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ローコード開発のススメ!ローコード開発ツールやリーンキャンバスについてわかりやすく解説

ローコード開発のススメ!ローコード開発ツールやリーンキャンバスについてわかりやすく解説

企業にてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が重要視されているものの、2020年時点の経済産業省の推計1)では、国内のIT人材は全体で36.9万人不足している状況にあります。そのため、いかに少ないIT人材リソースで効率よくシステム開発を進めていくかが、企業にとって重要な課題となっています。

近年、その課題に対する対応のひとつとして「ローコード開発」が注目されています。
この記事では「ローコード開発」の特徴を紹介するとともに、ローコード開発を実現するためのプラットフォーム「WebPerformer(ウェブパフォーマー)」についても紹介します。

また、ローコード開発でデジタイゼーション(ビジネスプロセスは変化させずに、既存のビジネスモデルにデジタル技術を取り入れること)や、デジタライゼーション(ビジネスプロセス自体を変革して、新たな利益や価値を生み出す機会を創出すること)を促進するにあたり、DXの中核であるビジネス変革を行う際に有用となるフレームワーク「リーンキャンバス」についても解説していきます。

ローコード開発とは?

最小限のコーディングでソフトウェアを開発する手法

ローコード開発とは、高いコーディング知識や経験が無くとも、ソースコードを書かずに、または最小限のコーディングで迅速にソフトウェアを開発する手法やその支援ツールを指します。
ローコード開発を実現するツールには、ソフトウェア開発をする上で必要となる機能やテスト環境がすでに用意されているため、開発期間を大幅に短縮できます。

ローコード開発における基本的なソフトウェア開発は、コーディングスキルが不足している方であっても、画面上でのドラック&ドロップをはじめとしたシンプルなマウス操作で行えます。さらには、業務ロジックの組込みやデータ連携で細かい設定が必要となった場合には、その一部のみコーディングを用いて実装するといった柔軟性も兼ねています。

従来の開発手法との違い

従来の開発手法では、コーディングスキルを持ったエンジニア(プログラマー)により、すべてコーディング作業を用いてソフトウェアを開発します。日本では、コーディングスキルを持つ人材はほとんどがIT企業側に所属しており、システム開発はおのずとIT企業への外注となります。
自社でコーディングスキルを持った人材を雇用する必要が無いことや、IT企業にノウハウが集約され、高度なソフトウェアが開発できるなどのメリットがあります。
しかしデメリットとして、外注を行うため、費用対効果がはっきりとしている投資案件としてシステム開発が行われており、基幹システムなどの開発に投資の優先度が向いてしまう傾向があります。また、昨今IT社会全体で人材が不足しているため、IT企業側が依頼を受けきれず納期が長期化するなど、すぐにビジネスに活かそうにもリードタイムが長くなるといった点が挙げられます。

ノーコード開発との違い

ノーコード開発とは、ツール側に用意された基本機能のみを組み合わせてソフトウェア開発を行う手法です。コーディングは一切不要であるため、コーディングスキルがない人でもソフトウェアを開発できます。

しかし、あくまでツール側で用意された基本機能のみを組み合わせる形でしか開発が行えないため、用意されていない機能や基本機能をカスタマイズしての開発ができません。
開発要件が複雑だったり細かな指定があったりする場合は、ノーコード開発では対応しきれない場合があります。

一方でローコード開発では、ツール側に用意されていない機能であっても、必要に応じてコーディングを用いて独自機能を追加するなどといったカスタマイズが可能です。そのため、ノーコード開発に比べて、より柔軟なソフトウェア開発ができます。

従来の開発手法、ノーコード開発、ローコード開発を一覧にまとめると、以下のとおりとなります。

ローコード開発を一覧

ローコード開発は、開発期間やIT人材を少なく抑えられるだけでなく、追加機能などのカスタマイズで柔軟な対応が可能であるため、近年もっとも注目されている開発手法となります。

ローコード開発のメリット

設計工数の削減

従来の開発手法ではオーダーメイドによる開発となるため、要件定義に加え詳細なシステム設計が必要となります。そのため、開発するすべての機能分だけ設計工数が必要です。
ローコード開発における設計は、システム要件を実現するために、ツールで用意されたパーツをどう組み合わせて活用するか、独自機能やカスタマイズする部分はどこか、という点を設計すればよいだけです。細かな設計は独自機能やカスタマイズを行う部分だけとなるため、設計工数を大幅に削減できます。

開発作業の属人化の排除

コーディングスキルがない方であっても開発可能なため、開発作業を一部のスキルのある人たちだけに任せるのではなく、分担して行えます。
そのため、作業が属人化することなく、効率的に開発を進めることができます。
また、ビジネス要件をよく知る人やシステム企画者がシステム開発に参画しやすいというメリットもあり、開発案件にありがちな「手戻り」コストを下げることにも寄与します。

柔軟なカスタマイズが可能

前述のとおり、従来の開発手法では、すべてコーディングによる開発であるためもっとも柔軟ではありますが、そのぶん開発期間や開発工数がかかります。
一方でノーコード開発では、ツール側に用意された機能のみでの開発となるため、柔軟な機能実装ができません。
その点ローコード開発では、用意された機能を使用して開発工数をおさえつつ、カスタマイズによる柔軟な開発が可能となります。

運用・保守の負担を抑えられる

従来の開発手法では、開発したソフトウェアのメンテナンスは、すべて開発者で行う必要があります。
ローコード開発では、開発したソフトウェアを稼働させるプラットフォーム環境はツール提供ベンダーの環境を利用するため、OSのアップデートに追随するメンテナンス作業などを行う必要がなく、運用・保守の負荷をおさえられます。


ここまで、ローコード開発の概要についてご紹介してきました。

ローコード開発を実現するプラットフォームはいくつかありますが、この記事ではその中でも国内シェアNo.1の「WebPerformer(ウェブパフォーマー)」について紹介します。

ローコード開発プラットフォーム「WebPerformer」

アシストでは、ローコード開発プラットフォーム「WebPerformer(ウェブパフォーマー)」を扱っています。WebPerformerは、定義情報を登録するだけでWebアプリケーションを自動で生成でき、開発工数を大幅に削減して迅速なサービスリリースが実現できる製品です。

WebPerformerとは?

WebPerformerは、基本設計を定義し、その定義情報を登録すれば、登録された内容をもとにJavaベースのWebアプリケーション/バッチアプリケーションを自動で生成します。

WebPerformerの画面

事前に定義する基本設計情報は、大きくわけて以下の3項目です。

  • 生成するアプリケーションが利用するデータのスキーマ情報
  • 作成したい画面の情報(入出力項目や対象端末など)
  • 業務ロジックの情報

また、Webアプリケーションの自動生成だけでなく、以下の機能も搭載されています。

  • 開発中に「どう定義すればいいのか分からない」という場合は、質問を話し言葉で入力する(たとえば「ボタン表示を目立たせたい」など)と、解決策を提案してくれるAIサポート機能を用意
  • 定義情報をもとに、アプリケーションと同期がとれた設計ドキュメントを出力
  • テストケース(画面に対してどのような項目を入力し、どのような操作を行うと、どのような結果が返ってくるのか)を作成し、実行結果をレポートとして出力
  • ユーザーインターフェース(UI)のプロトタイプを簡易に作成できる「UI Designer」機能の提供

さらに、自動生成されるWebアプリケーションは以下のとおり様々なニーズに対応しています。

  • パソコン版ではマルチブラウザに対応しており、スマートデバイスからもアクセス可能なようにマルチデバイスにも対応している
  • カレンダーから日付を選択したりデータ候補を表示するサジェスト機能を設定したりと、操作性の良いWeb画面の生成が可能
  • 大規模システムに不可欠なバッチ処理の自動生成が行える
  • Excelライクな操作感を実現するデータグリッドやグラフを作成したりと、html5の技術を採用したアプリケーション開発が可能
  • Webサービスを呼び出すアプリケーションを生成したり、WebPerformerで生成したアプリケーションをWebサービス化することも可能
  • 英語や中国語以外の多言語にも対応

WebPerformerの特長1:上限数を気にせずアプリケーションの開発が可能

ローコード開発ツールには、大きくわけて「ソースコード生成型」「プラットフォーム型」「実行エンジン型」の3つがあり、WebPerformerは「ソースコード生成型」となります。
ソースコード生成型とは、アプリケーションのソースコード生成を目的としたツールとなり、いちど導入すればアプリケーション数に上限を設けず、業務に必要な分だけ開発が可能となります。
また、実行環境も自社で使用しているインフラ環境を活用できるため、アプリケーションの実行に新たなコストはかかりません。

WebPerformerの特長2:生産性の向上

ソフトウェア開発のプロセスを「設計」「開発」「テスト」の3つのフェーズに分けるとすると、WebPerformerを活用することで各プロセスにて生産性の向上が見込めます。

まず設計フェーズでは、登録情報をもとに仕様ドキュメントを出力する機能があるため、設計書の作成やメンテナンス工数を削減できます。

そして開発フェーズでは、コーディングを行わずに設計情報を登録するだけで自動的にアプリケーションを生成できるため、開発工数を大幅におさえることが可能です。

さいごにテストフェーズにでは、テストケースの作成やテスト実行、テスト結果のレポート出力が可能となり、テスト工数の削減につながります。

それぞれのフェーズで工数短縮を実現することにより、開発工程全体の生産性向上が可能となり、従来の開発工数と比べ4分の1から2分の1程度の時間で、高機能なアプリケーションを構築できます。

生産性の向上イメージ

WebPerformerの特長3:習得が容易

WebPerformerでアプリケーションを生成するにあたり、業務知識とデータベースの設計スキルがあれば、Java言語を知らない人でも簡単にアプリケーションを開発できます。
実際に導入されたお客様のおよそ6割が、1か月以内で操作を修得したという実績もあります。

WebPerformerの特長4:保守性の向上

従来の開発手法では、稼働環境のOSがバージョンアップされるたびにアプリケーションのメンテナンスや稼働テストを行う必要がありますが、WebPerformerで開発したアプリについては、バージョンアップへの追随はWebPerformer側で行います。
そのため、開発者は新しい稼働環境に対応したWebPerformerに定義情報をそのまま登録しアプリケーションを生成しなおせば、これだけでバージョンアップの対応は完了します。

WebPerformerの特長5:属人性を排除した運用

WebPerformerを利用すれば、設計ドキュメントの保守も手間をかけずに行えます。
従来では、開発する人と保守・サポートをする人が異なる場合に、ドキュメントのフォーマットや記載方法が異なり、引継ぎが大変なケースがあります。
WebPerformerでは、出力項目の定義があらかじめ決まっているため、どのアプリケーションであっても情報を統一でき引継ぎをスムーズに行えます。

WebPerformerの特長6:セキュリティリスクに対応したアプリケーションの生成

外部機関へセキュリティ診断を依頼し、プラットフォームにおける各種セキュリティリスクに対して常に備えています。
そのため、開発者はセキュリティリスクを意識せずに開発を進めることが可能となります。

課題整理を支援するリーンキャンバス体験

冒頭でもご紹介したとおり、近年ではIT人材不足によって様々な課題があり、その対応のひとつとしてローコード開発が注目されています。これまで紹介してきた中でローコード開発の優位性についてはご理解いただけたかと思いますが、以下のような疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

  • ローコード開発ツールを使って本当に今の課題が解決するの?
  • システム開発がビジネスに寄与するのか不安
  • ビジネスモデルの観点からシステム開発の有用性を判断したい

このような方に対して、アシストではローコード開発ツールとしてWebPerformerをご提案するだけでなく、お客様のビジネスモデルを可視化し、ビジネス変革をサポートするフレームワーク「リーンキャンバス」をご体験いただくワークショップ型トレーニング「リーンキャンバス体験」をご用意しております。

課題整理を行うリーンキャンバスとは?

リーンキャンバスとは、ビジネスモデルを以下の9つの要素に分け、整理する手法です。「誰の」「どんな課題を解決するか」を洗い出し、新しいビジネスモデルを考える際に有効な手法です。

A4用紙1枚程度のサイズに、以下のようなフレームワークを使用してまとめていきます。

フレームワークイメージ

リーンキャンバスのメリット

リーンキャンバスの各要素をお伝えする前に、課題を整理したりビジネスモデルを考えるのになぜリーンキャンバスを利用するとよいのか、そのメリットを3つお伝えします。

1. 関係者内で認識が合わせやすい

上記のフレームワークにビジネスモデルの要点をまとめることで、だれでも内容を一目で理解することができます。ぱっと見ただけでその事業のコンセプトがどういった方向を向いているのかを理解したり、そこにある課題が何なのかを判断しやすくなります。

2. 短時間で作業ができる

膨大なページ数にもおよぶ事業計画書の作成にはかなりの時間を要しますが、リーンキャンバスであれば一枚の紙にまとまります。また、事業計画書の場合は内容を大きく修正することは大変ですが、リーンキャンバスであればすぐに修正することができます。

3. 考えを共有しやすい

1ページにすべての主要な要素がまとめられているため、この1ページのみを関係者へ共有すれば現在抱えている課題やビジネスモデルの全体像をすぐに把握できます。

リーンキャンバスの要素1:顧客セグメント

顧客セグメントには、企画しているサービスのターゲットである顧客を埋めていきます。つまり「このサービスに対してお金を払ってくれる人」が対象です。

ポイントとしては「最初に顧客になってくれる人(アーリーアダプター)」の特徴を記入することです。(アーリーアダプターとは、新サービスを早期に受け入れ、他の顧客に影響を与える顧客層のことです。)

ここで幅広い顧客層を設定してしまうと、対象が広くなりまとまりのないアウトプットとなってしまうため、広範囲な顧客セグメントを対象にしていたとしても、まずはアーリーアダプターをメインに書きましょう。

リーンキャンバスの要素2:課題

「1:顧客セグメント」に記入した顧客(アーリーアダプター)が、現在抱えているであろう課題を書き出します。顧客視点に立って上位3つほどを挙げていき、さらにはその課題に対して顧客が現在どのような対処をしているのか、他社における既存のサービスも書き出してみます。

リーンキャンバスの要素3:独自の価値提案(UVP)

「独自の価値提案」は「UVP(Unique Value Proposition)」ともいい、企画しているサービスを記入します。他のサービスには無い独自の価値も合わせて記入する必要があり、9つの要素の中でもっとも重要かつ難しい点です。

顧客がこのサービスにお金を払う理由とも言え、顧客の課題を解決できる点になりますので、明確に記入しましょう。

もし思いつかない場合は仮で記入しておき、他の要素を埋めていく形でもOKです。

リーンキャンバスの要素4:ソリューション

顧客の個々の課題に対する解決策を記載します。「3:独自の価値提案」を踏まえて、具体的に落とし込むと方向性が固まりやすくなります。

ここでは詳細に記入せず、概略程度に留めて記載しておくことをおすすめします。なぜなら、その後の検討で課題が変わってしまうと、ソリューションもあわせて変わるなど、変化が起こりやすいためです。

リーンキャンバスの要素5:チャネル

どのようにして顧客に自社のサービスを知ってもらうのか、サービスを届けるルートを記入します。インバウンドチャネル(プル型)やアウトバンドチャネル(プッシュ型)でどのようなタッチポイントがあるのかを考えてみるとよいでしょう。

リーンキャンバスの要素6:収益の流れ

企画するサービスの価格(製品や契約形態)を記入します。ここでは数年後の価格を予測するのではなく、リリース直後の価格を記入します。

リーンキャンバスの要素7:コスト構造

サービスを開発し、公開するまでに必要となるコストを入力します。人件費や開発費用だけでなく広告や宣伝費用といった関連するものも含めて、思いつく限りを洗い出していきます。

初期の段階では具体的な金額までは分かりづらいため、まずはどのような項目で費用が発生するのかをリストアップし、金額が判明してから記載していくとよいでしょう。

リーンキャンバスの要素8:主要指標

企画しているサービスを成功させるためには、中間の過程において目標とすべき指標を明確にする必要があります。主要指標を策定するにあたっては、なるべく具体的な数値を使って算出しましょう。

リーンキャンバスの要素9:圧倒的な優位性

競合サービスが簡単には真似できない、自社ならではの商品やサービスの優位性を入力します。既存顧客や人脈、コミュニティ、長年の経験など、他社にとってすぐには得られない優位性が望ましいです。もし浮かばなければ、逆に何であれば他社には真似できない強みを作れるのか?を考えてみましょう。


以上がリーンキャンバスの概要となります。
アシストでは、実際にリーンキャンバスを使ってビジネスモデルの可視化を体験できる「リーンキャンバス体験」ワークショップをご用意しております。



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