データプロジェクトを実行して、Snowflakeでデータを確認します
・Snowflake側に自動的にテーブルが作成されデータがフルコピーされます

これ以降は、SAP側でのデータ変更(差分)をリアルタイムにキャッチしてSnowflake側のデータを自動的に更新します。
ここでの説明では割愛しましたが、Snowflake上に届けられたデータを加工してデータマートを作成する機能もあります。
SAPからデータをクラウドDWHに持っていくイメージを持っていただけたでしょうか?
② データドリブンを実現するためのデータ活用基盤の構築
2点目は、データドリブンを実現するためのデータ活用基盤(道具)です。
SAPのデータ活用において、下記のような課題をお聞きします。

これらの課題に対して、下記の2つの技術が有効であると考えます。
DWHやその他のデータを対象に幅広いデータ活用ニーズに対応(BI+AI)
データ活用からアクションにつなげる(アラート/レポート/コミュニケーション)
上記の技術を備えているデータ活用基盤として、Qlik Cloud Analytics があります。
※Qlik Cloud Analyticsについてはコチラを参照ください。
③ SAPデータ統合&活用のテンプレートを提供(Qlik SAP アクセラレーター)
3点目は、サンプルプログラムテンプレート(サンプルプログラム)の活用です。
データ統合とデータ活用の道具を揃えたとしても、下記の課題があります。

これらの課題に対して、下記が有効です。
SAPデータをExtractor経由でDWHにレプリケーション+差分更新のサンプル
DWHのデータを対象とした分析画面のサンプル
これら一連の処理内容をテンプレート(サンプルプログラム)として提供します。
サンプルを参考にすることで開発工数を大幅に削減できます!
【SAPデータのテンプレート画面(O2C)】

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SAPのデータ活用基盤を構築するポイントまとめ
① SAPデータをSAPの世界から解放して統合する
データパイプラインの構築とリアルタイムに近いデータ連携を簡単に実現(Qlik Talend Cloud)
② データドリブンを実現するためのデータ活用基盤の構築
幅広いデータ活用ニーズに対応でき、アクションにつなげる機能を持ったデータ活用ツール(Qlik Cloud Analytics)
③ SAPデータ統合&活用のテンプレートを提供
すぐに活用できる分析画面のテンプレートの利用(Qlik SAP アクセラレーター)
最後に
データ活用基盤の構築手法として、アシストでは以下のようなステップで進めていきます。

① 要件やデータや分析イメージのヒアリング
② SAPデータを含めて、CSV形式でデータを用意
③分析画面の開発
④分析内容のレビュー(意思決定に利用できるか?、アクションにつながるか?)
⑤ SAPデータからSnowflakeへのデータパイプラインの開発(データパイプラインのコラムもご参照ください)
もちろん分析画面は開発せず、データパイプライン構築に限定して進めていくパターンもあります。
このような手法と、Qlik CloudやSnowflakeというクラウドソリューションを利用することでSAPデータ活用基盤を高品質(Q)、低コスト(C)、短納期(D)で提供します。
高品質(Q):QlikのSAPデータ統合における実績、柔軟性、開発生産性
コスト(C):ライセンス+開発+支援一式をセットで提供
納期(D):クラウド基盤の利用、アシストの工法による納期短縮
上記の技術を備えているデータ活用基盤として、Qlik Cloud Analytics があります。
※Qlik Cloud Analyticsについてはコチラを参照ください。
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お問い合わせ
下記のようなSAPデータ活用に関するお悩みをお持ちの方、お気軽にお問い合わせください。
問い合わせやご相談を随時受け付けています。
SAPデータをクラウドDWHにリアルタイムに集約してマネジメントに活用したい!
SAPを新規に導入するのでデータ活用基盤を刷新したい!
SAP BWから脱却したい!
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